The Pawn  

ザ・ポーン

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築100年以上の質屋を改装したレトロなレストラン。古き良き香港を色濃く残した空間で洗練された料理を味わう贅沢なひととき。

こんにちは、香港ナビです。香港島で古い町並みが残っているレトロな街といえば、ここ湾仔。戦前に建てられた建物も健在です。ただ、ナビでもたびたびお伝えしているように、このエリアは政府の再開発地区に指定され、趣のある、エレベーターのない「唐楼」と呼ばれる古い低層アパート群が次々と壊され、高層ビルに様変わりしています。そんな中、今日ご紹介する『The Pawn』が入っている建物は、運良く保存が決定し、改修工事を経てモダンな英国料理レストランとして再オープンしました。 

100年以上の歴史を持つ質屋

湾仔を東西に貫くトラム道、荘士頓道(Johnston Road)に面した3階建てのこの建物。見覚えのある方も多いのではないでしょうか?1888~1900年の間に建てられ、100年以上の歴史を持ちます。マレーシアやシンガポールなど旧イギリス植民地でよく見られるショップハウス形式で、昔は質屋が入っていました。2008年4月に改修工事が終了し、現在は1階から3階までがレストランとして再スタート。まだ工事中のG階は家具屋さんになる予定です。

改装工事を終えて、古さの中に新しさが感じられるユニークな建物に生まれ変わりました。階下には、『和昌大押』というレトロな看板が出ています。『押』というのは広東語で質屋という意味。今でも香港のあちこちでこの字を見ることができますね。1階と2階の外にはシーリングファンがおしゃれなテラス席が見えます。入り口に店の看板が出ていないため、これぞ知る人ぞ知る穴場レストラン。

時代をタイムスリップしたような懐かしいインテリア

1階 リビングルーム
2階 ダイニングルーム
3階 ルーフトップガーデン

3フロアあるレストランの総面積は約1300平方メートル。昔の建物ならではの高い天井が入った瞬間に開放感を感じさせてくれます。線路を軋ませながら走るトラムの音や通りの喧騒が嘘のように静かな独特な空間。まるで時代をタイムスリップしたような不思議な気分になります。
金網で区切られた先はキッチン。中にはワインがぎっしり入った棚が見えます。網には、『大押』、『The Pawn』というお店のロゴが飾られていました。店名でもある『Pawn』は英語で質屋という意味です。
リビングルームと名付けられた1階は、友達との待ち合わせや食後のひとときに使えるバーラウンジ。ランチもこちらで食べられます。人や車が慌しく行き交う荘士頓道を眺めながら、おいしいワインやカクテルを飲むのもいいですね。イギリスのビールのほか、ワイン、ブランデー、ウィスキーなどの洋酒が充実しています。
テラス席にはゆったりとしたソファが用意されています。まるで自分の家にいるようなくつろぎの空間。
レンガでできた壁には、質屋の看板を撮影した写真が所狭しと飾られています。この店のデザインは映画監督スタンリー・ウォン(黄炳培)とローカルデザイナーによるものだそうです。
太陽の光が燦燦と入る広いダイニングルーム。ダークブラウンで統一された室内は、まるで隠れ家ホテルのよう。香港の街中にもこんな素敵なレストランがあるんだ、と改めて感動してしまいます。1階のカジュアルな雰囲気とは打って変わって、こちらはフォーマルな印象です。おしゃれをして出かけたいですね。定員12名の個室もあるので、パーティでも使えそう。
テラス席からはトラムが走る湾仔の街を見下ろすことができます。
屋上のルーフトップガーデン。現在はプライベート・パーティーがある場合のみ使用しているそうです。
この柱は建設当時のまま。いたるところで歴史を感じさせてくれる素敵なレストランです。

フレンチと融合したイギリス料理

さて、次は気になるお料理を紹介します。こちらではモダン・イギリス料理を提供しているそうですが、イギリス料理?というジャンル、なかなか耳にすることはありませんよね。イギリスの食べ物と言えば、フィッシュ&チップスやアフタヌーンティーを思い浮かべますが、こちらのレストランで出される料理は、伝統的なイギリスの料理にフランス料理を融合させたものになっているそうです。イギリスからシェフを呼び寄せ、毎日マーケットで新鮮な食材を選び、日替わりでメニューを作っています。だから、1度行っても次回来るときには同じものがない、なんてこともあるそうです。

Peppered rare beef, wild leaves, parmesan, truffle oil HK$115
ローストビーフと野菜の前菜です。中身をほんのりと赤みが残る程度にうまく焼き上げられた牛肉はとってもジューシー。ぴりっと辛い胡椒のアクセントがきいています。パルメザンチーズのスライスが添えられてとっても上品。

Fish and chips, peas, homemade tartar sauce HK$180
イギリス料理といえば、やはりフィッシュ&チップス。えんどう豆の鮮やかな緑がすがすがしいですね。自家製のタルタルソースをつけていただきましょう。

Pumpkin and sage risotto, rocket, goats cheese HK$170
かぼちゃ、ルッコラ、ゴートチーズのリゾットです。かぼちゃを形がなくなるまで煮込み、自然な甘さとクリーミーなやさしい味です。ちょっぴり辛い独特なルッコラは、ビタミンCやカルシウムが豊富。女性にはうれしいですね。

Pan roast duck breast, oven dried tomatoes, wild berries HK$195
アヒルの胸肉のローストにオーブンで焼いたトマトとワイルドベリーを添えたお料理。トマトやワイルドベリーの自然な酸っぱさが肉の臭みを和らげ、とても食べやすい味に仕上がっています。

Eton mess HK$75
ストロベリーと生クリームにメレンゲを砕いたものを混ぜたイギリスのデザート。口の中で溶けていくメレンゲの不思議な食感がユニーク。マシュマロよりも柔らかい、まるで雲を食べているような感じ?です。これはナビもオススメ!ちなみにこの『Eton mess』、イギリスの名門イートン校のピクニックパーティーで食べるという伝統的なデザートだそうですよ。

ソーサーには質屋さんのマークがついていました!食器もすべてオリジナルブランド、とってもかわいい!
いかがでしたか?古き良き香港の姿を色濃く残した空間で、ユニークなイギリス料理を味わいながら、活気溢れる往時の香港に思いを馳せてみませんか?以上、香港ナビがお伝えいたしました!

記事登録日:2008-05-26

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2008-05-26

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