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九龍エリアに唯一残る戦前の映画館が広東オペラなどの戲院として再生

油麻地戲院(Yau Ma Tei Theatre)は100年以上の歴史を持つフルーツマーケット(油麻地果欄)や香港の合羽橋として知られる上海街のすぐ近くにある劇場です。中国戯曲、特に広東オペラなどの上演からリハーサルまで可能な設備を整えており、広東オペラ劇団の育成サポートも行っています。

この油麻地戲院は1930年6月14日にオープンしました。当時は映画館として利用されており、その歴史もサイレントムービー時代に遡ります。その後、時を経て1998年7月31日に映画館は閉館しました。この年、油麻地戲院の建物は歴史建造物2級に指定されています。またこの建物は第二次世界大戦後も九龍地区に残っている唯一のシアターでもあります。

その後、文化的建築物を守り活性化する計画の一環として、2009年に建物の改装工事が始まりました。2012年7月17日、新しい劇場としての油麻地戲院がオープンし、現在に至っています。

生まれ変わった劇場

大規模な改築が行われた油麻地戲院ですが、戦前からの歴史を偲ぶことができるもの、また建物の趣ある特徴は残されています。
劇場に入る前に、正面入り口の両脇にある2本の柱に注目をしてください。柱には舞台で使われるマスクの顔が彫られています。良く見ると、笑った顔、ないた顔など喜怒哀楽を表した顔が彫られています。
また劇場の外観にもぜひ注目をしてくださいね。


館内に入ると、ロビー中央には映画館時代の映写機が置かれています。また、映写機が置かれている 部分の床だけ古いタイルが敷かれていますが、これは改築前に使われていたタイルだそうです。

こちらは劇場の内部です。結構広いですね。
写真でも分かるように、後部座席から前の座席まではゆるいスロープになっています。観客が舞台を見やすいように階段で段差をつけている為です。実は改築以前は、段差もなくフラットな床だったのだそう。
今は、より舞台を見えやすくする為、また火災の時の為に、床下にパイプを引いているので 以前より床が高くなっているそうです。

また、劇場内の椅子に座って天井部分を見ると、屋根を支えているスティール製トラスや木製の棟木をみることができます。これらの棟木やトラスは、以前からある古いものと新しいものが混ざっています。

油麻地戲院では概ね月に1度(不定期なのでホームぺージ上でスケジュールを確認要)、館内のガイドツアーを行っています。全て広東語による説明となりますが、広東語が分からなくてもなんとなく話の流れを掴む事ができたり、普段一般人は立ち入ることができないステージ上やステージ裏の見学もできるので貴重な機会です。
歴史文化に興味があれば参加してみるのも面白いかもしれません。
ステージから見下ろす観客席

ステージから見下ろす観客席

めったに見ることはできないステージ裏にある団員の化粧エリア

めったに見ることはできないステージ裏にある団員の化粧エリア

こちらもメークルームの一部

こちらもメークルームの一部


ロビーエリアには、1940年代の油麻地戲院エリアの様子や 1980年代の映画館時代の写真が飾られていて、誰でも見ることができます。
今ではかなり埋め建てが進んでいルエリアですが、当時は海が近くにあったようです。そんな古い写真をみたり、現在行われている広東オペラなどのポスターを見るだけでも、香港の歴史文化に触れる事ができます。
古い油麻地の写真。ここから戲院を探したりこのエリアの面影を辿るのも楽しいですね

古い油麻地の写真。ここから戲院を探したりこのエリアの面影を辿るのも楽しいですね

現在のショーのポスター

現在のショーのポスター

こちらもポスターの一部

こちらもポスターの一部


こちらのツアーでは、油麻地戲院を訪れるだけではなく、油麻地下町エリア及び深水ポー地域の
散策が含まれています。(外観とロビーエリアのみ)

記事登録日:2018-09-27

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スポット登録日:2018-09-27

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