ドラゴンボートレース

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香港の夏の風物詩。パドルで波をかき分けてゴールを目指す雄大で勇ましい海上のレース、ドラゴンボートレースをご紹介します!

こんにちは!香港ナビです。横浜や長崎など大きな中華街のある街を中心に、日本でもその名が浸透し始めたドラゴンボートレース。香港では5月から6月にかけて、各地域で盛んに行われる夏の風物詩となっています。今年2006年は先月5月30日に開催され、世界各国からたくさんのチームが参加しました。
では、ドラゴンボートレースの紀元からその練習方法などを、元ドラゴンボート・パドラーのナビがお伝えしましょう。
紀元は2300年前にさかのぼる…
今から2300年前、中国の春秋戦国時代、楚(そ)の国に、広く民衆に敬愛された屈原(くつげん)という、詩人で大臣をつとめる男がいました。しかし、あまりに市民に愛されたため、彼をねたむ政敵の陰謀に巻き込まれ、国を追放されてしまいます。

それを歎き悲しんだのか、身を挺しての抗議だったのかは諸説ありますが、彼は揚子江に入水自殺してしまいました。その話を聞いた民衆たちが、ありったけの船を出して彼を救おうと奔走しましたが、とうとう見つけることはできず、悲しんだ民衆は、せめて彼の遺体が魚に食べられることがないよう、きれいなままでいられるようにと、船の櫂で水面を叩きながら、魚のえさにとちまきを川へ投げ込みました。この日が旧暦の5月5日だったことから、その屈元の命日である端午節(端午の節句)にレースが行われるようになり、同時にちまきを食べるという習慣も加わり、少しずつ各国に広まったといわれています。
開催地域と参加チームの結束で盛り上がるお祭り
現在では慰霊の意味は薄れ、レースを通じて地域や参加チームが結束する行事、楽しいお祭り的な意味合いが強くなってきました。レースそのものの結果も注目されますが、参加者たちは水上で海風を感じながらパドルを漕ぐ気持ちよさに、観客は激しい波しぶきを上げながらグングン進むボートの姿に歓声を上げる心地よさに、それぞれ楽しさを感じて盛り上がっているようです。

ドラゴンボートのサイズと定員

ドラゴンボートレースで主に使用されるボートのサイズは、国際規格で長さ16.5メートル、幅最大1.45メートルとなっていますが、開催の土地によっても多少のちがいがあります。そのボートに漕ぎ手(パドラー)20人、太鼓を叩いてリズムを取る太鼓手(ドラマー)1人、舵取り手(ステアマン)1名の22名が乗り込みます。
レースによっては、10人、8人乗りのショートサイズも登場します。女性のみのチームはこのサイズに参加することが多いようです。
また、40人以上が乗っているとおもわれる超ロングサイズのボートもあり、人の重みで今に沈みそうなボートが、人が見えないほどの水しぶきを上げながら進むさまは、すごい迫力です。
大会基準はさまざまなようですが、ナビが参加したレースでは男性チームに女性が混ざることは可能ですが、その逆の女性チームに男性がまざることは不可とされていました。
ボートの先頭にドラマーが乗り込みます。たたく太鼓のリズムにパドラーは漕ぐタイミングを合わせます。最後尾には舵取りが乗り、船の進むルートを見極めます。そして、なによりも団結力が大切な漕ぎ手は左右に分かれて乗り込み、全力を尽くして波をかき分けます!

レースに挑むためにどんな練習をするのでしょう?

ナビが所属していたチームは「超」が大量につくほどの弱小チームで、メンバーもみごとな寄せ集め。最初はボートに乗り込むことすらままならないほどのダメっぷりでした。そのチームがレースに参加するまでに体験したトレーニングとは…。

パドルの持ち方から、水面への着水、漕ぎ方、水上での動かし方などを、いきなりボート上でレッスンします。監督の大声に合わせてじたばたとパドルを動かすと、ボートは右に揺れ左に揺れの大騒動。

それでも、ひっくり返らずギリギリセーフで浮かんでいられたのは、絶対に落っこちたくない!っていうほど汚い湾で練習していたからにほかなりません。上達の近道は、サバイバルな環境からかもしれないですね。もちろん、写真のような立派なチームはこのような大胆なことはせず、きちんと陸上での筋トレや基礎練習をしてからボートに乗り込んでいます。
ある程度の基礎ができてきたら、あとはレースを持ちこたえる体力&腕力作りです。ボートの最後尾の出っ張りにロープを縛りつけ、陸上とつなぎます。どれだけ漕いでも前へ進むことのない、ものすごい水圧のなかでひたすらパドルを動かし続けました。さながらタイヤを引きずる星飛雄馬のごとく。腕はガクガクでつりそうになり、全身筋肉痛になるようなトレーニングの末のレース結果は……。全身びしょぬれになりながらも、メンバー全員が満開の笑顔で収まった記念写真は、とてもいい思い出になっています。
毎年、旧暦の端午節に行われる、香港内のドラゴンボートレースのメインレースともいえる「赤柱(スタンレー)大会」は参加チームも国際色豊かです。 毎年、旧暦の端午節に行われる、香港内のドラゴンボートレースのメインレースともいえる「赤柱(スタンレー)大会」は参加チームも国際色豊かです。

毎年、旧暦の端午節に行われる、香港内のドラゴンボートレースのメインレースともいえる「赤柱(スタンレー)大会」は参加チームも国際色豊かです。

ウエアや帽子、バンダナなどでチームの個性も演出しています。 ウエアや帽子、バンダナなどでチームの個性も演出しています。

ウエアや帽子、バンダナなどでチームの個性も演出しています。

真剣勝負だからこそ、勢いあまって水没なんてこともあるんです。 真剣勝負だからこそ、勢いあまって水没なんてこともあるんです。

真剣勝負だからこそ、勢いあまって水没なんてこともあるんです。

予選、本戦と強いチームほどたくさんのレースをこなさなければなりません。体力温存の駆け引きなども重要なポイントになります。
腕はもちろん腹筋も鍛えられるので、引き締まったナイスバディになれる保障つきです。個人差はありますが…。 腕はもちろん腹筋も鍛えられるので、引き締まったナイスバディになれる保障つきです。個人差はありますが…。

腕はもちろん腹筋も鍛えられるので、引き締まったナイスバディになれる保障つきです。個人差はありますが…。

かわいらしいドラゴンあり、古風なドラゴンありと、船首に飾られるドラゴンも大会によってさまざまです。 かわいらしいドラゴンあり、古風なドラゴンありと、船首に飾られるドラゴンも大会によってさまざまです。

かわいらしいドラゴンあり、古風なドラゴンありと、船首に飾られるドラゴンも大会によってさまざまです。

船首がポイントとなるブイを通過するとゴールとなります。台湾などのレースではブイについたフラッグを取ったところでゴールとなるようです。
全員の呼吸があっているからこそ、この迫力がでるのです! 全員の呼吸があっているからこそ、この迫力がでるのです!

全員の呼吸があっているからこそ、この迫力がでるのです!

今や国際大会も開かれるほど世界中に普及しているドラゴンボートレース。日本にもかなりの数のチームが存在し、地元のレースのみならず各地を転戦したりしています。これから「ドラゴンボートレース開催」の文字を見つけたら、ぜひ生でその迫力を体験してみてください。そして来年の夏は、本場香港のレースも観戦しにきてくださいね! 以上、記事を書いていたらまた漕ぎたくなってきた、香港ナビがお伝えしました。
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記事登録日:2006-06-22

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スポット登録日:2006-06-22

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