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黄大仙

ウォンタイシン

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香港で最も有名な道教のお寺のひとつ、黄大仙廟を、現地レポーターの百瑯さんがご案内します。

こんにちは、香港ナビです。今日は香港で最も有名な道教のお寺のひとつ、黄大仙廟をご案内しましょう。

1.黄大仙とは一体誰ですか?

現在、世によく知られている黄大仙の本名は「黄初平」です。黄初平は晉朝(西暦328年)、浙江省金華県出身の貧しい家庭に生まれました。生活費を稼ぐ為、八歳の時から放牧の仕事を始めました。15歳の時に故郷の金華赤松丘で仙人と出会い、家族を離れ、山奥にこもって何十年もの修練を積んで仙人となりました。それから40年後のある日、彼の兄が山に登って彼を尋ねたところ、運良く兄弟は再会できました。そして黄大仙が指で石を羊に変えたのを見て、兄も修練しようと決めたのです。彼が赤松丘に住んだことから、人々から赤松黄大仙と呼ばれています。

2.正式名称「嗇色園黄大仙廟」の嗇色って何の意味?

よく見ると、黄大仙の前に「嗇色」とありますが一体どういう意味でしょうか。嗇とは、節約、浪費しない、物を大切にせよとの意味です。色とは、好きなもの、人間の欲の意味を表します。

人間は誰でも欲張って本性を失い、迷ってしまう時があります。嗇色とは初心に戻り、余計な欲望を抑えて常に自分の行為を反省し、悟りを開くまで常に修練することです。

3.黄大仙廟の由来、歴史そして何故九龍のライオンロックの裾に建られたか?

1915年、道教の僧侶である梁仁庵氏は西樵山から総壇を香港まで恭しく迎えてきました。最初に湾仔あたりに壇を設け、道教の教えを伝えました。1921年に黄大仙からお告げが下り、九竜半島獅子山(ライオンロック)のふもとの今の場所が決まったのです。それは、風水とも関係しているのこと。香港の気脈(風水学では来龍(ロイロン)という山脈に潜んだエネルギー)は中国シンセンの呉桐山から、香港で一番高い山の大帽山(風水では父母山という)に集まりました。それから飛蛾山経由でビクトリアハーバーを越え、大平山まで辿り着きます。その下にあるセントラル(中環)はまさに最もエネルギーが集中した所“結穴”(ギッユ)にある為、香港の政治、経済の要の場所となりました。

もう一つの分枝は今の黄大仙方面に流れ、それで九龍半島の北側にライオンロック(獅子山)が出来ました。この頂上は遠くから見るとライオンの形に見え、圧迫間を感じます。ライオンロックの岩や石から出てくる殺気を和らげる為に今の黄大仙廟が建築され、周りの住民を見守り続けています。

4.黄大仙廟の建築特徴:

黄大仙廟は香港で最も有名な道教寺院の一つです。道教独特のカラーである金黄色の屋根に、精細彫刻の仏像、赤い円柱を持つ雄大な姿は、中国の古典的な雰囲気が漂っています。賑やかな町の中にある静かな浄土のような所です。
黄大仙廟の面積は18,000平方メートルで、本堂の「大雄宝殿」以外、「三聖堂」、「従心苑」(朝9時から午後4時まで、入場料:2ドル)、「麟閣」 (只今改装中。2007年2月中旬再開予定)、それから「九龍壁」などの特徴ある建物によって構成されています。よく見ると本堂の中に黄大仙が仙人になる経緯の碑が建っています。

初期の頃、黄大仙廟の規模はとても小さく「大雄宝殿」、「麟閣」、事務所、寮、井戸しかありませんでした。1937年に、「寺院を永久に存続させたければ、境内の建物は必ず風水の五行に基づいて建築するように」というお告げがあった為、建物を新しく設計したのです。飛鸞台(会員のみ入場可)は金形,經堂は木形,玉液池は水形,盂香亭は火形,照壁は土形。五つの元素が揃ってはじめて、陰陽のバランスが取れ、宇宙と共栄共生できるといいます。
他にも「牌坊」という中国風の巨大な看板があります。まずは入り口の所に「赤松黄大仙祠」の大きな牌坊があって中へ進むと「第一洞天」、そして階段を上ると「金華分述」の牌坊が見えます。其々雄大な建築特徴と古典的な意義を表現します。

5.「三教同源」

中国の宗教の特徴は、教えに包容力があり、自分と教義が違う相手も尊敬し、認める所にあります。そもそもどんな神様も、下界の人々を善道に導く為に存在するのですから、儒、釋、道三つの教えも同じ源から生まれたというのです。

そんなわけで、本尊の黄大仙が奉ってある本堂以外の建物にも其々神様の仏像も設置され、信者は自由に参拝することができます。
本堂
運元威顯普濟勸善赤松黃大仙師 
戰鬥勝佛齊天大聖

三聖堂

南無大慈大悲觀世音菩薩
忠義仁勇關聖帝君
開天贊化孚佑帝君

麟閣
大成至聖孔子先師

盂香亭
南無無上上燃燈聖佛
南無三洲感應護法韋馱尊天菩薩

6.「有求必應(願えば必ず無加える)」「頭柱香(頂点に立つ線香)」

有求必応(ヤウカウビイェン)は、「誠意を持って真心でお願いしたら、大したお供え物がなくても必ず叶えてくれる」という意味です。何故、人気の観光スポットにまでなり、なおかつ毎日数多くの参拝者が訪れる秘密はそこにあります。
香港には新暦と旧暦の新年がありますが、どちらかというと、旧正の方を重んじています。年末の大晦日の昼から廟の外で数多くの人々が行列して夜12時まで開門を待ちます。夜12時過ぎ、次の年になった瞬間、先頭に立った信者達は本壇まで100メートルを猛ダッシュして「大砲香(物凄い太い線香)」3本を香炉に立てて来年は良い年であるように祈る習慣があります。テレビ局にも恒例の行事として報道されます。
a) 「上香(線香を供える)」ルート:
まずは正面、「赤松黄大仙祠」の大きな牌坊の下から入ると、目の前に坂道が広がっていますが、それは帰りの道なので、無視して門を入ってすぐ左に曲がって進んでください。曲がるとすぐに賽銭箱が置いてあります。お賽銭はチャリティーに使用されますから、お気持ちで結構ですので入れてくださいね。そして階段を上りきったら、「点香区」(線香に火を灯すエリア)です。周りにいくつかガラスの箱があり、真ん中の円形に線香を通して、油で灯された火で線香にゆっくり火を灯してください。後の人の為に誤って火を消さないようにご注意ください。
点火が終わったら、「金華分述」の牌坊を上る前、細長い香炉がありますのでそこに線香を立ててください。
ここですこし説明しますが、一般的に神様に線香を供える時は、3本ずつになっています。何故なら「天、地、人」3つのものがひとつになるという意味があるからです。諸手で線香を掴んで、目を瞑って願い事を強く念じます。それから、また階段を上ると「福徳祠」が見えます、ここにも香炉が置いてあるので線香を供えましょう。それから先に進むと、本堂の「大雄宝殿」が目の前に見えます。一番人が多くて煙が漂っている所です。注意して頂きたいのは、他の信者に当たらないように線香を上に向けるようにすることです。
同じように、線香を香炉に立て、願い事をちゃんと念じて黄大仙に伝えてださい。感謝の気持ちを込めてお賽銭もお忘れなく。
まだ線香が残っていたら右側の「三聖堂」に観音様、関帝聖君、呂祖先師が奉られていますので、線香を供えましょう。
せっかくですから、「盂香亭」、「意密堂」、「麟閣」にも香炉が設置されていますので、見物がてら参拝しましょう。

b) お供物:
I. 線香(黄大仙廟の外側、もしくは境内での小さな占い店でも販売しています。大きいのは10ドルで、小さいのは5ドル。お一人だったら一般的に小さいのが丁度いいです。線香にも細いのと太いのがあります、太いのは長寿を意味しますが、どちらでもOKです。実はココでちょっと秘密を教えましょう。二番目の牌坊「第一洞天」を過ぎてから、階段を上る途中、左側に線香が置いてあります。それは他の信者が使い残したものなので、ご自由にどうぞ。無料です。
II. 線香以外に、果物、お酒、それから豚の丸焼きまるごと一匹までを持参する信者がいますが、大事なのは、黄大仙を尊敬する気持ちです。善心があれば大したお供え物がなくても守護してくれます。

7.名物となった「求籤」(筮竹)

占い満開の香港では、其々特徴があって、簡単なのもあれば奥深いのもあります。男女老幼を問わずに誰もができる、竹の筒と竹棒を使う占いは「黄大仙箋」と言います。

作法を説明しましょう。本堂の「大雄宝殿」の左側に小さな事務所があります。そこに1個1個の竹の筒が置いてあります、各竹の筒に百本の竹棒(番号1~100まで)が入っています。それと、番号を書くメモ用の紙とペンも用意してあります。この3つを取ってください。
まずは、竹の筒を「大雄宝殿」の前の香炉に持っていって、竹の筒を線香の煙で清めます。終わったら後ろの広場で空いている所が見つけ、跪いて聞きたいことを強く念じて竹の筒を上下前後シェイクします。長くなると膝を痛めてしまうので、地ベタに新聞紙を敷いた方が無難。緊張したり力に任せすぎて筒の中の竹を棒全部放り出してしてしまったというケースがたまにありますが、気にせずにやり直せばOKです。自分で竹棒を出すというよりも、黄大仙が手を差し伸べて取り出してくれるかんじです。
質問は大体、来年の運勢とか、恋愛の悩み、病気のことなど、何でもOKです。ただし、注意してほしいのは、1回につき、ひとつの願い事を占うのが大事です。出てきた竹棒に番号が書いてありますので、メモして、使い終わった竹の筒を元の場所に戻してください。

それから、「点香区」に戻ります。その後ろに手相、人相、風水、姓名判断などの小さな占い店が1階2階に分かれてたくさん並んでいます。中には中国語をはじめ、英語、日本語で占ってくれる占い師がいますので、自分の好みで店を選んで番号を教えれば、古文で書かれたピンクの紙切れを取り出して内容を解釈してくれます。
竹棒の診断料は安くて一本20ドル、高い所だと100ドルもかかるケースがありますから、事前に聞いておいた方がいいです。この竹棒は1~100番まであって、その中で大吉はなんと3つしかないらしいです。一番良いのはもちろん一番の竹棒で、全てがNO.1を意味します。宝くじに当たるより難しいかもしれません。たとえ結果が良くなくても、同じ質問を何回も聞いてはいけません。黄大仙も人間のように忙しいですし、素直に受け止めるのが大事です。診断後、そのピンクの紙切れはもらえますので、財布など入れて大事に持ち帰りましょう。

8.もう1つの占い:聖杯(センブイ)

先に説明しました竹の筒の置き場所に木製の半月形をした茶色の木片も置いてあります、それは“聖杯”という道教の占い儀式に使用される道具です。
“聖杯”は二枚でワンセット、陰陽があってカーブした面が陰で平らな面が陽です。
作法は、筮竹と同じで、まず線香を供えます。それから、諸手で二枚の杯を包みこんで(合掌の形みたいに)、おでこの位置に持っていって目を瞑って自分の名前、生年月日、聞きたいことを強く念じて黄大仙に伝えます。そして地面に投げ落とします。それは“卜杯”(ボッブイ)と呼びます。聖杯の出た組み合わせで吉凶が決まります。
結果をチック!!
ァ) 二枚とも「陽」(平らな面が上に向く)ならば“笑杯”といいます。聞きたいこと、やりたいことは状況不明で、ご本人の判断に任せるとの意味です。
ィ) 二枚とも「陰」(カーブした面が上に向く)ならば“怒杯”といいます。すべては神様に認められない、駄目だとの意味です。
ゥ) 一枚が陰、一枚が陽という陰陽の組み合わせならば、おめでとう!!すべては上手くいき、大吉です。
一応投げ落とす回数は、3回までになっていますので、結果が良くても悪くても素直に受け止めることが肝心です。
今では、聖杯を投げて占いをする若い者はあまり見かけません。お爺ちゃんやお婆ちゃんが中心になっているのが現状です。

以上、香港ナビがお届けしました。

記事登録日:2007-01-26

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2007-01-26

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