William Yu Tailors

ウィリアム・ユー・テーラー 

閉店・移転、情報の修正などの報告

ペニンシュラホテルで50余年の歴史が物語る信用と実績の老舗テーラー。移転後もその確かな職人技の仕立てで人気は衰えません。

こんにちは、香港ナビです。香港では寒い日が続いていますが、2月初旬の旧正月を過ぎると、短い冬が終わり、暖かい風と共に香港に春が訪れます。日本で春といえば、新しい出発の季節ですね。学生から社会人へ、スーツを新調して装いも新たに新しい生活がスタートする方も多いのではないでしょうか?スーツを買うときは、既製品を選ぶ方がほとんどかと思いますが、ある程度年齢を重ねると、着ているスーツやジャケットでその人の人となりがわかってしまうものです。オーダーメイドっていうと何だか敷居が高い気がしますが、一度トライしてみると着心地、肌触りは既製品とはぜんぜん違うことがわかります。

かつてスーツのオーダーメイドは、日本人男性の香港旅行の予定のひとつとまで言われていたほど、日本人旅行客が押しかけた…と時代の流れを身をもって体験してきたのが今回ご紹介する“ウィリアム・ユー・テーラー”です。ペニンシュラホテルで50余年の歴史を持つ老舗のテーラー。2007年末にペニンシュラの改装のために移転を余儀なくされてしまいました。移転したばかりの新しいお店にお邪魔してきましたので、早速ご紹介しましょう。

ゆったり広々とした店内

新しい移転先は、ペニンシュラホテルとは目と鼻の先のビル。とはいえ、以前はホテル内の店舗だったところが今は商業ビルの11階なので、ウォークインのお客さんが減ってしまったのは否めないそう。でも、50年の歴史によって培われた信頼の実績は変わりません。お得意様は場所が変わっても減ることなく引き続き訪れてくれます。無駄な仕切りが無く1フロアを贅沢に使った広々とした店内でオーダーメイドなんて、気持ちまで大きくなりますね。
入り口に置かれたスーツやコート、ジャケットの数々。奥に掛けてあるのは、オーダーを受けて仕上がってきたものなんです。そのほかのものは、サンプルとして試着したり、デザインを見ることができます。カシミア、ウールなど高級な生地は、生地の見た目の質感と羽織ってみたときの肌触りが違います。
まずは、ゆったりとソファーに座って、オーダーしたいデザインや生地を決めましょう。ファッション雑誌も豊富に揃えていますから、自分の希望するデザインを事前に持ってこなくても心配要りません。この中から素敵なデザインが見つかるはず。
なんとこちらでは3,000種類以上の生地を用意しています。しかも中国製は一切使用せず、全て輸入品です。イギリス、イタリアなどのヨーロッパのブランド生地を多く取り扱っています。これぞスーツに対するこだわりですね。彩色、素材、ブランドなどまさにピンからキリまで自由自在に選べます。でも、やっぱり素人ですからね。予算や好みを話してプロのスタッフの方々にご相談ください。

オーダーメードって?

写真向かって一番右がこの道50年以上の超ベテランのオーナー。やさしい笑顔の奥にある眼光がちょっと厳しく感じられるのは職人のまなざしだからでしょうか?スタッフの皆さんは、長年こちらで勤め上げた経験豊かなプロフェッショナルばかり。安心して、身を任せられるというものです。現在、香港には300以上のテーラーがあるといわれているそうですが、その中でも今も昔と変わらず、熟練職人による完全なハンドメイドによって仕上げられるテーラーは片手で数えられるほどなのだとか。何でも近代化が進み、コストや手間を省くことばかりに気を取られ、伝統と『技』と呼んでも過言ではない巧みな技術を守っていくことは、忘れられつつあるそうです。残念ですが、職人さんも年々減る一方。そんな中、このウィリアム・ユー・テーラーの職人は、技を伝え継がれたプロ中のプロばかり。なんと50年前からずっとここで働き続けている方もいるそうです。年季が違いますね。
ちょうど、仮縫いを終えて試着をされているお客様に遭遇!スタッフ一同がおもてなしです。外国のお客様がほとんどのこのお店。スーツにうるさい国の人たちがリピートしてくるんですから、仕上がりのほどは言わずもがなですよね。こんな風に自分ひとりに何人ものスタッフがついて、念入りに吟味して作業が進められていくんですから、ほんとに贅沢気分。
ここで、オーダーメイドの順序をチェックしてみましょう。まずは、デザイン、生地が決まったら、採寸です。必要なサイズを全て図ったら、その日は終了。採寸は15分くらいでOK。翌日に仮縫い状態で試着をして実際にサイズを調整します。それも特に問題が無ければ大体15分くらいです。その後は出来上がりまで、通常で10日くらい。郵送期間も合わせて2週間以内で受け取ることができます。もちろん、時間が無いという方には4日間くらいでスピード仕上げもしていただけるとか。
後ろから、厳しく見守るオーナー。お客様にぴったりの満足のいく一着を作るためには妥協は許されません。
お店の奥にびっしり並べられた顧客資料。サイズや好みなど様々な資料が全て残されています。まるでお医者さんのカルテのよう。体のサイズに変化が無ければ、一度採寸したらその後はお店に出向かなくてもFAXやメールでオーダーできます。

職人技はここが違う!

一般的に量産店で販売されているスーツは、上着の前の合わせの部分が一枚布に裏地をつけただけのものが多いようですが、こちらの仕上げは、特別に合わせの部分の裏にもう1枚布をつけます。こうすることによって、脱ぎ着の際に特に力のかかる合わせの部分を強化し、型崩れのない長く着られるスーツに仕上がるのです。手が込んでいますよね。
見てください、この技を!ボタンホールまですべて、職人さんによる手作業。内ポケットは、手帳用、ペン用、貴重品用と3つに分かれています。まさに、『働く男、できる男の一着
』といいたいですね。

紳士服

さて、気になるお値段ですが、スーツは、HK$3,000から。スーツはデザインよりも生地のよしあしで着心地が決まるので、やはり少々高くても質のよい生地を選ぶのがお勧めだそうです。HK$5,000からHK$10,000がこちらのお店の平均価格です。
カシミアウール仕上げでHK$3,500。ジャケットの平均価格はHK$5,000。

カシミアウール仕上げでHK$3,500。ジャケットの平均価格はHK$5,000。

カシミアコートはHK$7,000から。

カシミアコートはHK$7,000から。

シャツは、比較的生地の種類が少ないのでHK$500くらいで十分よいものがつくれます。

シャツは、比較的生地の種類が少ないのでHK$500くらいで十分よいものがつくれます。

シャツの襟見本。こんなにたくさんあるんですね。知りません
でした。シャツの襟や袖口にちょっと違った演出をするなんて 、ダンディな感じがします。
シャツの襟見本。こんなにたくさんあるんですね。知りません
でした。シャツの襟や袖口にちょっと違った演出をするなんて 、ダンディな感じがします。

シャツの襟見本。こんなにたくさんあるんですね。知りません でした。シャツの襟や袖口にちょっと違った演出をするなんて 、ダンディな感じがします。

こんなカラフルなシャツも。スーツに合わせて着こなせば相当おしゃれ!

婦人服

スーツ、ジャケット、コートなどの婦人服のオーダーメイドももちろんあります。
こちらのジャケットは、全てHK$3,000。女性のスーツは、やはり流行に左右されやすく、なかなかオーダーメイドで仕立てる方が少ないそうですが、スタイルに合わせて変化が楽しめるジャケットの需要は多いようです。シャネルやプラダなどの定番ジャケットのデザインをこちらでオーダーすれば、半額以下で大丈夫。
カシミアジャケットは、HK$5,000。オーソドックスなジャケットやコートは、やはり生地に高級なカシミア、ウールを使用して長く着られるように仕立てるのがお勧め。
いかがでしたか?ビジネスマンはいつもスーツ姿でつまらないから、いろいろファッションが楽しめる女性に生まれてよかったなーなんて単純に思っていたこともあったのですが、なんだか今回の取材で表面的な形だけではなく、質や技術にこだわることが実はおしゃれなのだとわかって、目からうろこでした。ぜひ、自分だけの一着をつくってみてはいかがでしょうか?ちょっとサイズが気になって、オーダーメイドスーツにはとんとご縁がないナビがお伝えいたしました。

記事更新日:2009-01-19

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2008-01-14

スポット更新日:2009-01-19

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