香港ナビ版突撃!隣の晩ご飯 第3回

香港人って、家でいったいどんなものを食べているの?今日は鑚石山に住む94歳のおばあちゃんの見事な料理の腕前を披露!

こんにちは、香港ナビです!このコーナーが始まって、ナビのまわりでも、『実際に作ってみました!』という方が増えています。香港人の日常の食卓をレシピと一緒に紹介するので、どのようなものを食べているかを知るだけでなく、自分で作ってみることもできるこのシリーズ。ぜひみなさんも早速、今夜のおかずに1品加えてみてくださいね!
第3回目の今日は、ダイアモンドヒル(鑚石山)にお住まいの林太(94歳)のお宅にお邪魔しました。事前に年齢は伺っていましたが、ご本人に会ってみてびっくり!とても94歳には見えない元気で健康で若いおばあちゃん。背筋をピーンと伸ばし、姿勢がよいことにも驚きますが、頭の回転が速く機転が利き、お料理も見事な手さばきで、あっという間に3品仕上げてしまいました。6歳のころから自分で食べるものは作っていたという林太ですが、結婚を機にお料理が好きになり、旦那さまのために一生懸命作られていたそうです。取材の日は娘さんも同席してくださったのですが、久しぶりに味わう母の味に『懐かしい~これがママの味よ!』と大変感激されていました。やはり“母の味”は偉大ですね!

家の近くのスーパーで食材の買出しです

『今日は豚肉料理を作るのでまずは豚肉を選びましょうね・・・どれどれ、これなんかどうかしら?うん、いい感じね、これにしましょう、決まり!』
『玉子焼きを作るんだけど、その中に魚のすりみを入れるの。美味しいのよ!ほら、これよ、見たことある?』
『そして・・・・野菜もね。油麦菜が欲しいんだけど、どこにあるかな?』
林太 『あー、あそこにあるわ、すみません、油麦菜を1斤計ってちょうだい』 
店員 『油麦菜を1斤だね?』 林太 『あー、あそこにあるわ、すみません、油麦菜を1斤計ってちょうだい』 
店員 『油麦菜を1斤だね?』 林太 『あー、あそこにあるわ、すみません、油麦菜を1斤計ってちょうだい』 
店員 『油麦菜を1斤だね?』

林太 『あー、あそこにあるわ、すみません、油麦菜を1斤計ってちょうだい』 店員 『油麦菜を1斤だね?』

『油麦菜、買いました!』

おばあちゃんの懐かしい手料理

では、娘さんも懐かしさに感動したおばあちゃんの手料理をご紹介します!

◆今日のメニュー◆
豉油猪肉 豚肉のしょうゆ煮込み
煎蛋角 魚のすり身入りたまご焼き餃子風
豆豉魚油麦菜 豆豉魚の油麦菜炒め

豉油猪肉 豚肉のしょうゆ煮込み
材料(4人分)
豚ばら肉  600g
にんにく 1粒
万能ねぎ 少々(飾り)

調味料
生抽(濃口しょうゆ) 小さじ2
老抽(色づけしょうゆ) 大さじ1
グラニュー糖  小さじ2
水 50ml
作り方
1. 豚バラ肉は厚さ1.5cmほどに切る 1. 豚バラ肉は厚さ1.5cmほどに切る

1. 豚バラ肉は厚さ1.5cmほどに切る

2. にんにくは皮をむいて、1粒を半分に切る

2. にんにくは皮をむいて、1粒を半分に切る

3. 中華なべを十分に熱してから油(分量外:適量)を入れ、にんにくを加えて香りよくまず炒める

3. 中華なべを十分に熱してから油(分量外:適量)を入れ、にんにくを加えて香りよくまず炒める

4. 続いて切った豚バラ肉を加えて、肉の色が白くなるまで炒め、グラニュー糖を加えて混ぜておく 4. 続いて切った豚バラ肉を加えて、肉の色が白くなるまで炒め、グラニュー糖を加えて混ぜておく

4. 続いて切った豚バラ肉を加えて、肉の色が白くなるまで炒め、グラニュー糖を加えて混ぜておく

土鍋に生抽と老抽を注ぎ、炒めた豚バラ肉、水を入れ、よく肉とからめておく 土鍋に生抽と老抽を注ぎ、炒めた豚バラ肉、水を入れ、よく肉とからめておく 土鍋に生抽と老抽を注ぎ、炒めた豚バラ肉、水を入れ、よく肉とからめておく

土鍋に生抽と老抽を注ぎ、炒めた豚バラ肉、水を入れ、よく肉とからめておく

5. コンロの火をつけて、ふたをして肉が柔らかくなるまで30分ほど中火~弱火で煮込む 5. コンロの火をつけて、ふたをして肉が柔らかくなるまで30分ほど中火~弱火で煮込む

5. コンロの火をつけて、ふたをして肉が柔らかくなるまで30分ほど中火~弱火で煮込む

6. 肉が柔らかくなったら、でき上がり!

6. 肉が柔らかくなったら、でき上がり!

感想:簡単で、短時間にとても美味しいごはんのおかずができました。豚肉とおしょうゆだけでこんなに美味しいなんてびっくりしました。作ってすぐに食べることができますが、1日おくともっと味が染みて美味しくなるそう。多めに作っておけますね。メインのおかずが浮かばない・・・なんて時に知っておくと便利なメニューです。これはやはり香港のおしょうゆを使うからこの味が出るのであって、日本のおしょうゆを使ったら、日本の味になってしまいそうですね。ぜひ香港のおしょうゆで試してください。

煎蛋角 魚のすり身入り卵焼き餃子風
材料(4人分)
たまご 3個
魚のすり身 200g
万能ねぎ * 香菜でも可 1本

たまご用調味料
塩 ひとつまみ

すり身用調味料
こしょう  少々
植物油 少々
* 今日使ったすり身はすでに味付きなので、味なしの場合は塩で調整してください
作り方
1. たまごを割って、調味料を加えてよくときほぐします 1. たまごを割って、調味料を加えてよくときほぐします 1. たまごを割って、調味料を加えてよくときほぐします

1. たまごを割って、調味料を加えてよくときほぐします

2. 魚のすり身にこしょうと植物油を加えて混ぜておく

2. 魚のすり身にこしょうと植物油を加えて混ぜておく

3. 万能ねぎを小口切りにする

3. 万能ねぎを小口切りにする

4. 魚のすり身にほぐしたたまごの液を流し入れる 4. 魚のすり身にほぐしたたまごの液を流し入れる

4. 魚のすり身にほぐしたたまごの液を流し入れる

5. 箸を使って、魚のすり身がサイズの異なる塊がいくつもできるように混ぜ合わせる

5. 箸を使って、魚のすり身がサイズの異なる塊がいくつもできるように混ぜ合わせる

6. 最後に万能ねぎを加えて混ぜる

6. 最後に万能ねぎを加えて混ぜる

7. 中華なべ または フライパンに多目の油(分量外:適量)を熱する

7. 中華なべ または フライパンに多目の油(分量外:適量)を熱する

8. レンゲやスプーンを使って1杯分を取り出す

8. レンゲやスプーンを使って1杯分を取り出す

9. フライ返しや箸をつかって円形のたまご焼きを半分に折る 9. フライ返しや箸をつかって円形のたまご焼きを半分に折る

9. フライ返しや箸をつかって円形のたまご焼きを半分に折る

10. 続けて同じようにひとつずつ焼いてゆく 10. 続けて同じようにひとつずつ焼いてゆく 10. 続けて同じようにひとつずつ焼いてゆく

10. 続けて同じようにひとつずつ焼いてゆく

11. 餃子風たまご焼きのでき上がり!

11. 餃子風たまご焼きのでき上がり!

感想:これはずっと以前に香港人の友人の家でご馳走になったことがあって、それ以来とても好きな香港の家庭料理です。ナビも何度か作っています。少し手間はかかりますが、食べやすく、ひとつひとつ焼いてゆくので、焦げ目が大変香ばしく、大人から子供まで人気のおかずです。これなら、私たちのいつもの食卓でも違和感なく出せますね。今日は魚のすり身をつかいましたが、豚肉や牛肉のひき肉でも美味しく作れます。その時はたまごに加える前に肉を一度炒めて火を通し、冷ましてから加えてください。あとは同じやり方で焼いてゆきます。焼く時に少し多めの油を使い、中火で焼くことがコツです。

豆豉鯪魚油菜 豆豉鯪魚の油麦菜炒め
材料(4人分)
油麦菜  600g
にんにく 1粒
豆豉魚 1缶

調味料
塩 小さじ1
水 50ml
豆豉魚とは、鯪魚という淡水魚を油で揚げて、トウチーで味つけたもの
作り方
1. 油麦菜は茎から葉を1枚ずつはずし、きれいに水で洗う 1. 油麦菜は茎から葉を1枚ずつはずし、きれいに水で洗う

1. 油麦菜は茎から葉を1枚ずつはずし、きれいに水で洗う

2. 中華なべを十分に熱し、油(分量外:適量)を入れ、にんにくを香りよく炒める

2. 中華なべを十分に熱し、油(分量外:適量)を入れ、にんにくを香りよく炒める

3. 豆豉鯪魚缶の中にあるトウチーを取り出して加えて炒める

3. 豆豉鯪魚缶の中にあるトウチーを取り出して加えて炒める

4. 油麦菜、鯪魚とのこりのトウチー、塩、水を加えて軽く混ぜたら、ふたをして3-4分加熱する 4. 油麦菜、鯪魚とのこりのトウチー、塩、水を加えて軽く混ぜたら、ふたをして3-4分加熱する 4. 油麦菜、鯪魚とのこりのトウチー、塩、水を加えて軽く混ぜたら、ふたをして3-4分加熱する

4. 油麦菜、鯪魚とのこりのトウチー、塩、水を加えて軽く混ぜたら、ふたをして3-4分加熱する

5. 野菜がしんなりしたらでき上がり!

5. 野菜がしんなりしたらでき上がり!

感想:豆豉鯪魚は初めて食べました。香港の淡水魚は泥臭くないので、食べやすい魚です。トウチーと野菜炒めがこんなに合うなんて知りませんでした。油麦菜はビール麦の香りがするレタスのような野菜で、火を通すとレタスのようにしゃきしゃきした歯応えがとても美味しい香りのよいクセのない食べやすいお野菜です。生では食べませんが、このように炒めたり、スープに入れたり、軽く煮込んだりのお料理によく合います。まだ食べたことがない方は是非試してみてくださいね。もし日本で油麦菜が手に入らない場合はレタスや他のお野菜でも代用できます。また豆豉鯪魚が手に入らない場合はトウチーだけでも美味しい野菜炒めが作れます。

どうしても中華料理というと“油っぽくてしつこい、毎日食べられない”というイメージを持ちがちですが、香港人の家庭料理は外食で食べる中華料理とは違って、毎日でも食べられるあっさりしたおかずが多いですね。香港人でも、毎日毎日外食が続くと身体がつらいと言っています。ここでご紹介する料理は決して外食では味わうことのできないものですし、家庭で作るお母さんの愛がこもった1品ですから、香港人の人たちも恋しく思うのでしょうね。では、また次回をお楽しみに!香港ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-03-12

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