石澳(Shek O)のんびり迷子歩き

香港島南東部のビーチとその周辺ののどかな村。地図もない路地をぶらぶらと歩いてみませんか?

こんにちは!香港ナビです。ガガガガーッ!という工事音。ガタンガターン!というトラムの音。バスのエンジン音に行き交う人のざわめき。それがあってこその香港ではありますが、人工的な音から耳を開放して気を緩めてみたくなることはありませんか?そんなときには、バスに乗って石澳村へGO!銅鑼湾(コーズウェイベイ)からでも40分程度で、波の音と鳥のさえずりしか聞こえないまった~りした土地に到着します。街のパワーを楽しむためにも、自然の風で気持ちをプチリセットしちゃいましょう!

2階建てのバスからの眺めも◎

石澳へのアクセスは、筲箕灣(サウケイワン)をスタート地点としたバスルートのみです。お金に余裕のある方はタクシーでももちろん行けますが、できれば2階建てバスから少しずつ海へ近づいていく眺めも併せて楽しんでいただきたいと。MTR、バス、もしくはトラムで筲箕灣に到着したら、大きなバスターミナルがすぐに目に付きます。並ぶバスの正面に向かってやや左寄りに9番の石澳行きバス停があります。土日祝日はビーチへ遊びに行く人や途中のトレッキングルートへ向かう人でかなり混み合う路線です。そういうときは1台見送るようなつもりで、ぜひとも2階席を確保してくださいね。
山をグイグイ上がり、保護区域である石澳郊野公園を突き抜けてバスは進みます。視界が開けるころには右手下方に海と海沿いの小さな街の景色が広がります。さらに進み鶴咀半島の小山を上るときには、左手に石澳ビーチの波が輝きます。小山の先端でくるりと回転して下ってきますので、そのときには右手側も景色が楽しめますよ。
終点、石澳バスターミナルでバスを降りたら、そのまま道なりに前へ進みます。ここまで来れば波の音が聞こえてくるのでガイド無用。五感に任せて歩いてください。海水浴シーズンは、周辺のお店も景気よくビーチグッズを並べて販売しています。またレンタルパラソルの呼び込みなどもいますので、「海に来た!」という気分も盛り上がります。

まずはビーチで潮風を浴びて

石澳ビーチは、香港の他のビーチと同じく白砂。定期的な清掃と徹底した下水処理を施しているため、水もきれいです。取材日はあいにくの天気でしたが、晴れた日などは波打ち際まで小魚が寄ってきているのがハッキリみえるほど。日本の関東近郊のビーチとは全く違います。もちろんシャワーや更衣室などの施設もビーチ脇にあり、誰でも無料で利用できます。また、夕刻になるとオープンするバーもあります。自然に囲まれてのカンパイなんて、とても気持ちよさそうですよね!
遊泳可能のフラッグが上がりライフセーバーも待機していましたが、どんより雲では泳ぐ人も皆無。誰もいないビーチで、強めの風に吹かれながら砂に自分の足跡をつけているとここが香港であることを忘れてしまいそう。機械的な音は一切せず、かすかな風なりが耳をかすめていきます。

迷子になりに路地へ

さて、ビーチからバーベキューコーナーの間を通って村の道路へと抜けましょう。そこから散歩スタートです。地図に路地は載っていません=ルートに決まりはありません。思うがままに路地をめぐり、のんびりとした村の光景と空気感を楽しんでください。例え迷子になったって小さなエリアです。歩いていれば必ず路地から抜け出せます。むしろ迷子を楽しんじゃいましょう!ただし、忘れてはいけないのは、「ここは人が生活しているコミュニティである」ということ。生活地に足を踏み入れさせてもらっているということを心に留めて、不躾にカメラを向けたり大声をあげたりなどの失礼のないように歩いてくださいね。
高層ビルがないため、自然の風も抜けて狭い路地でも開放感を感じます。個性的な色に塗られた家が多いのに、色同士がケンカせずになじみあっているのが不思議。気持ちの余裕が色まで融合させるのでしょうか。
犬も猫もリードをつけられることなく気ままにお散歩。小さな子供がいる家の軒先には、ビーチボールや砂遊びの道具が当たり前のようにおいてあり、その前には手入れの行き届いた鉢植えたちが並んでいます。
海で生活する人の周辺には必ずある、海の守護神「天后」を祀った天后廟。石澳村の天后廟はこぢんまりとしながらも周囲をタイル画で彩った趣のある造り。ちりひとつなく掃き清められ、タイル画もきれいに磨かれています。自分たちを守ってくれる神様を村の人たちも大事に大事に守っていることが手に取るようにわかります。
路地を抜けると、「バックビーチ」と呼ばれる小さなビーチ。方角的に常に風強めで波も高いです。その脇にあるバーには訪れた有名人の写真の数々。意外な有名人出没ポイントなのかもしれないですね。
村にあった唯一の学校、石澳丈新小学校。残念ながら2004年に廃校となってしまいました。小さな村で、バスで街へもすぐ出られるだけに、過疎もまた深刻なのかもしれません。まだ当時をしのぶ校門と平屋作りの校舎は残されていますが、近々取り壊される予定だとか。
こちらは村の教会でした。だいぶ前に閉鎖され、現在は管理している人もいない様子で窓枠が破損してしまっています。正面上部の消えかかった十字架が、なんとも淋しく目に映ります。
イタリアン、タイフード、シーフード、もちろんごく普通の茶餐廳などのお店もあり、散歩あとのお食事休憩も無問題です。路地を巡っている間に、小さな売店も見つけました。
エリア唯一の車道に出たら、波の音を左手に聞きながら進むとバスターミナルに到着です。帰りは時間短縮でミニバスに乗ってもよし。再び景色を眺めるために2階建てバスに乗ってもよし。どちらも終点は筲箕灣です。
ビーチとして有名な石澳ですが、周辺にこんなのんびりした環境があることは意外と知られていないのでは?ぐるりと巡っても1時間程度の小さな村で、日々の雑音からココロを切り離してみましょうよ。失礼のないように歩いていれば、村の人も気さくに道を教えてくれますよ。お天気の良い日は、当然かなりの陽射しになりますので、UV対策もお忘れなく! 以上、香港ビーチ大好きな香港ナビがお伝えしました!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-04-23

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