香港の不思議スペシャル お仕事編

香港に訪れた誰もが疑問に思う、日常の些細な不思議をご紹介。今回はお仕事の不思議を探ってみます。

今回は働く香港人の不思議

今回は働く香港人の不思議



こんにちは、香港ナビです。香港のさまざまな不思議をレポートする香港の不思議スペシャル。今回は、お仕事編です。働くという当たり前の日常も、国が違えば、仕事に対する考え方も、職場のマナーもまったく異なります。同じアジア人なのに、こうも違う国民性。日本人から見ると大量の?マークが頭に浮かぶ不思議がここにもいっぱいです。

寒い、暑い、寒いって!

香港人VS日本人の火花が散るエアコンスイッチ

香港人VS日本人の火花が散るエアコンスイッチ

香港のレストランや交通機関のエアコンの強さは有名ですが、オフィスも例外ではありません。エアコンを空気清浄機と考えている香港人は、一年中エアコンをつけています。体の芯から冷え切ってしまうほどの冷房の強さに、香港で働く日本人はうんざり。毎日、どのオフィスでもエアコンのオン・オフ戦争が繰り広げられているのです。こんなに部屋を寒くするのだから、香港人はよっぽど寒さに強いのかと思いきや、そんなに寒くもない冬の日にスキーウェアのようなダウンジャケットを着ていたり、日ごろから体を冷やす食品のとりすぎに気をつけていたりと、意外と寒さに弱そう。ただ、上半身はあったかい格好をしているにも関わらず、足元は素足だったりと、寒さ、暑さの感覚が不思議な香港人です。

ここからここまでが私の仕事です

香港の仕事に対する姿勢は単純明快

香港の仕事に対する姿勢は単純明快

日本の社会では、言われたことだけやっていても会社からは評価されず、言われたこと以上のことをやってこそ社会人として認められるものです。一方、香港人は言われたことはやりますが、それ以上のことは一切しません。あともう少し手を加えれば、次の仕事の段取りがつきやすいとか、もっと付加価値が出るのに、と日本人スタッフからすると歯がゆい思いをすることもしばしば。香港人にとっては、言われていないことを勝手にやって、無駄なトラブルに巻き込まれるのも面倒ですし、そもそも、言われたこと以上の仕事をしなければいけない意味が彼らにはまったく理解できないようです。

サービス残業・・・なんですか、それ?

残業はできればしたくない

残業はできればしたくない

香港人は基本的に真面目です(相当のお金をもらえれば)。上でも書いたように、与えられた仕事はきっちりしますので、それが終わらなければ残業をしてでも仕上げます。その分、自分の仕事が終われば、終業時間ぴったりで帰ってしまいます。日本のように、上司や先輩より先には帰りづらい・・・香港のオフィスには、そんな雰囲気は一切ありません。アフターファイブが充実している人にとっては、天国のような環境ですね。極端な言い方をすると、「いつも残業をしている=決められた時間内に仕事を終わらせることができない要領の悪い人」と評価されることも。香港人が仕事が終わっているのにまだオフィスに残っているとしたら、理由は「残業中の彼氏/彼女を待っている」とか、「専門学校の授業が20時から始まるから」とか、「友達との約束まで時間つぶし」などなど。冷房が効いて、インターネット使い放題の会社は時間つぶしにはもってこい、というわけです(笑)。

キャリアアップにいそしむ勤勉な香港人

仕事帰りに日本語教室で勉強をする香港人たち

仕事帰りに日本語教室で勉強をする香港人たち

日本の会社では、大学の専攻や今まで培ってきたキャリアに関係なく、会社命令でまったく畑違いな部署に異動となることも日常茶飯事。技術職で入社したのに、急に営業部に配属となったり、今まで事務だったのが、突然に接客になったりと、驚きの異動を命じられた経験がある人も多いのではないでしょうか?香港では、こんなダイナミックな人事異動はありえません。営業職は永遠に営業、会計なら会計の道一筋、自ら進路変更をしない限り、基本的に同じ職種内でキャリアアップをする目指すのみです。だから香港人は自分の昇進、昇給のため、仕事が終わると専門学校うや夜間大学で高度な資格や学士を取るべく自己投資にお金と時間を費やすのです。転職者の多い香港は、年功序列で昇進できるほど、甘くはないということです。

拝金主義の香港人、忠誠心なんてありません

就職フェアに参加する人々

就職フェアに参加する人々

入社時に「この会社で定年まで働こう」と決意している香港人は皆無。これから入社する会社の将来や成長なんて、彼らには一切関係ありません。契約書に書かれている仕事内容をこなし、希望する給料とボーナスをしっかりいただければ、それだけでOK。だから、他社から更にいいオファーが舞い込めば、躊躇なくそっちへ行ってしまいます。こんな土壌なので、会社側も新人教育や研修にお金も時間もかけません。社員に長く働いてくれなくてもいいんです、必要なものは即戦力のみ。どれだけ短期間で会社に収益をもたらしてくれるか、どれだけ新規クライアントをもってきてくれるか、それが重要。実力のあるスタッフは転職を繰り返し、どんどん昇進していきます。香港では、勤続年数の長いことは何ら意味をなさないのです。

仕事帰りの一杯?イヤです

「ちょっと一杯」をしているのは西洋人ばかり

「ちょっと一杯」をしているのは西洋人ばかり

日本では仕事帰りの飲み会といえば、上司や先輩をはじめ、職場の人たちとの大切なコミュニケーションの場でもありますが、香港では仕事が終わった後の飲み会どころか、職場の人たちとの社外でのお付き合いはほとんどありません。もともとお酒をあまり飲まないというのもありますが、みんな仕事が終われば即帰宅、もしくはデートや習いごとなど、自分の時間をエンジョイしているようです。唯一、香港人も積極的に参加する会社行事といえば、年に一度のアニュアル・ディナー(忘年会)くらい。ラッキードロー(福引き)の一等を目指して参加します。あとは、週末のバーベキュー大会やチャリティイベントなど。仕事は仕事、プライベートはプライベートときっちりと分ける香港人。この雰囲気、会社の飲み会に参加しない、最近の日本の若者に似ていますね。

いかがでしたか?香港人の中にも、もちろん日本人のように仕事一筋な人もいますが、総じて香港人にとって仕事とは、お金を稼ぐための道具に過ぎません。だから、ある程度お金が貯まれば不動産投資や株投資を積極的に行い、仕事以外での収入を得ることにも貪欲です。同じアジア人でも、ここまで仕事やお金に対する考えがこんなに異なるなんて不思議でもあり、おもしろいものです。以上、香港ナビがお伝えいたしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-06-07

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