「シアター Y」に行ってきました!

香港のアングラ劇場“THEATRE-Y”へようこそ。

こんにちは、香港ナビです。香港にも劇場はたくさんありますが、昨今の小劇場ブームや、ライブハウス、ミニシアターでのパフォーマンスが若者文化の中核をなす日本とは違って、政府の援助を受けず、またビジネス的な方向性も持たずに個人で維持している小劇場は、ほとんどないのが現状です。そんな中、“シアターY”は、香港では稀な完全個人経営の小劇場といえます。旅行ではなかなか触れることのできない香港のアングラな空間へ、ナビがお連れいたしましょう。

ロケーション&行き方

地図はこちらをご覧ください。

地図はこちらをご覧ください。

地下鉄荃灣線葵芳駅で下車すると、駅前には大きなショッピングモールと、“葵青劇院”という劇場が広がっています。
目的の“シアターY”は、このきれいな劇場の中……..ではありません。道路を隔てた向かいに立ち並ぶ、香港の工業ビルの中にあります。
まずは劇場の前を素通りして、向こう側へ続く地下道へ。
工業ビルの間を縫って歩いていくと目的地のビルに突き当たります。
大きな貨物トラックの間を抜けて裏口にあるエレベーターで3階へどうぞ。
広い道路沿いの表側の入り口はこんな感じです。

Y- SPACE

実はこの劇場、普段はダンススタジオなのです。1997年の返還以降、多くの香港の工場が人件費や土地代の安い中国へと移転していく中、工場の密集していた工業ビルにどんどん空きができました。しかし大きさといい、家賃の安さといい、ロフト感覚なこのような空間はダンススタジオにぴったり。そこで工業ビルの中に多くのダンススタジオが場所を移しているのです。

そんな中、地下鉄の駅から比較的近い上に、まさしく“多い空間”作りが一目で気に入ってこの場所を選んだという二人、この劇場の経営者である
VICTOR&MANDYは、1995年に、“YSPACE(多空間ドウホンカン)”というダンスカンパニーを創立したダンサーご夫婦で 、2002年10月からスタジオをこの場所に移し、新たにスタートしました。

ニューヨーク、ヨーロッパと外国でのダンス生活が長い二人は、最初から劇場として兼用できるスタジオをコンセプトにしていたそう。ダンスフロアの床や鏡は十分に時間をかけてこつこつと手作りされ、劇場として必要な音響や照明器具も時間をかけて少しずついい設備を増やしていったという思い入れのこもったスタジオです。初めて訪れても居心地のいいアットホームな感じがするのもそのせいかもしれませんね。

Y-THEATHER

2004年6月にシアターとして、こけら落としの公演を夫婦で開催してから、スタジオ生徒の発表会、ローカルのダンスグループ、小劇団の公演はもちろん、土曜の夜に定期的に行っているダンスのセミナーやビデオの上演会、台湾などから講師を招いてのダンスや音楽のワークショップなど、ダンスのみならず、音楽、ビジュアルアート、シアターなど多種多様なアートシーンを網羅した活動を積極的に行っています。

今後のイベント
最近では、4月8日(土)9日(日)には、日本、アメリカ、香港のアーティストが共演するパフォーマンスが行われました。それぞれが即興で演奏、パフォーマンス、俳句を読んだりとなんだか不思議な内容でした。また5月には、ローカルグループによる演劇、6月には7月5,6,9日にオランダ、アムステルダムで行われるダンスフェスティバルに招待され、公演を行うご夫婦がそれに先駆けて公演を行うなど、盛りだくさんな予定がすでに決定しているそうです。詳しい予定は、www.y-space.org でチェックしてください。

また、アジアが誇る世界的に有名な台湾のダンスカンパニー“雲門舞集(クラウドゲイトダンスカンパニー)”の元メンバーで、現在も大学で教鞭をとる楊先生らによる、ワークショップも6月に予定されています。こちらも見逃せません!

香港のこんなアングラなパフォーミングアーツに少しでも興味を持っていただけたらありがたい!と思いつつ、香港ナビがお伝えいたしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-05-03

ページTOPへ▲

その他の記事を見る