2017年 香港インターナショナルレース

香港競馬最大のイベント、香港インターナショナルレース。香港人ジョッキーが勝ったりしたので、大いに盛り上がりました

みなさんこんにちは。香港ナビです。香港は11月の終わりからゴルフ、フォーミュラE、そして「香港国際賽事/Hong Kong International Races(HKIR)」と国際的なスポーツイベントが3週連続で行われます。2017年のHKIRは12月10日に沙田(Shatin)競馬場で開かれました。メインの香港カップでは、タイムワープが優勝。昨年HKIRで2つのG1に勝利した日本馬はトーセンバジルとネオリアリズムの3着が最高でした。

多彩な仕掛けやプロモーション

短距離から中距離のG1レースが1日4レース開かれる世界的に有名で贅沢なイベントのHKIR。2016年の10万710人に対し2017年は9万4560人と少し人数を減らしましたが、売上は前年比で5.4%増の10億6000万香港ドルでした。1人当たりの掛け金があがったということになります。
例年、香港の有名歌手によるミニコンサートが行われますが、今年は張敬軒(Hins Cheung)でした。広い音域がでる歌唱力で人気を博しています。香港らしくライオンダンスのパフォーマンスももちろんあります。また、太鼓のパフォーマンスはほぼ毎年行われているのですが、今年は新体操とコラボするという新しい試みが行われました。
「ほっと香港」でも紹介しましたが、香港ジョッキークラブ(HKJC)は、多くの会社と手を組んで、スマートフォンのアプリを使ったプロモーションを積極的に展開しました。アプリの利用者はそれを通じて様々なギフトをもらえるというものです。ナビが少し驚いたのは香港の観光客を相手にした景品もあったことでした。
9.5万人が訪れました

9.5万人が訪れました

HKIRの4つのカップ

HKIRの4つのカップ

太鼓と新体操のコラボ

太鼓と新体操のコラボ

獅子舞は欠かせません

獅子舞は欠かせません

張敬軒には黄色い声援がたくさんありました

張敬軒には黄色い声援がたくさんありました

観光客向けの景品受取所

観光客向けの景品受取所

香港ヴァーズ(2400メートル)

日本ダービーと同じ距離の香港ヴァーズ。優勝したのはライアン・ムーア騎手のハイランドリールでした。2016年は日本のサトノクラウンに敗れ、2着に終わった雪辱を果たしました。これで今年は、コロネーションカップ、プリンス・オブ・ウェールズ・ステークスに続くG1レース3勝目。通算でも7つ目のG1制覇となりました。
レースでハイランドリールは、1コーナーを2番手で進入していき、4コーナーに入るころにはトップに立ちます。最後の直線は、タリスマニックが残り200メートルから150メートルにかけてほぼ並走してきましたが、その後、ハイランドリールが再び突き放して勝利しました。
ムーア騎手は「私がこの馬に乗る時はいつもハッピーだし、自信を持っています。馬もレースの最後は気持ちよく走っていたと思いますよ」と余裕のコメントをしていました。日本馬はトーセンバジルが3着、菊花賞馬のキセキは9着でした。
ハイランドリールを労わるライアン騎手

ハイランドリールを労わるライアン騎手

スポンサーからの賞品を受け取ります

スポンサーからの賞品を受け取ります

キセキとって世界の壁は厚かったようです

キセキとって世界の壁は厚かったようです

香港スプリント(1200メートル)

スプリントという名前のように、馬のスピードスターを決めるレースです。日本からはレッツゴードンキとワンスインナムーンの2頭だてでした。結果を先に言いますと、ミスタースタニング(ナッシュ・ローウィラー騎乗)が勝ちました。これで直近のレース3連勝で、G1初制覇となりました。レッツゴードンキは6着、ワンスインナムーンは12着に終わりました。
レースは、ミスタースタニングはずっと3番手を走ります。ラストの直線に入り、残り300メートルでトップに立ちます。同じころ後方の外側からそれ以上の勢いでディービーピンが追い上げてきますが、わずか100分の4秒差で逃げ切りました。
「いつもよりもプレッシャーはありました。イコール・ウェイトの中ではベストの馬に乗ったと思います」とローウィラー騎手は安堵した表情で答えました。
手をあげるローウィラー騎手

手をあげるローウィラー騎手

レッツゴードンキと岩田康誠騎手

レッツゴードンキと岩田康誠騎手

パドックでのワンスインナムーン

パドックでのワンスインナムーン

香港マイル(1600メートル)

マイルは、2016年も出走して7着に終わったサトノアラジンが今年もエントリーしました。日本馬はこのサトノアラジンだけですが、この馬が去年と違うところは、2017年はG1 の安田記念を勝っている点。虎視眈々と勝利を狙っています。
しかし、レースを制したのは香港馬のビューティー・ジェネレーションで、2着に1馬身差をつけて勝ちました。鞍上は香港人のデレック・リョン騎手です。これまでのG1レースでは香港の馬が勝っても外国人騎手が制することが多かったのですが、香港人騎手が制したことに価値があります。やはり、どんなスポーツでも「地元」が勝つと会場の雰囲気は盛り上がるだけではなく、雰囲気も良くなります。なお、サトノアラジンは11着と惨敗しました。
スタート良く飛び出したビューティー・ジェネレーションは、先頭に立ちレースをコントロールします。そして最後の直線では、騎手の手綱の動きからも見ても明らかに余力がある感じを見せながらゴール板を過ぎていきました。
リョン騎手は「レースはうまくアドバンテージを取ることができました。残り450メートルでいつもより少し早めにボタンを押しました。彼が止まらないことが分かっていたから」と勝ってから表彰式までは喜びを爆発させていましたが、勝利インタビューでは冷静にレースを分析してくれました。
喜びを全身で表すリョン騎手

喜びを全身で表すリョン騎手

香港の観衆が喜んでいるのがわかります

香港の観衆が喜んでいるのがわかります

コース入場直前のサトノアラジン

コース入場直前のサトノアラジン

香港カップ(2000メートル)

HKIRのメインレースである香港カップ。2015年はエイシンヒカリが、2016年はモーリスと日本馬が2連覇。3連覇を目指しネオリアリズム、ステファノス、スマートレイアーの3頭が参戦しました。
レースは、好スタートを切ったザカリー・パートンが乗るタイムワープは1周目のゴール板前ではすでに先頭で、1コーナーはパートン・ジョッキーが馬との接触を避けるべく後ろを振り返りながらトップを走ります。4コーナーを膨らまずに巧みに回ったタイムワープは残り350メートルでさらに加速。2位との差を2馬身と4分の1をつける完勝劇でした。400メートルごとのセクションタイムは、26秒27、25秒12、24秒37、23秒79、22秒08と、タイムワープは一息もつかず快調にペースを上げていき、ほかの馬がついていくことができなかったということだと思います。パートン騎手は「紙に書かれているほどスピードが出ている感じはしませんでした。道中は前に出たいと思っていて、実際、それが結果につながるカギとなりました」と喜びを語りました。アンソニー・クルーズ調教師は「このレースでこの馬の能力を見せることができたのではないでしょうか」としてやったりの表情をしていました。
日本馬はネオリアリズムが3着、ステファノスが4着、スマートレイアーが5着と3、4、5と連続して入線。勝つことはできませんでしたが上位に食い込んだことは日本馬の底力と香港カップとの相性の良さ、ノウハウが蓄積されている証明だと思います。ネオリアリズムに乗ったモレイラ騎手は「良い走りだったと思います。最初掛かり気味だったので、リラックスさせるのに時間がかかりましたけど、3位で終わったのでよい仕事をしましたね」と馬を評価していました。
記念撮影するタイムワープの関係者

記念撮影するタイムワープの関係者

インタビューを受けるパートン・ジョッキー

インタビューを受けるパートン・ジョッキー

武豊鞍上のスマートレイアー

武豊鞍上のスマートレイアー


いかがでしたか? 昨年は日本馬が活躍したこともあってか日本人も多く見かけた2017年のHKIR。来年の日本馬の活躍に期待をしたいと思います。以上、香港ナビがお伝えしました。







上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2017-12-14

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