蓮香楼

Lin Heung Lau蓮香楼

閉店・移転、情報の修正などの報告

一度は訪れたい古き良き香港のスタイルを今に伝える名店。飲茶だけでなく、夜の部もその魅力にハマります。存分に香港を堪能したければこの「蓮香楼」に是非行かれてみては♪

こんにちは、香港ナビです。古き良き香港の魅力を持った街として、上環は観光客にも馴染み深い場所ではないかと思います。何十年と変わってないような、独特のごみごみとした雰囲気の中に、問屋さんや雑多な商店などが立ち並ぶ、香港ならではの猥雑さを持ったところが魅力ではないかと思います。そんな上環にあって、80年もの長い歴史を持った名店が「蓮香楼」です。お店の造りから料理に至るまで、昔からの雰囲気を色濃く残しているのが魅力です。飲茶があまりにも有名な「蓮香楼」ですが、実は夜の部もまた、今では他でお目にかかれなくなってしまった、昔ながらの「定番メニュー」を取り揃えているのです。そんなわけで、今回は「蓮香楼」の夜の部が持つ、昔ながらの魅力的な料理の数々に迫っていきたいと思います。
モダンではない、昔ながらの雰囲気を伝えていきたい
蓮香楼の特色を一言で言うならば、「昔ながらの雰囲気」これに尽きます。昔は、蓮香楼のようなスタイルがごく当たり前だったのですが、周りの多くの店が経済の発展によって、よりモダンなスタイルのお店に生まれ変わっていったのでした。そんな中にあって、蓮香楼は、他では見られなくなってしまった「昔ながらの雰囲気」を後世に伝えていくことに強いこだわりを持っています。だから、建物にも食器にも、どこか古めかしさを感じるのは確かですが、それでも古くなって使えなくなるまではこのままでいく、と決めているそうです。そんなこだわりが、今日も多くの人を蓮香楼へと引き寄せているのです。
こちらは蓮香楼の3代目オーナー、顔尊輝さん。蓮香楼の初代、先代は経営専門でやってきたのに対して、3代目は経営だけでなく、自ら厨房で腕を振るった「オーナーシェフ」なのです。経営にも、料理にも強いこだわりを持っている顔さんから、蓮香楼のあれこれを聞いてみました。
蓮香楼の歴史
蓮香楼は、そもそもは80年前に、100年以上の歴史がある広州の本店から香港支店を出すという形でできたのだそうです。だから食器に「香港 蓮香楼」と書かれているんですね。でも広州の本店は、1949年の中華人民共和国成立後に、中国政府に接収され、その後はなんと国営になっちゃったんだとか。
顔さんが蓮香楼に入ったのは1960年代のことで、その後香港経済の上向く70年代には、今に続く香港の外食文化が発達していきましたが、その当時のメニューは、今蓮香楼で出しているような定番メニューが主でした。その後80年代ともなると、世の中はバブル真っ只中、高級志向の追及と、手間のかかる料理が減っていったということもあり、手間暇かけてつくる定番メニューが多くの店から消えていったのでした。蓮香楼も、1986年から1996年までは、夜の部は営業していませんでした。しかし、夜の部に出てくる定番メニューを懐かしむ声が多かったこともあり、1996年に現在の場所に移転したのを機に、夜の部を再開したのでした。
蓮香楼の客層 ~時間帯ごとに入れ替わる、上環の人々が見えてくる~
蓮香楼の客層は、時間帯ごとに大きく違い、またそこから上環という街の特色を感じられることでしょう。開店は午前6時ですが、7時ごろにはすでにお客さんがきています。8時台は、上環の問屋さんで資材等を仕入れる職人さんが、ここで朝食を食べて出勤していきます。また、サラリーマンやOLなどが、9時の始業前に続々やってきます。9時を過ぎると、今度は上環にある問屋さんや商店のスタッフが10時の開店前にやってきます。その問屋さんや商店のボスはというと、10時をすぎて開店した後にやってくるのでした。そんなわけで、午前中はひっきりなしに入れ替わりつつも、常に客が入っているのですね。
昼食時間帯は、主に焼きそば、炒河粉(米でできたきしめんです)、点心がほとんどで、飲茶タイムは午後5時ごろまで続きます。
夜の部では飲茶ではなく、本格的な「定番メニュー」が出されます。蓮香楼は飲茶の店としての印象が強いせいか、夕方以降に飲茶目当てにやってくるお客さんもいるそうですが、夜の部では飲茶メニューはないので、くれぐれもご注意ください。うっかり間違えて来ちゃっても、夜の部も意外と手ごろなお値段なので、さて、この夜の部、もともと有名人にも人気なのですが、今ではお客さんが以前よりも増えて、お忍びで来にくくなったから、それで有名人が来るのは以前より減っちゃったんだそうですよ。
蓮香楼のこだわり
香港って、超高級なレストランとかでもない限り、なんとはなしにぶっきらぼうな感じがすると思うんですが、そんな中にも、お客さんへの気遣いというのはちゃんとあるんですよね。蓮香楼の場合は、まずお湯にこだわりがあるんです。普通は、お茶を飲むときのお湯って、熱いお湯をすぐに出してくれないことが多いんです。そこで、蓮香楼では、常に熱いお茶が飲めるように、常にテーブルのお茶をチェックして、なかったらすぐにお湯を入れるようにしているんです。また、お客さんがたくさんいると、それこそ昼の部では6人がけのところに10人、というような具合でどんどん詰めて座らせていくのも、お客さんがたくさんいることで常に新鮮な素材を使った料理が提供できるという前提があるためなんです。混雑して迷惑をかけている分を、新鮮な素材を使った自慢の味で最大限にお返ししますのでご了承くださいということなんです。といっても、夜の部では混んでると相席になる場合はありますけど、それでも昼の部みたいに詰めることはありませんのでご安心を。
お店に6人いる、白ワイシャツのおじさんにも注目。彼らは「部長」(ボウチョン)といって、接客のチーフなんです。日本語はできませんが、外国人にも慣れてますので、注文する時とかに困ったことがあったら、気軽に声をかけて下さい、とのことです。

蓮香楼だから食べられる、「定番メニュー」・ゴールデントリオ

1. 蓮香霸王鴨 $150
夜の部メニューの真打ちがこれ。お店の入り口にも掲げられている看板メニューです。一見したところアヒルの丸焼きに見えるんですが、アヒルの体の中には、肉だけでなく、意米(米の一種)、蓮の実、シイタケがつめられています。そして、いったん中身を詰めてから煮込んで、その後揚げるという、手の込んだ調理法で作られています。ちなみに、このメニューは2人前から注文する人が多いようです。それぞれの素材の味がしみ出て、妙にマッチした味わいがこの料理の特徴でしょう。ちなみに食べるときは、横にある茶色いソースをかけて食べます。
お店のレジの上に、クリップがついています。このクリップの数が本日の「蓮香霸王鴨」の残り数だそうです。ナビが行ったのは夜の部スタート直後でしたので、ということは1日15匹限定!食べたいと思ったらお早めに!

2. 煎醸土鯪魚 $48
これは一見したところ魚の唐揚げに見えますが…実はちょっと違うんです。実は、中身が魚のすり身になってます。それも、魚の中身をいったんすり身にした上で、また元の体に戻すという凝りよう。この鯪魚というのは川魚ということで骨が多く、それでこんな風にすり身にして食べやすくしたそうです。ちなみに、昔と比べると魚そのものの風味が落ちたらしいですが、作り方は昔の方法を守って、極力昔の味わいを残そうとしているそうです。

3. 鶏蛋局(火へんに局)魚腸 $38
こちらは魚の内臓を使ったグラタン風の料理です。焼き卵の中に、魚の内臓が入っています。また干しオレンジの皮(陳皮)も入っているのが特徴です。内臓、ということで、くさみとか強そうな気がするんですが、そんなことはなくて、くさみもよく抑えられていて食べやすいので、内臓とかが苦手な人にも食べてほしい逸品です。

これらのゴールデントリオメニューに、「例湯」(日替わりスープ)というのが、「蓮香楼」夜の部ずばりイチオシのメニューなんですが、もちろん他のメニューがない、というわけではありません。しかし、「他のメニューは他のお店でも食べられるのだから、そっちの方のこだわりはほどほどにして、他では食べられない「定番メニュー」に対して特にこだわっています!」と顔さん自ら語るほど「定番メニュー」に強いこだわりがあるため、なんとなく影に隠れちゃってるような感じがします。顔さんのそんな強いこだわりに脱帽!

ちなみに、こちらは特色ある飲茶メニューです。

1. 鶏球大包 $11
せいろいっぱいに収まっている大きな肉まんの中には鶏肉や野菜、ゆで卵、ハムなどが詰め込まれてボリューム満点。なお朝9時までの限定メニューですのでご注意ください。早起きは三文の得、ってやつですね。

2. 鴛鴦扎 $11
鴛鴦というのは、おしどりの事。香港人は「鴛鴦」が大好き。種類の違う2つのものをひとつにして出すのを「鴛鴦」といいます。コーヒーに紅茶を混ぜた「鴛鴦」は有名ですね。さて、蓮香楼の「鴛鴦」といえばアヒルと鶏の足。お味のほうも、なかなか味わい深いです。

3.蓮蓉包 $11
「蓮香楼」だけに、「蓮」の実が入った饅頭。やさしい甘みが口の中に広がります。

いかがでしたか?香港の昔ながらの味わいをそっくりそのまま残したお店「蓮香楼」。お店の雰囲気から、料理の数々まで、昔ながらの雰囲気を味わうことができるのがいいところです。せっかく香港に来たなら、古き良き香港のスタイルにこだわって、その魅力をお店全体からとことん味わってほしいなと強く願う香港ナビがお送りしました。

記事更新日:2009-01-15

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主なメニュー

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蓮香霸王鴨

看板メニューのアヒル料理です。
150

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蝦餃

蝦シュウマイ

Steamed Shrimp Dumpling

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蟹黄焼売皇

蟹子入りシュウマイ

Steamed Crab Roe and Pork Dumpling

イチオシ

蓮蓉包

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2006-01-12

スポット更新日:2009-01-15

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