香港唯一、西貢のウニ養殖場で獲れたての生ウニとウニ料理を食べてみませんか?
こんにちは、香港ナビです。香港で海鮮料理と言えば、香港通の皆さんなら、すぐに西貢が浮かぶはず。ここ西貢で海鮮の中でも新鮮なウニを安く食べることができるレストランがあると聞いて、早速入ってみました。
レストランがあるのは、西貢の船乗り場からボートで約30分のところにある糧船湾。事前に連絡をしていたため、朝の10時に船乗り場へ行くとオーナーの陳徳興さんがスピードボートでナビを迎えに来てくれました。
前日から香港の天気は崩れ始め、取材当日は小雨もパラパラ降り出しました。3月なのに海辺の町西貢はとっても寒いです。ボートに乗り込み、写真を撮ろうとしましたが、激しい海風にメガネとカメラをさらわれないようにと、身をかがめるのがやっと。この突風が終われば、生ウニが待ってまーす。
20分後に糧船湾に到着です。陳さんは早速ボートで海胆養殖場(ウニの養殖場)を案内してくれました。「ここから向こうまでは、全部うちの養殖場やで。昨日天気が崩れて海がしけたから、今日は海水が濁ってしまってんねん。いつもは海底に転がるウニがここから見えるくらいに透き通ってんねんけどなぁ。あそこの黒い影は、ウニの食糧の海藻やで(なぜか関西弁にて意訳)」と陳さん。
2003年から始まったここの養殖場の話を聞かせてもらいました。
長年この地で暮らしている陳さんは、実は元はバスの運転手だったそうです。ちなみに陳さんが生まれ育った家は188年前に建てられたものだそうです。2003年のSARSの影響で、バス業界も不況になり、それがきっかけで仕事を辞め、生まれ育ったこの地で何かできることはないかと思い立ったそうです。小さい頃から海の幸を食べて大きくなった陳さん。何か特別なことはできないかと考え、ウニの養殖を始めることにしました。それと同時に元は売店だった建物を海鮮レストランに改装して、そこで獲れたてのウニを出そうと思ったそうです。
2003年、50セント大(5円玉くらいの大きさ)のウニの子供を育て始めました。食べられる大きさになるまで2年半かかったそうです。
レストランは大きなものではありませんが、一日に800人ものお客さんが詰め掛けたこともあるそう。6隻のボートが西貢の乗り場と糧船湾を何度も往復して、片道55人のお客さんをさばいたそうです。みんな何のためにここまでやって来たかって?もちろん、30ドルで食べられる生ウニのためです!
さて、主役のウニ獲り開始!!
潜る準備をしている陳さん。
陳さんが丁寧に洗って、中身を見せてくれました。わー、見てください!おいしそう!
このようにスプーンですくって食べます。海藻の香りがして、まるで海を食べているみたい・・・
ウニのトゲを触らせてもらいました。トゲは想像と違って、触ってもぜんぜん痛くなかったです。長さは4センチくらいありました。
陳さん曰く、ウニのトゲはそれほど尖っていなく、触って痛く感じるものは、本物のウニではないそうです。本物のウニよりもだいぶ安い「海刺」をウニと偽っている所もあるそうですよ。
これがニセモノのウニ「海刺」。トゲが本物のウニより細くて長いのが見えますか?このトゲをウニに似せるように短く切って売っているものもあるそうです。気をつけてくださいね。
その味は…
海藻の塩辛さがウニの芳香に混ざって、とても甘~い。食べる時はお店の人が割ってくれるので、私たちはスプーンで中のウニをごっそり取って食べます。口に入れた後、ゆっくりと味わってくださいね。「あんた運がえぇなぁ。今日のウニが一番肉厚やで。毎年12月から翌6月までがウニの食べごろやけど、一番おいしいのは3月やで。」と陳さん。
ウニの食べ物は海藻です。海藻をよく食べているカニはタンパク質が豊かで、ナマコと同じくコレステロールもゼロです。ウニはとても健康的な食べ物なんだそうですよ。
生ウニを食べ終えて、次はウニのお料理を出していただきました。
ウニのチャーハン。 $130 (2人用)
10個~20個のウニを使用して炒めたものです。
この写真に写っているのは、
ウニのショウロンポー!残念ながら、ナビが取材に行った日は、ショウロンポーを作る料理人が手に怪我をしてしまい、作ることができませんでした!とても人気だそうです。ぜひトライしてみて~ 6個/$120
このレストランでウニ料理が楽しめるのは、毎年12月から翌6月まで。それ以外の時期は通常の海鮮料理を提供しています。8,9月になると、ロブスターよりもおいしいといわれる「盲蟹」という特別なカニを食べることもできます。
いかがでしたか?生ウニを捕ったその場で食べられて、それもこんなに手頃な値段なんて、日本でもなかなかできないと思います。ウニのショウロンポーや春巻きはとても香港らしいウニ料理ですよね。今度の香港旅行では、是非少し足を伸ばして香港の生ウニを食べに行ってみませんか?以上、香港ナビが西貢からお伝えいたしました。