ジャンボ・キングダム(ジャンボ・フローティング・レストラン) 【休業中(再開未定)】

Jumbo Kingdom(Jumbo Floating Restaurant)珍寶王國(珍寶海鮮舫)

閉店・移転、情報の修正などの報告

雅香の珍寶王國(ジャンボ・キングダム)体験レポート

香港仔(アバディーン)の水上レストランで、絢爛豪華に飲茶を満喫!!

こんにちは、香港ナビ、レポーターの雅香です。今日は、2004年に全面的にリニューアルをした、香港仔(アバディーン)の水上レストラン、珍寶王國(ジャンボ・キングダム)へ行ってまいりました。ここは、香港の観光スポットとして、以前から大変有名ですが、この度大改修をし、同時に凄腕のシェフを迎え入れ、新しく生まれ変わりました。今回は、その建物の3階にあるレストラン「珍寶海鮮舫(ジャンボ・フローティング・レストラン)」へ人気の飲茶をしに行くことになりました。海の上に、まるで龍宮城のような豪華な建物がキラキラと光り輝く珍寶王國(ジャンボ・キングダム)、その中っていったいどうなっているのでしょうか?そして、そのシェフの作る料理ってどんなものなのでしょうか?それでは早速、船に乗って龍宮城へ、いやいや、珍寶王國へ行ってまいりま~す!
船に乗って一路海の宮殿へ
珍寶王國(ジャンボ・キングダム)への入り口は、3ヶ所。「珍寶海鮮舫(ジャンボ・フローティング・レストラン)」へ向かうときは、中央の入り口から桟橋へ入ります。ここからは無料の船が王国まで運んでくれます。右側の入り口付近には、小さな船がたくさん泊まっていますが、これは、「舢板(サンバン)」といって、アバディーンの海を小船で一周してくれるサービス。$30でまわれます。もともとアバディーンの地は、水上生活者の場として村が作られ、発展してきました。今日ではわずかに残る程度ですが、その小船からはどこか当時の名残を感じることができます。元気の良いおばさんたちの呼び込みの声が聞こえてきますが、今回は、まっすぐレストランをめざします。船から見える景色は、山と高層アパートを背景に、豪華なクルーザーがたくさん泊まる湾内、そして、いよいよ、王国が近づいて来ました。高層アパートや停泊するクルーザーとこの王国とのコントラストは、現代から、どこか昔の時代へ迷いこんでしまったような、そうそう、『千と千尋の神隠し』の湯屋に来てしまったかのような、そんな幻想を抱いてしまいます。
龍宮城へ
約2分の船旅も終わり、さあ、船が到着しました。金と赤を基調にした豪華なエントランス。この波止場の九体の龍は、「珍寶海鮮舫(ジャンボ・フローティング・レストラン)」側の人々からの呼び声に応え、荘厳にお客様をお迎えするために置かれているそうです。水に浮かぶ球に向かって、九体の龍が勢いよく水
また、入り口には、立派な龍やはすの花が飾られ、中国らしい縁起のよいものたちが私たちを迎えてくれます。この龍(ドラゴン)は、中国人の知恵、力、そしてその精神を象徴するものとされているようです。中国の歴史を通して登場する龍は、海の世界に住む生き物として最も尊ばれていて、あらゆる分野において敬意を持って扱われています。
中へ入っていくと、階段や壁、至るところで龍のオブジェに出会います。また、壁に大きく飾られた美しい絵は、イタリアの美術家ボルボアという方によって精密に製作されたモザイク画とのこと。成功と富を題材とした古代の巻物を再現したという壮大な作品が飾られています。
ここには、1階に「茶藝楽園」という中国茶の店があり、中国茶を無料で試飲することができます。
2階は、「龍軒(ドラゴン・コート)」という広東料理を中心とした格式のある中華レストラン。個室がいくつかあり、接待等にも使われているようです。
そして、いよいよ3階の「珍寶海鮮舫(ジャンボ・フローティング・レストラン)」へ入ってみます。広々とした店内は、中国のアンティークで統一されたような重厚感のある空間。
右手奥の間の中央には、なんだかきらびやかな椅子がセットされています。これは、旧宮殿を模した装飾用の玉座(エンペラーシート)といって、皇帝の結婚のときに、新郎新婦、両親が座るそうです。そしてここにも龍が。皇帝の席には必ず、このおめでたい龍が飾られるようです。座って記念撮影をすることもできますし、有料になりますが、中国の高官用の衣装をまとって写真を撮っていただくこともできます。(「Queen & Kings Photo」 1人 US $12 HK$90、2人 US$20 HK$150)
と、そこへ現れたのが、ここの新しいエグゼクティブ・シェフの余(ユウ)氏。有名レストランから移り、一気に料理の味が良くなったと評判の凄腕シェフ。早速いっしょに、玉座で記念にパチリ。なんとシェフのポケットからもカメラが出てきて、これでも撮って~♪、なんだかとってもおちゃめな方ですね。それではいよいよお食事をいただきます。
まずはメニューを吟味
清潔感のあるテーブルセッティングには、さりげないセンスの良さが感じられます。中央に活けられたバラの花や、レースのクロス等がお客様を温かく迎えてくれます。席に着くとまずは、中国茶が注がれます。今日は、日本人に人気のジャスミンティー。他に普洱(ポーレイ)茶や水仙(ソイシン)茶も人気のようです。ティーポットはキャンドルの入った台に乗せられていますが、これが正式なスタイルとのこと。いつでも温かいお茶を飲むことができます。
では、早速注文。立派なカタログのようなメニューには、ちゃんと日本語メニューもあるので安心。セットメニューには、魚・海老・蟹セット、北京ダックセットなど種類も豊富。フカヒレお一人さま$480なんていうのもあります。こちらはオーダー約70%が海鮮ということですが、あわび、ほう貝、伊勢海老と、ずらり魚介類の最高級食材が並んでいます。このレストランでは魚介類を保存するために、専用の船を一隻用意しているそうです。そのスケールの大きさ、さすが海の宮殿ですね。たくさんありすぎてどれにしようか迷ってしまいます。今回は余(ユウ)シェフおすすめの料理を点心中心に用意していただくことにしました。
余(ユウ)シェフを交えての~ 楽しい食事のはじまり
余(ユウ)シェフに解説していただきながら、楽しいおしゃべりとともに食事がスタートしました。まず初めに前菜として出てきたのがこちら。
窩貼石斑夾(メバルの厚揚げトースト)
トーストの上には、白身魚(メバル)とハムがのっていて、中華というよりはヨーロピアンな雰囲気。パーティにも合いそうな料理です。サクサクしていて、でも上はやわらかく、こんな中華料理、初めて食べました。ハムの塩分が白身魚にアクセントを加えてどんどん食べてしまいそう。あ~、ここにビールがあったら最高。中央には、なんと生姜のオブジェ?元気の証としての縁起物だそうで、これ、余(ユウ)シェフのアイデアだそうです。
次に出てきたのは、竹笙黄金餅(蝦のすり身の揚げ物)ベビー・コーンに蝦のすり身ののったもの。まるで小さな船に蝦がのっているような、繊細な料理。食べてしまうのがもったいないくらいです。付けあわせの百合根のシャキシャキ感と蝦がよく合います。塩だけのシンプルな味つけですが、素材の旨みが感じられる一品です。
さて、いよいよ点心登場。湯気とともにおいしい香りが立ち込めます。ここには、点心の四天王といわれる、
珍寶蝦餃皇(蝦シュウマイ)

珍寶蝦餃皇(蝦シュウマイ)

蟹籽蒸焼賣(蟹の卵入りシュウマイ)

蟹籽蒸焼賣(蟹の卵入りシュウマイ)

帯子鳳眼餃(ホタテ乗せシュウマイ)

帯子鳳眼餃(ホタテ乗せシュウマイ)

そして、瑤柱雞球大包(巨大肉マン)の4つが出てきました。この巨大肉まん、昔はどこにでもあったメニューだそうですが、現在、伝統を守って作っているところは少ないそうです。とっても大きくってビックリ。中を開けてさらにびっくり。卵の黄身や鶏肉、豚肉、貝柱・・・たくさんのものが入っていてボリューム満点。面粉(ミンファン)という肉まんの皮の中にたくさんの具が詰まっています。大きな口を開けないと食べられませんよね。中の卵は、月餅に入っているものと同じ味がしました。甘くない月餅?!これ全部食べてしまったらもうお腹がいっぱいです。蝦シュウマイは蝦のプリプリ感がたまりません。ホタテ乗せシュウマイの中には、蝦のすり身が50%、豚肉が50%と絶妙な配分にうっとり。豆板醤や、ここの自家製XO醤につけて食べるとより一層おいしさが増します。その他にも、おなじみ、瑤柱小籠包(貝柱入りショーロンポー)や、黄橋焼餅(肉団子入り焼餅)、と点心のオンパレード。上品な味でサイズも小さめなので一口で食べられちゃいます。ピリ辛のたれにつけると食欲が増してくるのが不思議です。
さて、次に出てきたのは、士吐啤梨骨(スペアリブのストロベリー・ソースがけ)細かくみじん切りに切ったイチゴのソースがたっぷりかかったスペアリブの料理。テーブルに置かれた瞬間、甘酸っぱい香りが広がってきました。揚げたスペアリブにかかったイチゴのソースが油っぽさを消してくれて、さっぱりとした味に。この絶妙な組み合わせは、ぜひ一度食べてみていただきたい、余(ユウ)シェフ創作料理の一つです。
さらにまだ続きます。蟹肉扒時蔬(蟹肉と季節野菜の煮付け)アスパラガスに蟹のソースがかかっています。蟹(膏蟹ゴウハイ)の黄色い卵がしっかり感じられますが、全体的にやさしい味に仕上がっています。このアスパラガスは、どうしてこんなにシャキシャキしているのか、シェフに聞いてみました。ついついゆですぎて柔らかくなってしまいがちですが、そのコツは、沸騰した湯に油を少し入れて、アスパラガスをさっと入れてすぐ出すこと、強い火力で瞬時に取り出すことが大事。この辺のコツについては、毎週こちらで行われている料理教室でも教えていただくことができるそうです。(毎週火・木・土曜日 16時~17時 一人HK$380、詳細は、レストランへ問い合わせてください。TEL 2553-9111)

そして登場したのがこれ。翡翠伴姿参(なまこと野菜煮)うわ~、この茶色くてプルンプルンとしているもの何?こんななまこ、初めてみました。お肌に良いし、コレステロールも下がるっていうので恐る恐る挑戦。ツルツルしていてなかなかつかめません。横でシェフも心配そう。なんとかつかめてさあ一口。やわらかくってゼリーみたいな食感でしたが、う~~ん、味のあるようなないような、なんとも言えない味。その先が進みません。シェフ、ごめんなさい。
そして最後は、美果鮮蝦仁(エビとカシューナッツの炒め)
蝦っていろいろな楽しみ方があるんですね。 いや~、もう大満足です。シェフの作り上げる繊細で斬新なアイデア料理の数々。これも中華なの?っていう驚きや発見の連続。中華料理って奥が深いんですね。シェフの料理は、伝統を守りつつも、現代風にアレンジを加え、見た目も十分に楽しめる、そんなユーモアのセンスにあふれた料理という印象を受けました。

余(ユウ)シェフ、本当にありがとうございました。とっても素敵な雰囲気のなかで豪華な飲茶を楽しませていただきました。どれも忘れられないおいしさ。中でもやっぱり点心は格別。そして新鮮な蝦や、シンプルな味付けでいただく季節の野菜の数々。ちょっとした工夫でこんなにかわいくっておいしい料理ができるんですね。見た目はとってもやさしいおじさまですが、やっぱりこちらのシェフ、ただものではないらしい。しっかり握手をしてお別れ。絶対また来ま~す。迎えてくれた九体の龍たちにも別れを告げ、王国を後にしました。あれ?行きよりも顔が丸くなってない?珍寶王國(ジャンボ・キングダム)、ここはまさに料理界の王者の国だったのですね。豪華な建物に圧倒され、さらにシェフの見事な料理に魅了され、ライトアップされた龍宮城を去りつつ、香港ナビ、雅香がお伝えしました。どうかこの龍宮城、夢でありませんように。痛っ、丸くなったほっぺたつねってみました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日 :2005-12-28

ページTOPへ