家族でカップルで、どっと地元の人が押しかける香港島湾仔(ワンチャイ)にある牛バラ肉麺の有名店。
こんにちは!香港ナビです。B級グルメも充実の香港。中でも麺に関しては競争率も激しく、新店舗ができては消えて…が繰り返されています。香港人の舌を満足させることができなければ、どんなにおしゃれな店でも容赦なし。丹誠込めた仕事とその味でそんな厳しい競争をかいくぐり、地元民の厚い信頼を得ている大利清湯腩。場所を移して新装開店したばかりのワンチャイ(湾仔)店から、日本のガイドブックにはほとんど載っていない、地元の味をこっそりお教えします!
ピカピカの壁にピカピカの床。新店舗ならではの明るさの中に置かれているのは、旧店舗からそのまま持ってきた使い込んだ丸テーブルに丸いいす。調味料入れやはしやレンゲもそのままです。器は変わっても中身は変わってないよ!といってくれているかのような新旧のミックスがいい感じです。
厨房へおじゃましました
大利の味の要のスープ。毎日120キロもの牛の各部位を使い、巨大寸胴なべで2時間以上も煮込んで作り上げます。すこしでも手を抜くと臭みがでてしまうため、下ごしらえから完成まで、気の抜けない作業が続きます。化学調味料などは一切使用せず、野菜などの自然の素材のみをあわせて煮込み続けて仕上がったスープは、その仕事のていねいさの証拠にきれいに澄んでいます! 火を落とさずコトコトと煮込み続けているので、開店同時に行くよりも夕方のほうが、さらに濃厚な味わいになっているような気がします。
カレー味の牛バラ肉。ジャガイモとともに煮込んだ牛バラが、あっさりとしたカレー風味とよく合います。
牛バラ肉。さまざまな漢方や香辛料とともにていねいに煮込んでいます。この絶妙なバランスの調合で肉の臭みがなくなり、やわらかく味わい深く仕上がります。もちろん、こちらも化学調味料は一切使用していません。
牛バラのほか、「蜂の巣」と呼ばれる牛の胃袋、牛筋も同じ工程でていねいに煮込まれます。
調理長の劉さんは、奥の調理場で朝早くから仕込みをし、店頭の調理場では黙々と手を動かし続けています。押し寄せるお客さんを待たせまいとせっせと、でも決して手は抜かずに麺を作り上げていく実直な調理人さんです。
では!食べてみましょう!!
メニューは全て中国語のみで、英語の併記はありません。でも、そこは日本人。漢字から何となく意味は分かるでしょう~。具(牛バラ、牛筋、蜂の巣など)と河粉(きしめん風の太い米麺)、米粉(ビーフン風麺)、麺(小麦粉麺)から好きな麺を選んで組み合わせてオーダーします。ご飯にトッピングすることも可能です。各テーブルにメニューが置いてあるので、オーダーはそれを指差せばOK!
ナビいち押しの
牛バラ肉河粉(牛腩河粉)。乱暴につかむとホロホロと崩れてしまうほどやわらかな牛バラ肉とたっぷりのお米の麺で、おなかも大満足。
HK$ 20
テーブル備え付けの調味料の中から「酸辛醤」という、その名の通りすっぱからいタレをバラ肉につけて食べるのがナビのお気に入り。
カレー牛バラ肉河粉(咖哩牛腩河粉)。日本のカレーよりもっとさらっとしていています。程よい辛さに食が進む!
蜂の巣と牛筋の煮込み(金銭土牛筋双併)。ぷりぷりした食感の蜂の巣と「コラーゲンたっぷり!」といった感じの牛筋のトロッとした食感がふたつ同時に味わえます。(牛筋、牛バラ、蜂の巣の中から2品組み合わせ自由です)
HK$ 32
野菜不足は美容にも健康にも悪いので、「油菜」というゆで野菜を一緒にオーダーしてはいかがですか。これは
菜心(チョイサム)という香港ではポピュラーな野菜です。
HK$ 13
牛バラ肉麺と併せて人気なのが、この大根。バラ肉を煮込んだスープでじっくり煮込んだ大根。「
腩湯蘿蔔」と書かれています。この盛りでなんと
HK$ 10。大根の甘みがしっかり出ていて、おでんの大根好きなひとにはたまらない一品です。
ラー油も自家製です。常連から要望が多く、おみやげ用のびん詰めも発売されました。
HK$ 20
あれだけの大量の肉を使っているのに、油っぽさがなくあっさりしつつ味わい深いスープは、器に口を付けて飲みきってしまうひとがほとんど。B級なのは値段だけで、味にかける手間ひまはA級です! 肉と麺。単純な組み合わせなのに奥の深い、香港の「愛される味」を、いつも混み合っている店内で地元のみなさんに混ざって味わってみてください。以上、湯気の向こうの牛バラ肉を思い出すと反射的におなかが鳴ってしまう、香港ナビがお伝えしました!