香港に来たら一度は診てもらいたい漢方薬の専門・中医さん(チャイニーズドクター)。お肌の調子が悪い、なんだか疲れる…そんな時は日本語可能な中医さんで自分にあった漢方薬を処方してもらおう!
新しい店舗も清潔で機能的に整頓されている
みなさんこんにちは、香港ナビです。
香港では西洋医と同じくらいポピュラーな存在の中医(チャイニーズドクター)、香港に来るなら一度挑戦してみたくはありませんか?
西洋医学とは違い、東洋医学は中医に見てもらい、漢方薬を継続的に服用することで体質を改善させ、病を内側から治していくという考えです。特に慢性疾患に効果があると言われていますが、香港では風邪や、なんとなくダルいなど、ちょっとした身体の不調でもお世話になるくらい身近な存在です。
長壽園は創業1972年。以前は尖沙咀で営業をしていました。
2013年12月からは同店の漢方薬工場がある火炭(Fo Tan)に場所を移したところ「通いにくい」という声もあり、2016年12月、交通の便利な佐敦に帰ってきました!
ナビの読者にとっても、これは嬉しいお知らせですね。
行き方
MTR佐敦駅下車A出口へ
MTR佐敦駅A出口、「裕華國貨」 佐敦本店から出てネイザンロードを左へまっすぐ進みます。
2つ目の角、寧波街(Ning Po St)を左に入ります。白加士街(Parkes St)をわたり、次の吳松街(Woosung St)を右折、数件先に長壽園がある「幸福商業大廈」に到着します。
駅からは5分弱。1ブロックが短いからか、地図で見るより近く感じます。
日本語でも大丈夫!
日本語が話せる梁先生におまかせ!
ここ香港では漢方薬が生活のあちこちで取り入れられ、街中いたるところに漢方薬屋や中医の看板も見られます。香港人にとって漢方薬と中医はとても身近な存在です。そんな香港に来たなら、是非経験したい本場の漢方薬ですが、わたしたちの漢方薬の知識は十分とは言えませんし、それこそ外国語で聞いて理解するのはとても大変です。
ここ長壽園には日本語が話せる梁中医さんがいるので安心して診察、そして漢方薬を処方してもらえます。
香港人客はもちろん、旅行者のみならず、香港在住の日本人客もとても多く、待合室には日本語の情報誌なども置いてあります。
「望聞問切」で診察する中医さん、脈や顔色などがとても重要
さぁ診察を受けてみましょう!
いすに座り診療が始まりますが、西洋医学と同じでまず先生に症状の説明をします。その後先生は「望・聞・問・切」という4段階に分けて診療を行います。
まず「望」ですが患者の顔色や目の色、舌を見ます。状況によっては、小便、大便、生理時の血などの症状について聞くこともあるそうです。
「聞」は先生が声、口臭、体臭を確認します。声が普通よりも大きいと感じる場合は体に熱がたまっているとのことです。
その次の「問」は、病歴、治療歴を詳しく聞き、今の体調や生活習慣について質問をします。西洋医学の「問診」と同じですね。
最後は「切」。これは脈を取ります。左手は心臓、肝臓など、右手は肺、腎臓などの調子を脈の速さ、強さで判断します。
診断後、漢方薬の処方箋を書く
そして、診断結果が告げられます。ナビは自分の体の不調について特に話したわけではなかったのですが、取材中の様子と、最後に脈を取ってもらっただけで、「実は気になっていた不調」をバッチリ言い当てられてしまいました......。
それも、ひとつではなく2〜3つも!!
いやー、ドキドキしてしまいました。
診断書には生薬の分量が細かく記されている
そして、診断結果から勘案して漢方薬が3日分処方されます。長壽園さんはとても明瞭会計で、診療と3パック分の漢方薬でHK$500です(診断だけならHK$150、お薬だけなら1パックHK$130)。
漢方薬の調剤
頼りになるペギーさんは長壽園の看板娘
漢方薬の販売と発送も行っているので、一度、先生に診てもらった人が日本に帰国後も漢方薬を注文している人が少なくないそうです。それだけ先生の見る目と処方する漢方薬が確かだということかと思います。
街の中医の中には、衛生的な面であまり気を使っていないお店もある中、長壽園さんはいつも清潔感いっぱい!この点も日本人に支持されている理由のひとつではないでしょうか?
漢方薬が入っている百子櫃(引き出し)から漢方薬を用意するペギーさん
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梁中医さんの処方箋をもとに、とても正確に量ります
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長壽園ではまず3パック分が出されます
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こちらができた漢方生薬のブレンドパック
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漢方生薬の煎じ方、飲み方
煎じるのには「砂煲」と呼ばれる土瓶を使用
長壽園さんでは漢方薬の煎じ方を紙に書いて教えてくれますが、自分で煎じることができない場合は、1回15ドルで煎じてくれるサービスがあります。その場合は、1時間半〜2時間後(混雑具合による)に煎じおわった漢方薬を取りに行きます。
あまりお勧めではないとのことですが、場合によっては3日分全部を煎じてくれるそうです。
中医で漢方薬を煎じてくれるサービスはとてもポピュラーです。近頃は香港人でも自分では煎じず、中医で煎じてもらったものを取りに来て飲む人も多いです。
長壽園さんでは3パック分処方されますが、飲む回数は個人個人で違います。1パックを煎じたあと、2杯に分け朝晩2回に分けて飲む場合や、1日1杯で2日に分けて飲む場合。また1パックを1杯まで煎じ、1日1回で飲みきる場合もあります。
個人個人の症状に合わせて梁先生が指示しますので、それに従って服用しましょう。
約1500mlのお水に1パックを入れ煎じます
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煎じ終わると濃い茶色〜黒っぽいお薬ができあがります
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もちろん一番良いのは生薬を煎じた漢方薬ですが、正直なところ、飲みにくいと感じる人の方が多いのでは? 液体なこともあり、旅行などの移動には不便。そのような方にはタブレットでの処方もしてくれます。
そして、苦い漢方薬のあとのお口直しにどうぞともらうのが「山楂餅(さんざしのお菓子)」か「陳皮梅」のどちらか好きな方が選べます。赤い実をつけるさんざしも漢方薬で使われる植物のひとつですね。
また症状によっては針治療やマッサージによる治療も行います(ともにHK$380)。マッサージ店で針の治療がありますが、ここは疾患の治療になるので内蔵がよくないときに針を打つそうです。マッサージも針治療と同様に治療を目的としているので、ツボの押し方も変えているとのことです。
いかがでしたか? 西洋医学の病院に通ったけど改善する気配がないと言う方、特に慢性疾患に悩んでいる人は、東洋医学の漢方薬で体のうち側からの治療を
試してみてもいいのかもしれませんね。
以上、香港ナビがお伝えしました。
<料金表>
診察費 HK$150
診察費+3パック分の漢方薬 HK$500
追加分漢方薬1パック HK$130
漢方成薬(タブレット)1日分 HK$100
鍼灸治療費 HK$380