わが国の「食料自給率」は本当のところ4割をきっており、「自給
率」の向上は喫緊の急務だといわれ続けてきました。にもかかわら
ず、諸外国に「食料の安全保障」を握られているわが国で、ほとん
どこの分野だけは「輸出国」に連なっているのが、この「フカヒ
レ」を筆頭とした海産物です。
そもそも近世、「江戸時代」のころから「明治維新」を経て、中
国との長崎貿易において、当初各種の輸入品の交換商品であった
「銅」の減産を埋め合わせた産品が、海産物であり、煎海鼠(ナマ
コ)、乾鮑、後に件の「鱶鰭」の「俵物三品」です。
この「乾物屋通り」では、ナマコやアワビ、ホタテ、ニボシ、そ
してフカヒレに原産地として日本の「地名」がみられ、「香港ナ
ビ」さんの「写真」にも、「宗谷」などの文字が見えますが、実際
に通りを散策していると「気仙沼」の鱶鰭、「吉浜」(大船渡市三
陸町) 産の乾鮑、「宗谷」産の「帆立貝柱」がその覇を競っており
ます。
勿論現代では、わが国の海産物輸出品(500億超円)の一位にあげられるのは「真珠」で、輸出総額の三分の一強を占めております。
「真珠」といえば、大陸では「海水」のみならず「淡水真珠」の養殖も盛んに行われており、「真円」にならないものなどは、各種の「珍珠膏」(パールクリーム)などに加工され、美肌に効能ありとてわが国のご婦人にも愛用されているとか。
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