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香港の治安を守り続けてきた香港警察の160年のあゆみを見に行ってみませんか

こんにちは! 香港ナビです。現在約700万人いるといわれている香港市民に対して香港警察官は2万7000人いるといわれています。香港の街をあるけば、かならずといっていいほど見かけるホンコンポリス。その起源から、警察官が実際に使用していた携帯品、歴史を写し取った写真の数々にくわえて、実際に検挙して回収した偽札の原板など、「警察」サイドの展示物のみならず、「犯罪」サイドの展示もあり、生々しく歴史を物語っている警隊博物館(警察博物館)をじっくりご紹介します。

警察博物館とは

この博物館は、多くの人に警察の歴史を知ってもらい、多方面にわたる警察の仕事への理解を深めたい。そしてその価値ある歴史を保存研究していくという使命を持ってオープンしました。1964年に「警察歴史記録委員会」というチームが結成され、少しずつ文化財を集め、1976年に湾仔(ワイチャイ)の警察総本部内に間借りする形でオープンしました。そこから一度商業ビルへ移転を経て、1988年に現在の地に移転オープン。現在の博物館は湾仔峡(ワンチャイギャップ)警察署を改装したもので、外観や廊下などにどことなく“映画で見た警察”な雰囲気が漂っています。約570平方メートルの敷地に、600点あまりの展示物が公開されています。
山の中腹にあるため、急な坂道を少々登らなくてはなりませんが、エントランスに着くと目の前には気持ちのいい緑が広がります。天気のいい日には香港島の南側の海を行きかう貨物船まで見渡すことができます。
また入り口横に展示されている大砲は、大埔(タイポー)警察で実際に使用されていたものです。

では、中へ入ってみましょう

香港警察は、世界的にも歴史が古くまた近代的な組織を持つ警察のひとつでした。1844年の香港警察の正式創設からの歴史を紹介している内部は、警察歴史展覧室、毒品(ドラッグ)展覧室、三合会展覧室の3室が現在公開中です。(もうひとつある現在の活動を紹介する展示室は臨時的に閉鎖されています。)

警察歴史展覧室

この博物館のメインとなる部屋です。銃や、サーベルなどのレプリカでなくすべて本物が展示されているだけあって、部屋に入った瞬間から重厚な空気が漂います。爆弾処理用の重機、機動隊の制服なども展示され、あまりの軽装備に当時はひたすら「身を挺した」職業であったことをうかがい知ることができます。
証拠品採取のための検査薬や器具、指紋照合に使われた顕微鏡など、鑑識業務に関する展示もあります。展示写真の中には、香港における指紋照合の技術を確立した伍博士のポートレートもありました。
押収された偽札、偽コイン、偽物の時計など。偽札は原版からその印刷機までが展示されています。

現在の技術からするとかなり稚拙さを感じますが、それでも当時の犯罪をリアルに見て取ることができ、じっと見入ってしまいます。
賭博の札や、「字花」というギャンブルの冊子、印刷機もそのままの形残っています。 賭博の札や、「字花」というギャンブルの冊子、印刷機もそのままの形残っています。

賭博の札や、「字花」というギャンブルの冊子、印刷機もそのままの形残っています。

こちらは「上水の虎」です。現在、香港と中国をつなぐKCR(九廣東鐵)の香港最後の駅となっている上水は、1900年代前半には野生の虎がまだうろつくような土地でした。この虎は人々の生活を脅かし続けた末、1915年、当時の上水地区を統括していた英国人警察官ブリングハムによって捕らえられたれ剥製となりました。
香港警察発足当時は、消防の仕事も兼ねていました。こちらは当時の「消防車」です。写真にもその様子が残っていますね。消防車後面に書かれている「C.P.S」は「セントラルポリスステーション」の略です。
室内の壁をぐるっと囲むように、数多くの写真が展示されています。その中から知ることできるのは、当時の警察は、イギリス、インド、中国の3つの国の人々から構成されていたということです。制服につける徽章のアルファベットでその出身国を表していました。
1951年、初めて婦人警察官が8人採用されました。そのうちのひとり高健美さんは、副督察(Sub Inspector)という地位にまで出世した、当時の女性としてはとてもめずらしいキャリアウーマンでした。
廊下には歴代の警視総監の名前の書かれたプレート、顔写真、歴代の制服、徽章やボタンなどが展示されています。 廊下には歴代の警視総監の名前の書かれたプレート、顔写真、歴代の制服、徽章やボタンなどが展示されています。

廊下には歴代の警視総監の名前の書かれたプレート、顔写真、歴代の制服、徽章やボタンなどが展示されています。

毒品展覧室

香港へ入ってくるドラッグ類の問題を提起、撲滅を提唱している展示室です。実際に使用され、確実にその使用者を蝕んだであろうドラッグやその器具たちは、ただ事実として整然と並べられているだけでザーッと鳥肌の立つものでした。「危険だ」「手を出すな」などのスローガンなどなくても、実物が多くを語りかけてくる展示室です。
豪華な細工が施されたパイプとそうでないもの。アヘン吸引にすら身分の違いがあったことがわかります。
ヘロインの塊や粉末。

その吸入のための道具など。

スプーン、レンゲ焼け焦げがとてもリアルに迫ってきます。
どのようにドラッグが香港へ持ち込まれるのか。写真と実物で解説しています。 どのようにドラッグが香港へ持ち込まれるのか。写真と実物で解説しています。

どのようにドラッグが香港へ持ち込まれるのか。写真と実物で解説しています。

廊下突き当たり左側には、ヘロイン精製工場を再現した別の小部屋もあります。あわせてご覧ください。 廊下突き当たり左側には、ヘロイン精製工場を再現した別の小部屋もあります。あわせてご覧ください。

廊下突き当たり左側には、ヘロイン精製工場を再現した別の小部屋もあります。あわせてご覧ください。

三合会展覧室

三合会とは、香港に拠点を置く実在する犯罪組織の総称です。いまだにその勢力は衰えることなく、世界的な規模に及ぶ組織もあり、根深い問題となっています。こちらにはその組織の源流から構成員の儀式のための祭壇、装束、武器などが展示されています。映画でしか見たことのない裏社会が現実のものとなって目の前にある…。展示室は証明が明るくあたっているはずなのに、なぜか暗い影に覆われたような気分になりました。
香港警察の悠久の歴史のみならず、現在も問題を抱えるダークサイドも展示しているところにまず驚きました。身近な存在である警察の時間の流れで追うことで、その仕事の内容や背景が理解できたように思えます。香港警察のエンブレムの頭頂部が王冠からバウヒニアの花に変わり、英語名から「ロイヤル」の表示が消えてまもなく10年。これからもその歴史を伝えていく警隊博物館はマニア以外の方にもぜひ見学していただきたい博物館です。以上、香港ナビがお伝えしました。

行き方・交通
15番のバスに乗ります。このバスはセントラル(中環)のエクスチェンジスクエア(交易広場)下にあるバスターミナルが始発で、ビクトリアピークに向かうものです。
途中、アドミラリティ(金鐘)MTR駅C1出口前、ワンチャイ(湾仔)のクイーンズロードイースト(皇后大道東)などからも乗車できます。運賃は、9.8香港ドルです。
Stubbs Road(司徒抜道)とPeak Road(山頂道)が交わるところが、「警隊博物館前」というバス停です。バス内に次のバス停が表示されますが、旧式のバスだと表示がないので、その場合は乗車時にバス運転手にここで降りたいと伝えておけば声をかけてくれます。
バス停を降りたら、少し道を戻るような形で左手のなだらかな坂を上ります。博物館の方向を指す青のプレートが途中にあります。
途中左に曲がると駐車場があり、そこには博物館のプレートが設置されています。その脇の小道を上っていくと博物館です。
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記事登録日:2006-10-16

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2006-10-16

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