漢方薬を中心に珍しい中国茶や翡翠まで、びっしりと商品が並ぶ店内はちょっとしたワンダーランド。時間を忘れて見入ってしまいそうです。
こんにちは、香港ナビです。今回ご紹介する「裕華 保健坊」は、香港ショッピングスポットとして外せない香港ローカル百貨店「裕華國貨」が漢方薬と中成薬を中心に販売する小型店舗。香港島2店舗、九龍4店舗、新界10店舗を展開しています。
中でも尖沙咀パークレーン店はネイザンロードに沿う「パークレーン・ショッパーズ・ボーレバード(柏麗購物大道/Park Lane Shoppers Boulevard)」のほぼ中央に位置し、旅行者にも利用しやすい店舗です。店内は小さいながらも中成薬の種類はとても多く、常備約700〜800種類の商品数。近くを通った時や、短時間でお買物を済ませたい時など、一度覗いてみてはいかがでしょうか?
お店までの道のり
MTR尖沙咀駅(徒歩約3分)と佐敦駅(徒歩約5分)のほぼ中央に位置し、観光では必ず通ると言っても過言ではないネイザンロード沿い、パークレーン・ショッパーズ・ボーレバード(柏麗購物大道/Park Lane Shoppers Boulevard)の大きく3つに分かれたブロックの2つ目に「裕華 保健坊」があります。
以前は百貨店だった店舗を縮小
2005年までは2フロア構成の中型百貨店だったパークレーン店ですが、近年の家賃高騰により百貨店から「裕華 保健坊(Health Cntre)」に形態を変え、店舗を縮小、2階部分にはナイキショップと家電量販店の豊澤(フォートレス)が入りました。昔の名残りとして1階店舗から2階へと続く階段と廊下が残っているため、そのスペースを活かしてスポーツ用品販売エリアがあります。
1階エリアは階段に向かって左側が漢方生薬、中成薬を中心としたエリア。向かって右側の半分が中国茶、半分が翡翠などの宝飾品エリアになります。
生薬コーナー
街中の生薬専門店と比べると少な目の商品数ではありますが、燕の巣、朝鮮人参、冬虫夏草などの超高級品からキクラゲ、クコの実などの比較的安価な中国スイーツやスープの材料になる商品もあります。
薬膳スープの材料が効能に合わせてまとめてある、裕華オリジナルブランドのパックもあります。
本格的に作ろうとする場合、材料を揃えるだけでも複雑で難しい薬膳スープですが、この「具材パック」を利用すると初心者でも簡単に薬膳スープを作れます。
お薬コーナー
有名どころを筆頭に、多種多様の商品が揃うお薬コーナー。パッケージに書かれている中国語を自分なりに解読しつつ、何に効くお薬なのかを想像するだけでも、かなり楽しいエリアです。
昔からの有名中成薬で幅広い年齢層の女性に人気なのが「白鳳丸」です。効能は主に「補血」で、血を補うと書かれるように女性特有の月経痛、PMS、冷え、むくみ、産後回復に良いとされています。最近では韓国女性が大量に購入していくそうです。
男性には同じ北京同仁堂から出ている「牛黄清心丸」が定番人気商品だそうです。「白鳳丸」同様に「牛黄清心丸」もその歴史は長く、各製薬会社から様々な「牛黄清心丸」が販売されていて、高額のものでは万単位のものもあるそうです。比較的手頃な価格の北京同仁堂の「牛黄清心丸」は初めて試される方にもオススメです。
高額な理由は貴重な生薬のひとつで牛の胆石である「牛黄」。気血の巡りを強力にアップする効能があり、体力回復、めまい、動悸、忘れっぽい、不眠、高血圧、耳鳴り、のぼせなど、仕事などによる疲れがたまり、元気を回復したいときに良いそうです。
喉が痛くなるたびにナビがお世話になる「京都念慈菴 蜜煉川貝琵琶膏」は、我家の常備薬です。京都念慈菴は1946年設立の香港ブランドで品質の良さで有名です。鎮咳、去痰の効能がある川貝(センバイ)や琵琶葉を始めとする有効成分がイガイガした喉を優しく緩和してくれます。水飴のような甘い味で癖がなく比較的誰でも飲みやすいお薬だと思います。
旅行中に喉の調子が悪くなったら、「蜜煉川貝琵琶膏」小分けタイプやのど飴タイプが活躍します。
最近、上腕の痛みが取れないので何が良いか聞いてみたら「正骨水」を勧められました。ナビは使ったことがないのですが、香港ではとても有名な塗り薬です。中薬成分が血流を良くして新陳代謝を促進させ、打ち身、捻挫、関節痛や骨折や筋肉の痙攣、痛みなどを抑えます。また、運動後の疲労回復にも良いそうです。同じ「正骨水」にもいくつか種類があり、悩んだのですが名前に惹かれて「極品 正骨水」を購入してみました。「お風呂に入れて浸かる」という使用方法も書いてあって少し驚きました。
透明と色つきの違いがある正骨水。
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正骨水ブランド、全ラインナップ。
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ほとんどが中国語(漢字)を使っているパッケージのため、全部中国製かと思いがちですが実は世界中からのお薬やサプリメントが。そして、中国薬=漢方薬でもありません。強い化学成分が入っているお薬(西薬)もあるので購入の際は成分表を確認したり、お店のスタッフに聞いてみてください。
お茶コーナー
小さいながらもかなりの品揃えがあるお茶コーナー。
パークレーン店も本店同様、普洱茶の品揃えが豊富です。普洱茶の品揃えが多い理由を聞いてみると、「何杯飲んでも胃に負担がないお茶なので、子供からお年寄りまで楽しんでいただけるからです」と説明していただきました。普洱茶は投資の対象にもなるほどの高額なものから、非常に安価なものまで、とても価格の幅が広い中国茶です。パークレーン店にも目を疑うような高価なお茶が並んでいました。
お茶の試飲
試飲した龍井紅茶。
茶藝コーナーがあるので、茶葉によってはお茶の試飲ができます。茶葉の専門スタッフは知識がとても豊富ですので、どのお茶を選べばいいのか悩んだ時は、お茶コーナー専門スタッフに聞いてみましょう。
今回は女性向きの中国紅茶を試飲させていただきました。紅茶と言えば「英国式紅茶」と思い込んでいたナビにとって初めての「中国式紅茶」です。
急須に移しますが、最初の1〜2回は飲まずに捨てます。
翡翠/宝飾品コーナー
中国人に人気のある翡翠やサンゴ、真珠などを中心とした宝飾品のコーナーがあります。普洱茶同様に店内の雰囲気からは想像できない高価なものも並びます。
ナビが気になったものは、お土産や自分用にもよさそうなラッキーアイテムを形取った翡翠のお守りです。取材日が年はじめだったこともあり今年の干支ごとラッキーアイテム一覧表が貼ってありました。
この表を参考に縁起のいいアイテムを選ぶのもいいですね。