香港でも珍しい本場北京の羊鍋。1961年から香港人に愛され続けている老舗。尖沙咀で最も古い北京料理レストランで本物の味を。
こんにちは、香港ナビです。北京料理と言えば、皆さん何を思い浮かべますか?北京ダック?焼き餃子?実はもう一つ北京料理で外せない料理、羊肉鍋(羊肉のしゃぶしゃぶ)もあるのです。
とても寒い北京では、昔から体が温まる羊の肉を好んで食べたと言われています。亜熱帯の香港で羊鍋というと、不釣り合いな気もしますが、がんがんに効いた冷房の中で、お鍋をするのは、ごく普通の光景。火鍋の専門店は香港にも数多くありますが、実は羊肉鍋が食べられるお店はありそうで、ほとんどないのです。今日は、そんな羊肉鍋不足の香港で、半世紀近く香港の羊肉ファンに支持され続けている北京料理の老舗、泰豊楼を皆さんにご紹介したいと思います。
駅からたったの2分
MTR尖沙咀駅東側から漆咸道南(Chatham Road South)まで、このエリアには親の代から続いている老舗レストランが点在しています。100%観光客向けのレストランとは一味違う本物の味が、地元客や香港リピーターに支持されているのです。KCR尖沙咀東駅ができ、ネイザンロードとこのエリアが地下の動く歩道でつながり、非常に便利になりました。
60年代のレストラン、シンプルな内装
ビルの1階がレストラン。グラウンドフロアには年代物の水墨画が贅沢に飾られています。
階段の踊り場に、ずらりと並べられた紹興酒。中は本当のお酒が入っているんですよ~。
ジャッキーチェンの酔拳を思い出すナビです。
お店のあちこちに飾られている額、中国の有名な格言かと思ったら、実は「北京填鴨」や「宮保明蝦」など、有名な北京料理の名前でした。
最近の中国料理店のテーブルクロスは白色が主流ですが、60年代はかわいらしいピンクのクロスを使ったところが多かったようです。その頃と変わらないスタイルを21世紀の今でも使い続けるのが、老舗の心意気。テーブルクロスの中央には、火鍋用に大きな穴が開いています。破れているわけではないので、安心してくださいね。
こちらはウィークデースペシャルメニュー。曜日ごとに特別価格になる料理があります。お店に行く日を決める時は、これをチェック!
お料理紹介
ではおまちかね、羊鍋や北京ダックなど人気メニューをご紹介しましょう!泰豊楼に入って既に40年、ベテランマネジャーの羅明さんに自慢の料理について説明してもらいました。
羊涮鍋
羊鍋で使うのはこの煙突つき特製お鍋。ガスではなく炭火で熱する本格派です。この煙突を少し開けて料理をするのが一般的。
スープはタケノコ、雪菜(キャベツの漬物)、乾燥エビから作ります。お鍋+スープ HK$40
薬味を自分でブレンドしてお好みの味で食べることができます。ゴマ醤、南乳、花ニラ、お酢、ヌックナム、砂糖、ラー油、ゴマ油、紹興酒、醤油、葱、香西の12種類もの薬味が用意されています。どのように組み合わせればいいかわからないときは、お店の人に作ってもらいましょう。
さぁ、お待ちかねのしゃぶしゃぶタイム。つけダレはたくさん薬味があってどれにしようか悩んでしまいますが、お好きな薬味をどんどん入れて食べてみましょう。とても薄くスライスされた羊肉は、柔らかくてジューシー。羊肉独特の臭みもなく、ふんわりとした食感がやみつきになりそうです。
香港で火鍋を食べたことがない人は、セットメニューを注文してみましょう。3~4人分でHK$588とお手頃な値段です。
北京ダック HK$160(半羽) / HK$260(1羽)
北京料理の老舗なので、もちろん北京ダックも自慢のメニューの一つです。1日20羽前後売れるという、こちらの北京ダック。重さが1キロもあり、かなり大ぶりですが、このサイズがこの店のスタンダードだそうです。女性だと6人でシェアしてやっと食べきれるかどうか、という量です。
こちらの北京ダックは、炭火で外側がカリカリになるまで焼いています。食べる時は、アヒルの皮、ネギ、赤味噌を少しずつ小麦粉でできた皮にのせていただきます。
一口食べると、アヒルの脂肪分が混ざったジューシーな肉汁が口いっぱいに広がります。今日だけはダイエットのことは忘れて、心いくまで北京ダックを楽しみましょう。
鴨骨湯(北京ダックを食べた後に残る身と骨を煮込んだスープ)と七彩鴨糸糸(アヒル肉の炒め物)はそれぞれHK$40追加で作ってくれます。他の店同様、北京ダックを注文する時は、事前予約が必要になるので、ご注意ください。北京ダックの食べ方の詳しくはこちら。
その他のメニュー
鉄板宮保爆明蝦 HK$110(小)
プリプリのエビと共に卵の味がおいしい一品。食欲をそそる酸味のあるソースと一緒にいただきます。ナビは今までこの料理を何度も食べたことがありますが、今回のエビが一番おいしかったです!
小籠包 (10個入り) HK$40
熱々の汁が透けて見えるほどの薄皮。おいしそう~!
金腿扒津白 HK$52(小)
天津白菜中華ハムの煮付け。こちらも野菜の定番料理ですよね。名前のとおり天津から輸入した甘みのある白菜を使用。中華ハムも贅沢に分厚くスライスされ、うれしい限り。塩味の強い中華ハムが白菜の甘味をうまく引き出し、シンプルながら味わい深いお料理です。
叉子焼餅 HK$28(4個)
ゴマの焼き餅。もちもちとしてしっかりとした食感があります。ポケットのようになっているので、中にお肉のそぼろや、炒肉末炸菜を詰めて食べます。
炒肉末炸菜 HK$52(小)
豚ミンチのザーサイ炒め。ゴマ餅かレタスに包んでいただきます。
砂鍋鶏飽翅 HK$600(5~6人用)
鮑翅(フカヒレの姿煮)、鶏半羽、中華ハム、クリアスープを鍋で3時間ぐらいじっくり煮込みます。フカヒレだけでも111gも入って、ボリューム満点です。6人でシェアをすると一人当たりたった100ドル(約1600円)、ずばりお得です。
杏仁豆腐 HK$30(小)
おなじみの中華スイーツ、杏仁豆腐。でも意外と香港で食べられるお店は限られているんですよ。豆腐のような寒天に杏仁シロップとフルーツが盛りつけられて、日本でもファンの方は多いはず。写真の杏仁豆腐は小サイズですが、量は多めです。つるんとしたのど越しは、夏バテ解消にもなりますよ。
※各メニュー、サイズがそれぞれ大、中、小があります。それぞれ8人、6人、4人ぐらいの分量が目安です。人数に合わせて注文してください。
いかがだったでしょうか?中国各地の料理が手軽に食べられる香港ならではのレストランです。広東料理や飲茶の次は、ぜひ北京料理にトライしてみてください。ご飯を食べ終わったら、ゆっくりと尖沙咀のプロムナードを散歩しながらホテルに帰ってみてはいかがですか?以上、香港ナビがお送りいたしました!