日本のメディアにも多数登場、話題のお茶屋さんは至って伝統的なお店。
こんにちは、香港ナビです。香港のお土産の代表格というと“お茶”を連想される方が多いと思います。この頃は、日本でも色々な種類の中国茶が手軽に購入できるようですが、まだまだ本場の豊富な種類の数にはかなわないかもしれません。今回は、老舗のお茶問屋でもありながら、落ち着いた店構えで、試飲をしながらゆっくりお茶選びのできる、旅行客に優しいお店をご紹介いたします。スカパーの旅チャンネルでも紹介されましたので、チェックされた方はもうご存知かもしれませんね。
1.ロケーション
香港島の上環(Sheung Wan)は、乾物類の卸問屋街で、街並みはローカル色いっぱい。中心地区とは違った面持ちです。その街並みによくマッチした、お店の看板。シンプルすぎて見過ごさないようにご注意。
2.店内は・・・
卸問屋さんとは思えない、ガラスケースと白と木目を基調にした店内で、明るくきれいな印象を受けました。落ち着いて、ゆっくり時間を掛けて選ぶことができる雰囲気です。
外から、店内の様子が一目でわかる全ガラス張りの玄関なので、気後れせず、中を覗いて見ることができますね。気軽にどうぞ、というオープンな感じも観光客にはうれしいです。
店内も、たくさんの種類のお茶が、きちんと小分けされて棚に陳列されています。試飲のスペースもオープンになっていて、気軽にお茶を試すことができそうです。お茶選びには最高の環境。
でも、やっぱり問屋さんらしく、大きな茶筒や、まとめ売りように包装済みのパッケージも目に付きます。しかし、これは骨董品のような茶筒ですね。
もちろん、茶器類も揃っています。お茶と一緒にひとつ、自分専用の小さめな急須や湯飲みはいかがでしょうか?
お店に入ると、日本語で歓迎してくださるのはスタッフのヴィナスさん。日本に2年半留学していたこともあるという彼女は、その流暢な日本語を買われてこちらで働いている、日本人顧客のためのスタッフなんです。これは、安心!ヴィナスさんが丁寧に説明しながら、試飲も担当してくれます。
3.オーナーご紹介
17歳からこの道一筋でいらっしゃる御歳74歳のご主人、林(ラム)さん。カクシャクとして、血色のよいその面持ちは、さしずめお茶のご意見番といったところでしょうか?1949年に潮州からご兄弟で香港に来られ、1955年にお店を創業されました。ただし、当時は自分でお茶を持って香港中のお店を行商に回るなど、軌道に乗るまでは相当のご苦労があったそうです。その後、1965年に現在の場所にお店を構え、今では東南アジア、ヨーロッパ、アメリカなどにも幅広く茶葉を輸出、2001年にはバンクーバーに移民されたお嬢さんが、支店を開くなど国際的にも幅広く事業を展開されています。また、口コミで評判が広がり、日本の雑誌やテレビなどのメディアに多数紹介されています。きめ細かなサービスと清潔感あふれる店内は、まさしく“優”の一文字で表現できる旅行客にぴったりなお店です。
4.お茶の種類
お茶葉の種類は、緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶と茶葉の加工法やその色などによって六種類に分類されます。青茶は、鉄観音、烏龍(ウーロン)茶、水仙などで、黒茶は、普洱(プーアール)茶ですね。そのほかにもジャスミンに代表される花茶など、もあります。こちらでは、こんな風にお茶の種類も一目でわかるようにサンプルもあって、いろいろ丁寧に教えていただけます。
お茶の概要がわかったら、実際に選んでみましょう。値段的には、100g$30くらいの手ごろなものから、75g$400の高級品までとても豊富。おみやげにする人のランクによって(!?)買い分けできます。
バラを加えて香りをさらに引き立てる飲み方をすれば、自宅用の多少安いお茶の葉も、高級感あふれる一味違ったグレードになること間違いなしです。
観光客にとても人気の商品はこちら、“工藝花茶”。お茶の葉が丸い珠のようになっていますが、ガラスのコップにいれてお湯を注ぐと、その珠が開いて中から美しい花が現れます。まるで、花火を思わせる仕組みです。花の種類も、そのデコレーションもさまざま。まさに“工藝”と言う名に相応しい見事な技。観て楽しむお茶です。こちらは“一見鐘情(Love at first sigh)”。さしずめ、“一目ぼれ”といったところでしょうか。100g$110(全ての種類)で、大体15個くらいあります。花茶は、美容にもいいんですって!女性へのおみやげには、もってこいです。
こちらでは、茶園から直接仕入れていらっしゃるので、焙煎済みのお茶葉が新鮮な状態で届きます。袋詰めもこちらでされているので、お店の奥での作業も忙しそうでした。量り売りの場合は、こんな感じでその場で量って詰めていただきます。素早い流れ作業は手馴れたもの!!
5.試飲させていただきました
本日は、林師匠直々に、お茶を入れていただきました。まさに長年の経験を感じさせる腕前をとくとご覧ください!
すでに、この前に一度お茶は湯通ししています。ウーロン茶などの青茶の場合、お湯の温度が100度くらいだと、濃度が濃く、85度だと薄くなるのだそうです。また、白茶は、75度くらいの低い温度で入れるのが一番おいしいんだそうです。うーん、勉強になりますね。
お湯をポットからそのまま注がず、一度他に移してからお茶葉に注ぐのも、お湯の温度を冷まして調節するためなのです。
そこから、さらに湯飲みに移していくので、入れたての段階ですでに飲みやすい温度になっているんです。ですので自分で冷ますこともなく、湯のみが熱くて持てないということもないのです。入れたてを、すぐいただくことができるこのすばらしさ!
いかがでしたか?こうやって、一度お店でじっくり教えていただきながら、味わってお茶選びをしてみると、次回から自分でお茶を選ぶ時の目安ができて選びやすくなりますよね?お茶は、見た目で、香りで、舌で、喉で、ゆったりと時間を掛けて愉しむもの。自分に合ったお茶の種類や銘柄が、きちんと持てるようになれたら嬉しいですね。以上、香港ナビがお伝えいたしました。