香港国際結婚のホンネ 第2回 「香港人男性に聞く!国際結婚の理想と現実 その1」

香港人との国際結婚のホンネに迫る企画第2弾。今回は日本人の奥さんを持つ香港人男性に、日本人女性の理想と現実について語っていただきました。

こんにちは、香港ナビです。香港国際結婚のホンネ 第1回では、香港人と結婚した日本人女性が日々感じる日本と香港のギャップについて語ってみました。今回は、日本人女性と結婚した香港人男性にアンケートの協力をお願いして、香港の男性から見た日本人女性との国際結婚の実態について調べてみました。今回アンケートに答えてくれたメンバーは、それぞれ在香港15年、10年、8年(2人)、7年、3年、1年(2人)の日本人女性8名と結婚した香港人男性の皆様です。女性と違って男性は多くを語らず、ほとんどの家庭で日本人奥さんが強引に(自分の都合のよいように)答えさせたようではありますが・・・さっそく結果を見てみましょう!

一番大切なことは食の習慣

香港人に好きな国や食べ物を聞いたら多くの人が、「日本」や「日本食」と答えるほど、香港人にとって日本は大好きな国のひとつ。日本人女性と結婚すれば、おのずと毎日の食事は和食中心。家の中に日本食レストランがあるようなものです。しかしながら、香港人と結婚した日本人女性に聞いてみると、自分がおいしいと思う和食の味と香港人の好きな「日式」の味には大きな隔たりがあり、なかなか難しいという意見もよく聞きます。自分たちがおいしいと思って作っているものでも、もしかしたら彼らは嫌々食べているのかも?まずは、香港人ダンナさんの「食」についての意見を聞いてみました。

日本人の奥さんが作る料理で一番好きなものは?
奥さんが作る手料理で一番好きなものを挙げてもらったところ、手巻き寿司、具だくさんの味噌汁、カレーライス、きんぴらごぼう、れんこんハンバーグ、納豆オムレツ(!)、オムライス、グラタンなどいろんなものが出てきました。中には手巻き寿司というものが含まれていますが、これは手料理と呼ぶのでしょうか?好きな料理にはさすがに人それぞれ好みがあるようで、子供が喜びそうなオムライスやカレーライスから、きんぴらごぼうやれんこんハンバーグなど大人な一品を好む人まで、実にさまざまです。しかも、納豆が好きだというダンナさんもいるようで、これには驚きですね。外国人相手ゆえに、料理の手抜きがバレる心配はなく、例えば、鶏のから揚げを食卓に出して、「まるでレストランのから揚げのようだ~!店を出したらどうか?(香港人は何でも商売にしたがる)」などと大絶賛を浴び、「日本人なら当たり前」と言いつつ、実は「○清から揚げ粉」を使っているということを秘密にしている嫁もいたりします。

日本人の奥さんが作る料理で一番苦手なものは?
これは、アンケートに答えてくれたダンナさん全員一致で「ない」のアンサー。大きな愛を感じます。食べたくないものはリクエストしない、というスタンスが基本なようですが、あえてダンナさんが苦手なものを出す嫁もいないわけで、当たり前といれば当たり前の結果ですかね。

好きな日本料理、日本の食材は何ですか?
ついでに奥さんが作る手料理ではなく、日本料理、日本の食材という大きなカテゴリーで好きなものを聞いてみました。答えは、焼き魚、大根サラダ、串焼き、お造り、寿司、しいたけ、日本米、味噌汁など。3人のダンナさんが好きだと答えたのが、「焼き魚」。香港では魚は蒸して食べるのが一般的ですが、日本風の焼き魚も大好きなようです。香港のガスコンロには焼き魚用のグリルがないので、おうちで作るのはちょっと手間がかかるかも。大根サラダというマニアックな人もいます。香港の大根と比べて日本の大根は甘味があっておいしいために、生で食べられる日本の大根が大好きなんだそうですよ。
苦手な日本料理、日本の食材は何ですか?
「苦手なものは、ない!」と言い切るダンナさんが半数、そして残りのダンナさんは皆さん「納豆」と答えていました。日本人でも好き嫌いが分かれる納豆ですが、香港人に限らず外国人には絶対に受け入れられない物体のようです(食品とは認められていません)。中には、納豆を扇風機の近くや風上で食べることを禁止する、納豆を食べた食器を洗ったスポンジで他の食器を洗うことを禁止する、など厳重に納豆が家庭内で隔離されているところもありました。

生まれも育ちも違いますから…毎日の生活について聞いてみました

愛してはいるけれど、どうしてもこれだけは勘弁して欲しい、毎日共に生活していれば、そんなことも出てくるはず。日本人同士の結婚でも、生まれ育った環境が違えば、相手の変わったクセや習慣(自分にとっては)に慣れるまで大変、という方も多いのでは?国際結婚とは、つまり異文化VS異文化の戦い!日本人の独特の習慣(性格)を彼らはどんな風に思っているんでしょうか?

足が痛くて仕方がないと不評な座卓。

足が痛くて仕方がないと不評な座卓。

日本人の奥さんの日常生活の習慣で、未だに慣れることができないことはありますか?
- すべてのことにシリアスすぎる。
- 何ごとにおいても計画的。前々から予定を決める。
- マンションの下のスーパーへ行くときにも化粧が必要。スッピン不可。
- 何事にも細かい。
- 何でも理由を知りたがる。
- 諦めることを知らない。しつこい。
- シャワーの時間が長く、水が無駄。
- 日本での床に直接座る食卓。足が痛いし、足のやり場に困る。
- どんなに暑くても冷房を使おうとしない。
- (寒い国から来たくせに)極度な寒がり。
- 音に敏感。静かさを異常なくらいに好む。

出るわ出るわ、香港人のダンナさんから見た日本人女性の不思議な習慣というより、性格。ほぼすべての家庭に共通して、「嫁は神経質気味である」と感じているようです。何でも「シーダンナー(どうでもいいじゃない)」で済ませようとする香港人男性に対し、「どうでもいいわけない!」と日本人女性は応戦。極端に違う国民性は決して交わることなく永遠に平行線をたどるのでしょうか。

日本人の奥さんと結婚して、「面倒くさいな…」と正直思うことはありますか?
- 細かいことを繰り返し、細かくガンガン突っ込んできたり、質問する。
- 自由がない。
- 酒が好き。酔っ払って帰って、からむ。
- 化粧をしないと外に出ようとしない。
- (自分は)日本語がわからないのに、構わずに日本語で話しかけてくる。
- 食後のゲップや口を開けてご飯を食べているとすごい勢いで怒られる。
- 「いただきます」、「ごちそうさま」を言い忘れると怒られる。
- お茶碗を口まで持っていってご飯をかき込むと怒られる。
- 肉の骨、魚の骨を食卓の上に吐き出すと怒られる。

先ほどのアンケート結果のとおり、日本人女性は彼らにとっては神経質ですが、それが相手の行動にも文句をつけ始めると、いつもはやさしいダンナさんも「面倒くさいな・・・」と辟易してしまいます。特に、「質問攻め」に対するウンザリ感は相当なようです。救急車が止まれば「何?何?何ごと?ちょっとあそこでずっと見てるオッサンに聞いてきてよ」、目新しいビルがあれば「何あれ?何の建物?」など「子供かオマエは?」と心の中で突っ込まれている日本人女性。また、食事のマナーが厳しくない香港なので、子供の頃から厳しく躾けられた日本人には耐え切れないダンナさんの行動が多く、それに対して注意をすると、やはり面倒くさいなと思ってしまうみたいですね。わかってはいるけど、どうしても見過ごせないのです。

夕飯の買い物は当たり前ですよ。

夕飯の買い物は当たり前ですよ。

家事は分担していますか?
専業主婦の家庭を除いて、すべての家庭でダンナさんと家事はほぼ半々の割合で分担しているようです(とダンナは思っている)。奥さんからしてみると、まだまだ自分のほうが家事をやっている!と突っ込みを入れたいところですが、頼めば快く掃除でも洗濯でも皿洗いでもしてくれるため、共働きの家庭では、ダンナさんが家事を嫌がらず手伝ってくれるのは、本当にありがたいですね。


国際結婚という響きは何だかステキですが、その裏には文化の違いによる戦いが日々繰り広げられています。神経質だとダンナさんには評されている日本人女性ですが、能天気で忍耐強い香港人のダンナさんのお陰で穏やかに楽しく過ごせているのかもしれませんね。次回は、日本人女性と結婚すると決めたときの香港人の親戚一同の反応、そして気になる言葉の壁などについて掘り下げてみたいと思います。お楽しみに!以上、香港ナビがお伝えいたしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-10-29

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