乾燥の季節にかかせない香港的摩訶不思議健康茶。西洋菜蜜、クレソンスイートティを作ろう!
みなさん!あけましておめでとうございます!そして旧正月もおめでとうございます!今年は旧正月が早かったので、香港はとてもあわただしい年末年始でした。やっと旧正月も明け、いよいよ2009年スタート!という気分になってきました。今年もよろしくおねがいいたします☆
さて、今年最初にご紹介するレシピは、日本人の私たちにとっては、とてもとても不思議な飲み物、西洋菜蜜ことクレソンスイートティです。そもそもクレソンがお茶?ってどういうこと?って思いますよね。日本だったらクレソンは料理の飾り、たま~にサラダに入っているくらいですもの。これをお茶にしてどうしろって言うの!!実は、クレソンと中華料理って結びつかないかもしれませんが、香港にはクレソンをた~っぷり使ったクレソンスープなるものが存在します。日本では少量で高い値段のつくクレソンですが、香港ではとってもポピュラーなお野菜で1束たっぷり買ってもとてもリーズナブル!スープに、鍋に、炒めものにとよく食べられているものです。ルッコラのようなごまの風味を持ったクレソンはそのまま食べても充分美味しいですし、さっと湯がいて温野菜サラダや、ごま和え、お浸しと和食にもとーっても合うのです。クレソンは香港の気候では冬のお野菜でこの時期とっても栄養価が高く味もよく、香港でも新界の畑で栽培されているほど香港では人気のお野菜。それを飲み物にしてしまうなんて、やっぱり漢方的思想から食材を見ると食べ方も変わるものですね。
冬の乾燥時、肺や肌、喉、腸を潤すお茶 それが西洋菜蜜
空気が乾燥し始める季節になるとこのクレソンスイートティが活躍します。漢方的にみるとクレソンには肌や腸を潤す効能があると言われ、クレソンスイートティを作る時はクレソン以外にいくつかの潤い漢方薬材が用いられ、相乗効果をもたらします。そのため、冬のこの時期に乾燥から身体を守るためにこのクレソンスイートティは香港人の知恵の飲み物だったのです。このクレソンスイートティ、実は茶餐廰の定番メニューなのですよ!
それでは材料の説明です
クレソン(西洋菜)
クレソンという呼び名はフランス語、英語ではウォータークレスと言います。日本語の正式名はオランダガラシ。ヨーロッパ中部原産のアブラナ科多年生草本で、繁殖力が旺盛で、茎から容易に発根。ヨーロッパでは昔から薬草として利用されていたそうです。ビタミンC、Eやカロチン、鉄分、カルシウム、ヨウ素、リンなどのミネラル多く含有しているので血液の酸化予防、貧血の予防に役立ちます。食物繊維は抗高血圧作用、ほかに利尿、解熱、皮膚の炎症、くる病、心臓虚弱、視力の衰え、強壮、産婦の乳の出をよくし、便通、利尿、黄疸、こしけ、リュウマチ、神経痛などにも効用があるといわれています。クレソンが持つ、辛味成分イソチオシアネートは食欲増進作用のほか、発ガン物質などを不活性化し解毒する作用のある酵素を増やす効果があります。
羅漢果
ウリ科の多年草つる性植物。生では苦味があるため、生食することはなく、天日で7日間干した後、とろ火で7~8昼夜あぶり果実の糖化を進めてゆきます。そのため羅漢果は砂糖の300-400倍の甘さがあると言われますが、羅漢果の甘さであるテルペングリコシド配糖体は、食物繊維の一つで、小腸で吸収されずに、大腸まで到達するためノンカロリー。糖尿病予防やダイエットに最適な甘味料として注目されています。ビタミンE(トコフェロール)、鉄、リン、マグネシウム、カルシウムなど、ミネラル分を豊富に含んでおり、フラボノイドも豊富で、抗酸化作用があり、便秘や下痢などの胃腸障害、抗がん剤の副作用を軽快、シミ・シワなどの皮膚の老化防止、咳や喉の荒れに優れた効果、高血圧・動脈硬化・心臓病の予防、白内障の予防、サビを取り除く物質を豊富に含んでいるそうです。漢方的には昔から咳止め、熱さまし、健胃整腸、利尿、便秘、高血圧などにもよく、新陳代謝の作用があるといわれています。
蜜棗
薬膳料理などに使われる赤い紅棗とはまた別のもので、生の時は青りんごをひとまわり小さくしたような大きさで、なしとりんごを掛け合わせたような食感を持つ、爽やかな甘さの果物として季節になると香港の街市で売られています。今日、使うのはこれを砂糖漬けにし乾燥させたもので、漢方薬局へ行くと購入することが出来ます。ドライフルーツとして食べることはなく、主にスープの甘み付けに用いられています。
蜜棗は蛋白質、糖分が豊富で、ビタミンCはレモンの10倍。血管のつまりをスムーズにしたり、血圧を下げたり、肺、胃腸を潤し、能滋補脾胃、平胃氣、養心、強腎補氣、活血に効果があるといわれています。
杏仁(南/北)
杏仁は南杏と北杏の2種類があり、南杏は粒が大きく甘みがあり、北杏は粒が小さく苦味と少量の毒性がありますが、(熱を加えると消えます)これが のどの炎症や咳止めに用いられる漢方の薬効生薬になります。また、肺や皮膚をうるおす効果が高いので美肌・養顔とされています。
作り方
1. クレソンはよく水で洗った後、15-30分ほど水につけておく
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2. 羅漢果は水で殻をよく洗ってから、半分に割る
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6. そのまま強火にかけ、水分が半分ほどになるまで20-30分加熱する
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7. このくらいになれば出来上がり!
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砂糖を加えなくても羅漢果や蜜棗から甘みが出ますが、もっと甘く飲みたいという方は、はちみつで調整してくださいね。また羅漢果の持つ独特の香りが気になる方は、羅漢果を加えず、蜜棗と黄氷糖で甘みをつけてください。また、豚肉を加えて、塩で調味すれば、美味しいスープになります。是非お試しを!
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記事登録日:2009-01-29