櫻井景子先生の香港レシピ教室 雑果椰汁西米露の巻

今回は香港スイーツの代表格、フルーツ入りタピオカココナツミルクです。

暑い暑い香港。7月に入ってから晴天の日が続いていますが、それに伴い気温もぐんと上がり、湿度はなんど連日70%を越え、ひどい日には100%近いことも!この湿度に慣れない日本人にとって湿気から来る体の疲れやダルさはつらいものです。これだけ暑くなると香港の街中でも、冷たいデザートを求める人が多くなります。体のためには夏でもあまり冷たいものを口にするのはよくないと考える香港の人たちも"こうも暑くては、手っ取り早く体を冷やしたい!"と甜品屋(デザート屋)さんに駆け込む若い人も多くいるのです。香港でもっとも人気なのは新鮮なフルーツをた~っぷり使って作るデザート。フルーツは水分補給にもいいし、ビタミンやミネラルもたっぷりなので、食後に食べる人もとても多いのです。

香港は世界中から新鮮なフルーツが集まってきているので、その種類も多種多様。それらをふんだんに使った香港のデザートは美容にもいいのです!また、香港デザートの特徴はデザートなのにあまり甘ったるくない。すっきりした軽い甘さ。だから食後なのにお茶碗どんぶり1杯でもすんなり食べられてしまうんですよね。

今月は、そんな暑い夏におうちで簡単に作る雑果椰汁西米露(フルーツ入りタピオカココナツミルク)をご紹介します。

では、まず前回同様使う食材の説明をいたします!

(香港度を高めるため香港の食材をご紹介しますが、 入手出来るもので作られてくださいね)

すいか(西瓜)
広東語では"さいぐわぁー"英語ではウォーターメロン。 香港では大きな丸いものもあれば、台湾産のフットボール状のものもあります。

すいかは約9割が水分で肝臓の妙薬とも言われています。体を冷やす効果があるので夏の暑い日や風邪で熱がある時に相応しい果実です。ビタミンAが特に豊富で、油脂類に溶けやすい脂溶性のビタミンの一つで、皮膚や粘膜を正常に保つ機能があります(風邪、白内障予防効果)。他にビタミンB1・B2・C・E、カルシウム・鉄・ブドウ糖、果糖、ショ糖など、還元糖でビタミンCの酸化や破壊を防ぐ力があります。酸味の方は、クエン酸やリンゴ酸、酒石酸などの有機酸が豊富で、カリウムが100g中に120mg含まれているため利尿作用がありむくみに効果があり、腎機能の衰えからくるむくみに絶大な効果を発揮するといわれています。またシトルリンという成分が含まれ、妊娠中のむくみを予防したり、血圧を下げる効果もあります。 他にもピコリン、リン酸などの、利尿を促す成分が豊富に含まれています。最近の研究では、白血球の働きを助け、ガンに対する免疫力があると言われています。冷やすと甘みが増すので15℃くらいに冷やして食べるとよいでしょう。
香港では街のいたるところでフレッシュフルーツをその場で絞って飲ませてくれる ジューススタンドが数多くあります。私も1日1杯必ず、立ち寄って飲んでいます。
香港では蜜瓜(まっぐわぁー)と 哈蜜瓜(はーまっぐわぁー)の2種類が多く流通しています。蜜瓜は日本でいうプリンスメロンのような青い果肉で口合蜜瓜は夕張メロンのようなオレンジの果肉です。すいか同様、甘味は日本のメロンと思って食べたらがっかりするほどさっぱりしています。
高温多日照を好むため、夏の5~8月頃が旬です。メロンの甘味成分は、ブドウ糖や果糖、ショ糖など、酸味は、クエン酸やリンゴ酸、酒石酸などの有機酸です。他、パントテン酸は、分解された脂質の代謝を調整して、コレステロール低減、脂肪蓄積防止効果があるといわれています。ミネラルとしては、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、ナトリウム、鉄が主なものです。中でも主成分はカリウムです。豊富に含まれるカリウムが体内の余分な塩分の排泄に役立ち、また90%を占める水分の利尿効果との相乗効果もあって、高血圧の予防や肥満防止に大変効果があります。糖質が即効性の高いエネルギー源になります。特にオレンジ色の果肉のものはカロチンが多く、果実の中でも含有量は群を抜いています。水溶性の食物繊維であるペクチンが多く含まれ、コレステロール値を下げる作用をし、また、アデニシンという物質の血液凝固を抑制するはたらきで血管がきれいに掃除され、脳卒中や動脈効果が予防されます。

ココナツミルク
紙パック入りのココナッツクリームがお薦めです。これはあの許留山でも使っているタイ産のココナツミルクです。おうちでも許留山と同じ味が作れるかも?? スーパーなどでは缶入りのものが一般に知られていますが、缶のものは缶の色や匂いが移っているものや分離しているものが多く、あまりお薦め出来ません。このココナッツクリームは香り、濃度、味とも非常に美味しく、料理にもデザートにもとってもよく合います。香港ではタイ食材店で購入可能。

そしておまけをもうひとつ、香港でもフレッシュな絞りたてココナツミルクの買えるお店があります。今日は特別にご紹介します!

成發椰子湾仔・交加街(Cross Street)
美味しーいココナッツミルクが飲みたい方は是非試してみて!店先にもココナッツがゴロゴロ飾ってあるので、それが目印。東南アジアの香辛料や調味料が揃います。ただし、フレッシュココナツミルクは日持ちがしないので、買ってきたらすぐ使い切ってくださいね。(要冷蔵-冷凍不可)

タピオカ
小さな粒を使います。 タピオカはキャッサバといわれるイモの根塊から製造したでんぷんです。キャッサバは中南米、東南アジア、ミクロネシアなどで生産され、サツマイモから甘味を取り除いたような淡泊な味。このキャッサバから作ったでんぷんは、タピオカの他、マニオクでんぷんなどとも呼ばれています。形状によって、フレーク、パール、シードの3種類があり、デザートに用いられるものの多くはタピオカパールです。乾燥したものを水に浸し、透明になるまでゆでるとモチモチした食感になります。漢方的効能としては、肺を養う食べ物とされています。咳をしやすい人や痰が絡みやすい人、また胃の弱い人や虚弱体質、消化不良を起こしやすい人にも適しています。

では、材料が揃ったところで早速つくってみましょう!

*レシピは1人で表示していますので、作る人数分をかけてください。 また、甘さも好みで調整してください。タピオカの量も好きな量にどうぞ!

*レシピは1人で表示していますので、作る人数分をかけてください。 また、甘さも好みで調整してください。タピオカの量も好きな量にどうぞ!

作り方
1. では、まずタピオカをもどします。 ボールにタピオカを入れて、お米を洗うように何度か水を替え、よく洗ってください。

1. では、まずタピオカをもどします。 ボールにタピオカを入れて、お米を洗うように何度か水を替え、よく洗ってください。

2. そのまま水をたっぷり入れ、10-15分ほど漬けておきます。

2. そのまま水をたっぷり入れ、10-15分ほど漬けておきます。

3. 鍋に湯を沸騰させ、ザルで水を切ったタピオカを入れゆでます。

3. 鍋に湯を沸騰させ、ザルで水を切ったタピオカを入れゆでます。

4. 2-3分加熱するとタピオカの周りが透明になってきます。

4. 2-3分加熱するとタピオカの周りが透明になってきます。

5. 中央の芯が少し残るくらいでザルに取り、水に放ちます。 5. 中央の芯が少し残るくらいでザルに取り、水に放ちます。 5. 中央の芯が少し残るくらいでザルに取り、水に放ちます。

5. 中央の芯が少し残るくらいでザルに取り、水に放ちます。

★ポイント!★
タピオカをゆですぎると煮溶けてしまいます。ゆですぎには注意。ゆでたらすぐ水に放さないとくっついてしまいます。少し芯があるくらいで引き上げても、余熱で熱が通るので大丈夫!
6. 鍋にココナツミルク、牛乳、グラニュー糖を入れ、火にかけます。
7. グラニュー糖が溶けたら、火からはずし、粗熱をとってから冷蔵庫で冷やします。

★ポイント!★

ココナツミルクはそのままだと青臭いので少し加熱すると臭みが和らぎます。
8. すいかとメロンをボール状にくりぬきます。 8. すいかとメロンをボール状にくりぬきます。 8. すいかとメロンをボール状にくりぬきます。

8. すいかとメロンをボール状にくりぬきます。

9. 冷えたココナツミルクにタピオカを加え混ぜ、器に盛ります。

9. 冷えたココナツミルクにタピオカを加え混ぜ、器に盛ります。

10. 最後にすいかとメロンを浮かべて出来上がり!

10. 最後にすいかとメロンを浮かべて出来上がり!

食後のデザートや、お子さんのおやつ、お客様をお招きした時など是非作ってみてくださいね。

雑果椰汁西米露は有名なスイーツのお店、「許留山」でも食べられます。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-08-09

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