櫻井景子先生の香港レシピ教室 白糖糕の巻

素朴なのに何故か忘れられないお菓子。香港人の懐かしの味、白糖糕(ホワイトシュガーケーキ)。


みなさん、こんにちは!気温が下がり、湿気も和らぎ、香港は秋らしくなってきました。日本ではこの季節は行楽日和、山のもみじなどきれいなのでしょうね。香港もまさに今が旅行にぴったりのシーズンです。街歩きには最高の季節ですよ!

さて、今月は前回に続いて「懐かしのお菓子シリーズ」です。今回ご紹介する「白糖糕」(ばーっ・とん・ごぉー)を実は私、在住13年めにして先日初めて口にしました。それまでは、その見た目とあまりにもシンプルな材料からなんとなく味が想像出来て、あまり積極的に食べたいという気持ちがこれまで生まれませんでした。しかし先日、来航13年めにして初めて食べてみたのです!すると、その不思議な食感と舌触り、なんとも言えないその美味しさに目覚めてしまい、今ではとても好きなお菓子のひとつになりました。

不思議な食感が忘れられない?!

庶糖糕  黒砂糖の香りと優しい甘さがやみつきになります!

庶糖糕  黒砂糖の香りと優しい甘さがやみつきになります!


この「白糖糕」は香港人にとって「昔、子供の頃よく食べたなあー」と思い起こす懐かしいお菓子だそうです。その発祥は明朝期の広東順徳。香港に伝わったのは、この「白糖糕」を発明した梁さんという方が香港に来て、屋台で売り出したところ、人気に火がついたそう。ずいぶん古くから伝わる伝統的な食べ物なのですね。

「白糖糕」の材料はシンプルだけれど、その作り方がとってもユニーク。お米の汁に砂糖を加えて時間をかけて発酵させたものを蒸します。軽く弾ける独特の弾力と控えめな甘さ、真っ白でキレイな気泡のスポンジ模様が特徴です。材料がシンプルなだけ、実は発酵具合や蒸すタイミングを極めるのはなかなか難しいお菓子。発酵しすぎると酸味が出てしまい、発酵が足りないとスポンジの高さが出ず、食感や弾力に影響が出てしまう。実は熟練した技が必要なのです。

本来でしたら、生米からお米の汁を作るのですが、今日は上新粉から作る作り方をご紹介します。レシピはグラニュー糖を使う白いものですが、このグラニュー糖を黒砂糖に変えれば、香りも甘さも色も異なる庶糖糕が出来ます。どちらも是非試してみてくださいね。

早速作ってみましょう!

材料(10X13cm型 2個分)
A
上新粉(粘米粉) ・・・・・・100g
グラニュー糖・・・・・・・・・・56g **黒砂糖でも可
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200ml

B
ドライイースト・・・・・・・・・小さじ1/2
ベーキングパウダー・・・小さじ1/4
ぬるま湯・・・・・・・・・・・・・小さじ2

作り方 


1 鍋にA:上新粉、グラニュー糖を入れ、少しづつ水を加えて溶かしてゆく。

2 ドライイーストとベーキングパウダーをぬるま湯に溶いておく。



3 鍋を弱火にかけ、木べらで常になべ底を混ぜながら、とろとろ状になるまで加熱する。

** ここで加熱しすぎると餅状になってしまうので、あくまでもとろとろをめざしてください。

こうなってしまったら失敗です・・・


4 温度が37度程度に下がってから、溶かしたドライイーストとベーキングパウダーを加えて混ぜる。


5 型に油を塗っておき、液を流しいれる。


6 そのままふきんをかぶせ発酵させる。

発酵時間-  
夏 6時間ほど   
秋 7-8時間ほど    
冬 10時間ほど
** 発酵させすぎると酸味が出て美味しく出来ないので注意です。


7 発酵が済んだら、沸騰したセイロに置き、25分ほど蒸す。

8 蒸しあがったら取り出し、完全に冷ましてから食べやすい大きさに切り分ける。

9 出来上がり~


常温のまま食べると柔らかくふわふわな食感、冷やして食べればぶりぶりな食感が楽しめます! 


実は、白糖糕はお菓子としてだけではなく、こんな風にお料理で食べることもあるんですよ。なんと子豚の丸焼きと一緒に食べます。これがとっても美味~

前回に引き続き、白糖糕はここで売ってます!


泰昌餅家
Tai Cheong Bakery Express

住所:灣仔莊士敦道74-80號地下2號舖
電話2528-6632

白糖糕はじめ、香港の伝統菓子がたくさん売られていますよ。
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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-10-21

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