【旧暦4月8日】 譚公寶誕巡遊

香港中から集まった獅子や龍が舞い、太鼓の音が響く活気いっぱいのお祭り。身近で体験できる伝統行事に行ってみました!

こんにちは、香港ナビです。5月に入って野外イベントに適した気候になってきた今日この頃。暑くもなく寒くもなく過ごしやすいこの季節、廟がある地域では、伝統的なお祭りが目白押しです。旧暦の3月23日(2008年は4月28日)は『天后誕』という海の女神の誕生日。4月8日(2008年は5月12日)は、『仏誕』といって仏様の誕生日であると共に、海の守護神『譚公』の誕生日でもあります。これらの誕生日の前後は、各々の神を祀った廟とその付近の町で、盛大な祭りが開催されます。中でも長洲島の『包山節(饅頭祭り)』は、規模の大きさとユニークさから観光客にも有名ですよね。今回は、同じ5月11、12日に行われた『譚公寶誕巡遊』の見学に行ってきました。市内に近いMTR港島線『箕湾(Shau Kei Wan)』駅の周辺なので気軽に行けて、香港の伝統行事もたっぷり楽しめます。

譚公寶誕とは?

香港は海に囲まれているため、海にまつわる神を祀る廟が各地に点在しています。『譚公』も海の守護神の一人で、主に中国華南地区(広東省や香港、マカオなど)で祀られています。『譚公』の誕生日と言われる旧暦の4月8日は、昔から漁業の繁栄と漁民の安全を祈って様々な儀式が行われていました。今でもその風習はいたるところで引き継がれ、中でも筲箕湾にある廟でのお祭りは規模が大きく、毎年たくさんの人で賑わいます。
『舞龍醒獅』と呼ばれる、おめでたい席には欠かせない龍や獅子の舞も、旧正月などに街で見かけるものより大掛かりなものが多く、街を練り歩きながら参拝に駆けつけます。
参拝の時は、人はもちろん龍も獅子も山車さえも、廟の前ではお辞儀をしなければなりません。 参拝の時は、人はもちろん龍も獅子も山車さえも、廟の前ではお辞儀をしなければなりません。

参拝の時は、人はもちろん龍も獅子も山車さえも、廟の前ではお辞儀をしなければなりません。

子豚や鶏の丸焼き、大きな線香などの供物も一緒に運んで行きます。 子豚や鶏の丸焼き、大きな線香などの供物も一緒に運んで行きます。

子豚や鶏の丸焼き、大きな線香などの供物も一緒に運んで行きます。

パレード開始!

筲箕湾区民の他に、40以上の龍や獅子舞の団体が参加して数百人規模のパレードとなりました。先頭は、譚公に扮した地元の子供が乗った籠です。その後ろには、人形に扮した3歳から5歳の子供たちを掲げて練り歩く『飄色』が続きます。これは40年ぶりに2006年より復活したもので、今年のテーマはやっぱり北京オリンピック。
赤や黄色のおめでたい色を基調とした山車も目を引きました。

■様々な獅子
日本の獅子は、顔が赤くて体が緑の唐草模様ですが、香港の獅子はカラフルで大きさも様々。主に赤、黒、黄色が『南獅』と呼ばれる中国南部に伝えられる獅子、角や龍などが額の中心にあるのも特徴です。舞の様式は、力強く激しい武術に近い感じです。もう一つの『北獅』は、中国の長江から北部で伝わったもので全身が黄色です。一般的に雄雌の一対で舞います。でも最近は、伝統や様式を超えて金や銀など派手な色合いを使ったものが流行りのようです。
こんな大きな獅子頭も出現!ちょっと口のあたりが鴨のくちばしのように出ているので、『鴨嘴獅』と呼ばれることもあります。

■麒麟

■龍
龍の舞は、日本でも中華街やテレビで見たことがある方も多いのでは?多人数での勇壮な舞は、迫力満点。しかも、龍の大きさが普段見るよりも大きいものばかり。
龍の動きを先導するのは、丸い『珠』を持った人です。龍は珠を求めて走ります。

龍の動きを先導するのは、丸い『珠』を持った人です。龍は珠を求めて走ります。

龍の動きを先導するのは、丸い『珠』を持った人です。龍は珠を求めて走ります。

口にくわえているのはネギ類の一種で、青い野菜は収穫に繋がり縁起が良いとされています。 口にくわえているのはネギ類の一種で、青い野菜は収穫に繋がり縁起が良いとされています。

口にくわえているのはネギ類の一種で、青い野菜は収穫に繋がり縁起が良いとされています。

龍の頭もそれぞれ個性があります。架空の動物だからこそ、それぞれに誇張するところが違うんでしょうね。 龍の頭もそれぞれ個性があります。架空の動物だからこそ、それぞれに誇張するところが違うんでしょうね。 龍の頭もそれぞれ個性があります。架空の動物だからこそ、それぞれに誇張するところが違うんでしょうね。

龍の頭もそれぞれ個性があります。架空の動物だからこそ、それぞれに誇張するところが違うんでしょうね。

子供のグループの龍は、やっぱりミニサイズ。

■太鼓
舞には太鼓やシンバル、銅鑼のリズムがつきもの。日本の太鼓は目の前に掲げて叩くこともありますが、こちらは下に打ち付ける太鼓です。

舞には太鼓やシンバル、銅鑼のリズムがつきもの。日本の太鼓は目の前に掲げて叩くこともありますが、こちらは下に打ち付ける太鼓です。

舞のスケールが大きければ大きいほど、太鼓の数や大きさも比例していきます。とにかく、このパレードを見ながらおしゃべりはちょっと無理ですね。

舞のスケールが大きければ大きいほど、太鼓の数や大きさも比例していきます。とにかく、このパレードを見ながらおしゃべりはちょっと無理ですね。

移動に合わせて、太鼓も運ばなければなりません。車のようなメタリックなものから、簡単な手押しのものまで、太鼓の台車も様々です 移動に合わせて、太鼓も運ばなければなりません。車のようなメタリックなものから、簡単な手押しのものまで、太鼓の台車も様々です 移動に合わせて、太鼓も運ばなければなりません。車のようなメタリックなものから、簡単な手押しのものまで、太鼓の台車も様々です

移動に合わせて、太鼓も運ばなければなりません。車のようなメタリックなものから、簡単な手押しのものまで、太鼓の台車も様々です


■旗
大漁旗のような大きな三角形の旗がたなびいています。それぞれの団体のカラーに合わせたカラフルな旗がいっぱい。まるで旗の数、大きさで競い合っている感じです。

■祭りの様子
大きな頭のユニークな中国人。これを被れば誰だって、面白くなること間違いなし!場を盛り上げるのにぴったり。
小さい獅子頭や中国人のお面が販売されていました。男の子もかっこいい獅子舞に魅了されたのか、おねだりしてお母さんに買ってもらいました。将来は、ここで舞ってほしいですよね。
通りには参拝の人向けにお守りや縁起物、運気の風向きを変える風車が売られていました。
とにかく、狭い通りは人で溢れ、パレードの人、見守る観衆とごった返していました。中国の伝統行事とあって、外国人の姿も多かったです。
参加団体が多くて、廟までのパレードは時間がかかります。途中で止まって先へ進むことができない待ち時間には、ふっと疲れが襲ってくるものですよね。ご苦労様です!!

特設会場でのパフォーマンス

特設ステージでは、中国マジックや中国舞踊、楽器の演奏や広東オペラなどが上演されました。

特設ステージでは、中国マジックや中国舞踊、楽器の演奏や広東オペラなどが上演されました。

中国伝統のお菓子『龍鬚糖』や『麵粉公仔』と呼ばれる動物や人形の形をしたお菓子もその場で作っていました。

中国伝統のお菓子『龍鬚糖』や『麵粉公仔』と呼ばれる動物や人形の形をしたお菓子もその場で作っていました。

『高青獅』は、獅子舞の中でも高度なテクニックが必要とされる曲芸に近いものです。高く建てられた『梅花椿』の上を飛んだり跳ねたりして動き回る、迫力のパフォーマンスに、思わず観客からも歓声が上がっていました。

いかがでしたか?香港は現代的な大都会というイメージが強いのですが、日常生活の中では伝統的な風習や慣習に従っている部分がまだまだ残っているんですよ。皆さんも、次回香港に来る時は、イベントスケジュールをチェックして、年に一度、その時期にしか体験できない伝統行事に参加してみてください。以上香港ナビがお伝えいたしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-05-15

ページTOPへ▲

その他の記事を見る