2009年アジアン・フィルム・アワード(AFA)

作品賞に『トウキョウソナタ』、主演男優賞に本木雅弘、監督賞に是枝裕和の頭上に輝くなど、日本映画が主役となった第3回のAFA。

こんにちは。香港ナビです。アジアナンバーワンの映画を決めようというアジアン・フィルム・アワードが3月23日に香港会議展覧中心(コンベンション&エキシビションセンター)で行われました。この映画賞も3回目を迎え定着しつつあります。また、主催者側も慣れてきたせいか、運営面が良くなっている印象があります。

この時期の香港は、映画三昧ができる季節で、『香港国際映画祭』のほか、香港のアカデミー賞にあたる『香港電影金像奨』が4月にありますし、映画、テレビ関係者によって映画の配給などの商談を行う『フィルマート』など様々な映画関連イベントが開催されています。こういうことができるのは香港政府の政策の一環として行われているからで、世界に名だたる香港映画界を産業として世界にさらにアピールして行こうというのが感じられます。

今年はミシェル・ヨーが審査委員長

美しい緑のドレスに身を包んだミシェル

美しい緑のドレスに身を包んだミシェル




今年も日本、香港、中国、台湾、韓国、タイ、カザフスタン、インドネシア、インド、フィリピンと様々な国・地域からノミネートされています。今回の審査委員長を務めるのは、欧米で一番有名なアジア人女優と言っていいでしょう、元ボンドガールの楊紫瓊(ミシェル・ヨー)です。最も、セレモニーでのあいさつで「非常に名誉な役だけど、二度とやりたくない。ノミネートされたアジアの素晴らしい映画をさらに厳選しなければならないから…」と語って会場の笑いを誘っていましたが、それはたぶん本音でしょう。

モックン、なんとか間に合う

セレモニーの前のレッドカーペットですが、今年はちょっとしたアクシデントがありました。23日の朝、成田空港で発生した貨物機のフェデラル・エクスプレスの事故により、本木 雅弘が搭乗予定のフライトがキャンセル。なんとか代替機に乗って香港に到着したのはレッドカーペットがほぼ終わった午後8時。残念ながら赤いじゅうたんの上を歩くことができませんでした。幸い、式の開始が45分遅れたということもあり、表彰される頃には間に合いました。このため、主催者側もセレモニーの受賞スケジュールを入れ替えて、式典に参加できるようにしたようです。

セレブたちのファッションチェック!

驚いたのはイ・ビョンホンを応援する日本人のおばさまを中心としたファンがたくさんいたこと。まだまだ韓流ブームは続くといったところでしょうか?では、セレブのファッションをご覧ください。
ポスターでアピールするイ・ビョンホンのファンたち。

ポスターでアピールするイ・ビョンホンのファンたち。

松山ケンイチのファンもいました。

松山ケンイチのファンもいました。

日本人にもおなじみ徐若瑄(ビビアン・スー)は、数日前は沖縄にいました。

日本人にもおなじみ徐若瑄(ビビアン・スー)は、数日前は沖縄にいました。

ビビアンが莫文蔚(カレン・モク)から略奪愛をしたのではないかと噂された馮徳倫(スティーブン・フォン)。

ビビアンが莫文蔚(カレン・モク)から略奪愛をしたのではないかと噂された馮徳倫(スティーブン・フォン)。

そのスティーブンと一緒にプレゼンターを式典で務めたのが張静初(チャン・ジンチュー:左)。 そのスティーブンと一緒にプレゼンターを式典で務めたのが張静初(チャン・ジンチュー:左)。

そのスティーブンと一緒にプレゼンターを式典で務めたのが張静初(チャン・ジンチュー:左)。

有名芸能人が続々とレッドカーペットに現れます。 有名芸能人が続々とレッドカーペットに現れます。

有名芸能人が続々とレッドカーペットに現れます。

キム・ジヨン(左)をエスコートするのは張家輝(ニック・チョン)。

キム・ジヨン(左)をエスコートするのは張家輝(ニック・チョン)。

台湾を代表する歌手・俳優といえばこの人任賢齊(リッチー・レン)。

台湾を代表する歌手・俳優といえばこの人任賢齊(リッチー・レン)。

側田(ジャスティン・ロー:左)はタキシードを着てもトレードマークの帽子は脱ぎません。

側田(ジャスティン・ロー:左)はタキシードを着てもトレードマークの帽子は脱ぎません。

「AFAに参加するのは初めて」という梁詠琪(ジジ・リョン)はサルバトーレ・フェラガモを身にまといました。

「AFAに参加するのは初めて」という梁詠琪(ジジ・リョン)はサルバトーレ・フェラガモを身にまといました。

今の中国で美人といえばこの人、范冰冰(ファン・ビンビン)はグッチのドレス。

今の中国で美人といえばこの人、范冰冰(ファン・ビンビン)はグッチのドレス。

香港のパーマネントビザを取得した周迅(ジョウ・シュン)。

香港のパーマネントビザを取得した周迅(ジョウ・シュン)。

報道陣の人気を集めていたのが周麗琪(ニキ・チョウ)です。

監督陣も豪華

AFAに参加した監督のメンバーも豪華でした。中でも『プラトーン』『JFK』などで有名なオリバー・ストーンは「アジア映画とコラボレーションをすることを視野に入れたい」とアジア映画を評価していました。レッドカーペット参加できた日本人と合わせて、華やかな模様を写真でご紹介します。
オリバー・ストーンは存在感抜群でした。

オリバー・ストーンは存在感抜群でした。

徐克(ツイ・ハーク)夫妻はアジア映画に貢献したということで特別表彰を受けました。

徐克(ツイ・ハーク)夫妻はアジア映画に貢献したということで特別表彰を受けました。

日本で大ヒットした『レッドクリフ』の呉宇森(ジョン・ウー)。

日本で大ヒットした『レッドクリフ』の呉宇森(ジョン・ウー)。

三谷幸喜はレッドカーペットでもなんとなく笑いを取っていました。

三谷幸喜はレッドカーペットでもなんとなく笑いを取っていました。

深津絵里は主演女優賞にノミネートされました。

深津絵里は主演女優賞にノミネートされました。

台湾で映画タイトルを総ナメにした『海角7号』に主演した田中千絵は、流暢な普通話で受け答えをしていました。

台湾で映画タイトルを総ナメにした『海角7号』に主演した田中千絵は、流暢な普通話で受け答えをしていました。

松山ケンイチは「こんなに人がいるところにあまり来ないので緊張しています」
チョン・ウソンのスーツ姿…決まっています。

チョン・ウソンのスーツ姿…決まっています。

中華圏の映画で有名外国人カメラマンといえばこの人、クリストファー・ドイル。

中華圏の映画で有名外国人カメラマンといえばこの人、クリストファー・ドイル。

日本の作品が5冠

◆作品賞=『トウキョウソナタ』:黒沢清
◆最優秀監督賞=是枝裕和:『歩いても 歩いても』
◆主演男優賞=本木雅弘:『おくりびと』
◆主演女優賞=周迅(ジョウ・シュン、香港):『愛失償』(中国)
◆助演男優賞=チョン・ウソン(韓国):『The Good, the Bad, the Weird』(韓国)
◆助演女優賞=ジーナ・パレノ(フィリピン):『Service』(フィリピン)
◆脚本賞=黒沢清、マックス・マニックス、田中幸子:『トウキョウソナタ』
◆オリジナル音楽賞=久石譲:『崖の上のポニョ』


昨年は韓国の作品が主要部門を受賞したのですが、今年は日本の年でした。2冠に輝いた黒沢監督は作品賞のスピーチで「Huge Surprised(とても驚いた)」と第一声。「3年前にこの映画のプロジェクトを始めた。そして3年後の今、花を咲かせることができ幸せな気分です」と喜びを語っていました。
<center>側田(左)とエイベックス一押しの中国人歌手、alanが歌のパフォーマンス。</center> <center>側田(左)とエイベックス一押しの中国人歌手、alanが歌のパフォーマンス。</center>

側田(左)とエイベックス一押しの中国人歌手、alanが歌のパフォーマンス。

京劇と広東ポップのコラボという新しい歌も披露されました。
流暢な英語でスピーチをしたチョン・ウソン。プレゼンターだった三谷監督から受賞の名前を受けたが「発音、間違えられちゃった」苦笑い。
「世界、アジアの映画人と一緒になれたことに感謝します。天国の両親にもささげたい」と喜びを語った、是枝監督。
周迅は監督や俳優から一緒に仕事をしたい人の上位にいつも挙げられます。
宮崎作品の音楽といえば久石譲。「成田空港の事故でどうなることかと思いましたが、30分前に着きました。私は日本の作曲家ですが、アジアの作曲家でもあります」と話して観客の拍手を受けていたのが印象的でした。
表彰式にはぎりぎりで出席できた本木雅弘はスピーチでスタッフにまず感謝の言葉。そして、「成田空港での事故がありましたけど、なんとか間に合いました。このような賞をいただいて驚いています」とコメント。香港を代表する俳優、梁朝偉(トニー・レオン)とぜひ共演したいとも話していました。
<center>会場内での『トウキョウソナタ』の紹介(左)と「世界の監督と会えるので興奮しています」とレッドカーペットで話していた黒沢監督。</center> <center>会場内での『トウキョウソナタ』の紹介(左)と「世界の監督と会えるので興奮しています」とレッドカーペットで話していた黒沢監督。</center>

会場内での『トウキョウソナタ』の紹介(左)と「世界の監督と会えるので興奮しています」とレッドカーペットで話していた黒沢監督。


いかがでしたか? 香港の新聞も“日本映画が映画賞を独占”というような見出しがたつほど。以上、来年もぜひ映画賞を圧勝することを願っている香港ナビがお伝えしました。

その他情報

記事内一部写真はAFA提供写真

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-03-27

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