大迫力 ! 中秋節の大イベント、『舞火龍』

中秋節の一大イベント、大坑の舞火龍(ファイヤー・ドラゴンダンス)。2017年は10月3~6日に開催されます。全長67メートルもの火の龍が舞い踊る姿は圧巻。

中国全土の第3回無形文化遺産の一覧にも選ばれている大坑の舞火龍(ファイヤー・ドラゴン・ダンス)。1年に1度中秋節の3晩だけ行われる香港を代表する祭りで、大きな龍が火をまといながら踊るという大変見ごたえがあるものです。

この舞火龍(ファイヤー・ドラゴン・ダンス)が始まったのは約100年前といわれています。
香港政府観光局のページでは、舞火龍について、このように紹介されています。 『漁業と農業の地域社会であった大杭に台風が直撃し、これに続いて疫病が流行り、大蛇が村の家畜を飲み込んだとき、村人たちはもうたくさんだと言いました。ある占い師が、「災いを止める唯一の方法は、間もなく訪れる中秋節に3日3晩火の舞を続けることだ」と断言しました。村人たちは藁で大きな龍を作り、線火でこれを覆い、火を付けました。太鼓打ちと爆竹を合わせて、村人たちは占い師から言われたとおりに3日3晩踊り続けました。すると疫病がなくなったのです。大坑では今も地元民による火龍を祭る伝統行事が行われています。火の中、煙の中を荒れ狂う火龍の祭りは3日間行われます。 』 (以上、香港観光局のホームぺージより抜粋)。

時は流れても今でも変わらずに続いている風習をナビが見てきました!
メイン会場の入り口の様子

メイン会場の入り口の様子

2017年の大坑の舞火龍(ファイヤー・ドラゴン・ダンス)が行われるのは、10月3日(火)~6日(金)、夜8時15分~10時半です。(4日は夜10時45分より近隣のビクトリア・パークに場所を移してショーが行われ、最終日の6日は夜10時で終了。ショーの時間や場所などは、別途 香港政府観光局などのホームページで確認をしてからお出かけになってください)。
場所は大坑地区ですが、メイン会場は『浣紗街(Wun Sha Street)』周辺となります。
当日は交通規制が行われ、非常に多くの人が火龍の舞いを一目見ようと訪れますので、行こうと思われる方は 時間に余裕を持って行動をしたり場所を確保するのが良いと思います。
大坑の街の入り口には大きなランタンの飾りが出ていました。

大坑の街の入り口には大きなランタンの飾りが出ていました。

ナビが会場についたのは開演の約1時間前。それでも多くの人が既に龍の登場を待ち焦がれていました。

ナビが会場についたのは開演の約1時間前。それでも多くの人が既に龍の登場を待ち焦がれていました。

パフォーマンスが始まるまでは、誇らしげにランタンのついた棒を持つ男の子や、真っ赤な中国服に身を包んで蓮の花のランタンを持った可愛らしい女の子がメイン会場を取り囲み、祭りが始まるまでの時間 目を楽しませてくれます。この地域の子ども達にとっても舞火龍の祭りは年1度の重要な晴れ舞台なのでしょうね。

いよいよ火龍の登場です!

時間になると、太鼓やシンバルの大きな伴奏の音と共に火龍がやってきます。火龍を動かす人びと、観客やセキュリティーが入り混じり、一瞬で物凄い熱気に包まれていくのがわかります。
この火龍は、体長が約67メートルもあり、身体は31の節にわかれていて 多くの人により動かされています。龍の頭の部分だけでも重さは48キロもあるとの事で、顔の目の部分からは暗闇を突き抜ける、真っ直ぐで鋭い光線がでています。
龍の頭や身体には無数の数えきれないほどの 線香が挿してあり、線香の火が燃え盛る中 龍が激しい動きをするため、火花が散り煙が周辺一体にたちこめます。それはもう迫力満点、見ごたえがあります。
火龍は浣紗街のメイン会場や、大坑の街の中を太鼓の音にあわせながら駆け巡ります。頭や身体、尻尾を動かす度に観客にまで火花が飛んできたり煙が立ち上り、その熱気に驚きながらものめり込んでしまいます。火龍は重く動かすのは大変に違いないのですが その動きは早く、目の前にきてもあっという間に駆け抜けてしまいます。でもどうぞご心配なく! 約2時間の間、火龍は街を踊り巡りますので、鑑賞できるチャンスは何度かあるはずですよ。
暫く踊って線香が燃え尽きてくると、メイン会場近くで火龍のお化粧直しが行われます。身体に刺さった線香が全て取り除かれ、いったん裸になった後、新たに線香を刺していき龍が甦ります。
 
胴体から線香が取り除かれていきます。

胴体から線香が取り除かれていきます。

線香がなくなり、裸になった胴体。

線香がなくなり、裸になった胴体。

龍の頭からも線香がなくなりました。目から光線が出て、大きな口がむき出しになり、怖いですね。

龍の頭からも線香がなくなりました。目から光線が出て、大きな口がむき出しになり、怖いですね。

そして、頭には新しい線香を刺していきます。

そして、頭には新しい線香を刺していきます。

皆で協力をして次つぎと線香を刺す様子。

皆で協力をして次つぎと線香を刺す様子。

だいぶ新しい龍頭が出来上がってきましたね。

だいぶ新しい龍頭が出来上がってきましたね。

胴体にも線香を刺していきます。

胴体にも線香を刺していきます。

新しい線香で生まれ変わりました。

新しい線香で生まれ変わりました。

線香を身に纏うと、火龍は更に火花を散らしながら踊り狂います。夜がふけて暗くなってきた中、舞い散る赤い火花は美しくもあり怖くもあり・・・・、これぞ火龍といわれる所以だと思いました。

燃え上がる尻尾を地面に打ち付けています

燃え上がる尻尾を地面に打ち付けています

こちらは龍頭の様子

こちらは龍頭の様子

長い胴体も線香で光っています

長い胴体も線香で光っています

火龍の尻尾。激しく動かす度に、線香についた新しい火がどんどん大きく燃えて火花が散っています。

火龍の尻尾。激しく動かす度に、線香についた新しい火がどんどん大きく燃えて火花が散っています。

パフォーマンスの終わりに近くなると、龍は胴体を激しくねじったり、地面に龍尾をぶつけたりして、より激しく舞い、観客を沸かせます。そうして、パフォーマンスはクライマックスへ向かいます。 この頃には演者も観客も汗だくで凄い熱気に包まれています。
重い龍を持ち上げ左右や上下に激しく揺らし踊る様子。龍が揺れるたびに火の粉が舞い散ります。 重い龍を持ち上げ左右や上下に激しく揺らし踊る様子。龍が揺れるたびに火の粉が舞い散ります。

重い龍を持ち上げ左右や上下に激しく揺らし踊る様子。龍が揺れるたびに火の粉が舞い散ります。


火龍を動かすのは、下は16歳から上は80歳まで、約300人にものぼる人々ということです。ナビが見ていると火龍を動かす中には外国人の姿もありました。多くの人々が一体になり、生きている龍さながらの動きや迫力が表現されているのですね。
都会っ子が多い香港だと思っていましたが、伝統と歴史ある熱い祭りを受け継いでいる大坑の人々の気持ちや素晴らしい文化を目の当たりにし、更に香港が好きになったナビです。

パフォーマンスの最後の方。

パフォーマンスの最後の方。

子どもたちも会場を歩き、観客に手を振り別れを告げます。

子どもたちも会場を歩き、観客に手を振り別れを告げます。

女の子たちの服やランタンが、本当に可愛らしかったです。

女の子たちの服やランタンが、本当に可愛らしかったです。

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中秋節はランタンや月餅だけではありません。この中秋節の間に香港を訪れる機会があれば、ぜひ舞火龍という素晴らしい文化を見にきてください。きっと、香港の魅力を再発見する事と思います。 過去の舞火龍の記事もこちらからどうぞ!
以上 香港ナビがお伝えしました!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2017-10-04

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