櫻井景子先生の香港レシピ教室 紅豆沙の巻

さあ、第3回は紅豆沙(香港式あずきのおしるこ)のレシピです。

こんにちは!6月を控え香港はすでにすっかり夏です。前回の香港式フレンチトーストはいかがでしたか?食べ過ぎて太っちゃった~なんて方いませんか?是非ほどほどにお願いします。さて、今日はちょっと健康を考えたデザートを紹介します。この湿気が多くなる時期、”あ~だるいなあー”とか”ちょっと体調が優れないなあ~”なんてことありませんか?香港では身体が湿気を溜め込むとむくみや疲れを感じやすくなるといわれ、そのために”去湿”といって身体に溜まった湿気を取り除くお茶(涼茶舗で飲めます)や漢方医に見てもらい身体に合った薬を処方してもらい煎じて飲むという習慣があります。
これが行きつけの中医(漢方医)のところで煎じてもらった漢方茶。左の紙は処方箋。
この漢方茶は苦酸っぱくてなかなか飲みにくいのですが、効き目はバツグン!
今日ご紹介するあずきしるこを始め、誰にでも簡単に食べることが出来るよう漢方を甘く飲みやすくしたものを”糖水”と呼んでいます。
さすが医食同源の香港。おいしく食べてこの湿気を取り除くにふさわしいデザートがあるのです。それが”紅豆沙”あずきで作るさらさらしたしるこです。香港でこの”紅豆沙”を召し上がったことのある方はお分かりだと思うのですが、日本のおしること比べて甘さが少なく、とろみがなくさらさらしているのが特徴です。そして、何かしら柑橘系のすーっする味を感じませんか?そう、”紅豆沙”には干しみかんの皮・陳皮が入っているのです。”紅豆沙”を漢方的な視点から見ると、実に身体にいいデザートなのです。

香港のデザートは甘さが控えめなので、女性ばかりではなく、男性も大好きです。そして何故か香港のデザート屋さんは夜遅い時間に混み合うのです。甘さを楽しむだけではなく、身体に必要な効能を持ったデザート選びを香港人は密かにしているのです。湿気が多くなって身体がだるいなあ~と思ったら、是非”紅豆沙”を作って食べてみてくださいね。

では、まず前回同様使う食材の説明をいたします!

(香港度を高めるため香港の食材をご紹介しますが、入手出来るもので作られてくださいね)

紅豆
あずきのことを”紅豆”といいます。ちなみに香港で”赤小豆”はささげのこと。
ビタミンB,たんぱく質、リン、カルシウム、鉄が豊富で、
身体の中の湿気を取り除き、利水作用がある浮腫み解消に有効。

陳皮(干しみかんの皮)
新會柑という柑橘の皮を干したもの。5年ものから価値がつくといわれ、15年や20年ものになると大変高価な値がつきます。胃を健やかにに、咳を鎮め、吐き気を止め、食欲不振、胃脹、下痢、咳嗽の治療に有効。

黄氷糖
ミネラル分が残った結晶の氷砂糖。自然な柔らかい優しい甘さが特徴で清熱、解毒作用があるといわれています。

ココナツミルク
缶入りのものは分離していたり、缶の色や匂いがついているものが多いのでこのような紙パックのものをおすすめします。
タイ産のものはさらさらした液体で、インドネシア、マレーシア、シンガポール産のものはクリーム状なので、使う時に注意してください。

作り方

1. あずきは水できれいに洗った後、たっぷりの水に2時間ほどつけておきます

1. あずきは水できれいに洗った後、たっぷりの水に2時間ほどつけておきます

2. 陳皮は水できれいに洗った後、かぶる程度の水に5分ほどつけておきます

2. 陳皮は水できれいに洗った後、かぶる程度の水に5分ほどつけておきます

3. 柔らかくなった陳皮の白い渋皮の部分を軽くナイフの刃で取っておきます

3. 柔らかくなった陳皮の白い渋皮の部分を軽くナイフの刃で取っておきます

4. 鍋に浸したあずきと水を入れ火にかけます

4. 鍋に浸したあずきと水を入れ火にかけます

5. 約1時間ほど火にかけ、あずきが柔らかく煮えたら陳皮を加え、引き続き加熱します
** 途中、水分が足りなくなったら水を足してください。

5. 約1時間ほど火にかけ、あずきが柔らかく煮えたら陳皮を加え、引き続き加熱します ** 途中、水分が足りなくなったら水を足してください。

6. 30分ほど加熱して陳皮の香りをおしるこに移します

6. 30分ほど加熱して陳皮の香りをおしるこに移します

7. 仕上げに黄氷糖で甘みを整えます

7. 仕上げに黄氷糖で甘みを整えます

8. 好みでココナツミルク(またはエバミルク)を加える

8. 好みでココナツミルク(またはエバミルク)を加える

9. 器に盛り付けて出来上がり!

9. 器に盛り付けて出来上がり!

紅豆沙はこんなところで食べることが出来ます!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-05-26

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