櫻井景子先生の香港レシピ教室 蝦干の巻

香港食材を味わって、ロハスな香港を楽しもう!香港特産干し海老「蝦干」を極めよう!



こんにちは!日本ではお取り寄せがブームですね。香港は狭いので、わざわざ郵便でお取り寄せするというビジネスは難しい土地柄ですが、スローフードやロハスの考えもじわじわ浸透している香港で、最近は香港産の食材に注目する人がとても増えています。5-6年前から新界で増えてきたオーガニックファーム。若い人たちがオフィスワークから離れ、農業を始めるという現象がここ、香港でも年々増えています。

この背景には、世界的スローフードやロハスの考えも大きく影響していますが、中国産食品への不信感が後押しし、自給率5%とという中で、香港で作られる食材がどれだけ貴重で大切なものなのかということを香港人自身も感じる人が増えてきているということだと思います。
食料品の95%を輸入に頼る香港は、世界中のいいものがたくさん集まっています。これまでも香港人は香港にいながら、世界の味を堪能してきたのです。現在、日本の食品を世界一輸入しているのは香港はだそうです。日本人にとって香港は外国とは思えない、日本と同じような環境で食材が入手出来る、もっとも住みやすい外国であると言えるでしょう。香港人の日本の食品に対する信頼やイメージは大変よく、また日本の食品は世界に誇れる品質を保っていることから、香港人の人気もますます加熱しています。日本人として、それは心から嬉しいことですね。

そんなことから、今回は逆に日本に住んでいては、なかなか知ることのない香港産の食材について、ご紹介出来たらと思っています。

今日ご紹介する香港産食材は“蝦干”(はーごん)こと、干し海老

干し海老なら日本でも中華食材コーナーに行けば、スーパーで簡単に入手出来ますよね。でも、今回ご紹介するのは、日本で売られている干し海老“蝦米”(はーまい)ではなく、香港の特産品である“蝦干”(はーごん)です。
“蝦干”(はーごん)

“蝦干”(はーごん)

“蝦米”(はーまい)

“蝦米”(はーまい)

見た目にもずいぶん違いますよね!“蝦米”は海老の腰がしっかりまがっていますが、“蝦干”はまっすぐ。これは加工の違いによるものなのです。“蝦米”は海老を茹でてから乾燥させますが、“蝦干”は生のまま乾燥させます。海老は茹でると腰が曲がってしまいますよね。“蝦干”は、殻を取ってから、1本1本ネットに並べて干すのです。
<center>香港・ランタオ島・大澳にある漁村で今も手作りされています。加工の仕方が異なると、風味や食感も変わります。</center> <center>香港・ランタオ島・大澳にある漁村で今も手作りされています。加工の仕方が異なると、風味や食感も変わります。</center> <center>香港・ランタオ島・大澳にある漁村で今も手作りされています。加工の仕方が異なると、風味や食感も変わります。</center>

香港・ランタオ島・大澳にある漁村で今も手作りされています。加工の仕方が異なると、風味や食感も変わります。

<center>大澳では他にも咸魚(塩漬け魚)や蝦醤(えびペースト)など手作りされています。</center> <center>大澳では他にも咸魚(塩漬け魚)や蝦醤(えびペースト)など手作りされています。</center>

大澳では他にも咸魚(塩漬け魚)や蝦醤(えびペースト)など手作りされています。

“蝦米”は日本のスーパーで購入でき、一般的に干し海老といえば、こちらを指しますよね。この“蝦米”は、香港では主にタイやベトナムから輸入したものが売られています。中国産のものも出回っていますが、着色をしているとか品質がよくないとかであまり人気がありません。使い方としては、美味しい旨みの出しがとれるので、旨みを加えたい料理などに使います。

一方の“蝦干”は、香港でしか入手することが出来ない貴重な干し海老と言えるでしょう。生のまま乾燥させるため、弾力のある食感が特徴です。するめのように軽く炙って食べれば立派なお酒の肴になります。噛み応えのある食感と噛めば噛むほど旨みが増す“蝦干”は、だしのためというよりは、干し海老そのものを楽しむための干し海老と言えるでしょう。

今日は香港人が家庭で普段食べている超~簡単なレシピをご紹介します!

材料(2人前)
蝦干・・・・・・・75g
万能ねぎ・・・1本(小口切り)
しょうが・・・・・スライス2枚(線切り)
紹興酒・・・・・小さじ1/2
植物油・・・・・小さじ1/2

作り方

1 “蝦干”は水洗いした後、柔らかくなるまで水につける
** 室温や水温にもよりますが、約10-15分ほど。つけすぎないように注意してくださいね
2 ザルにあげて水気を切り、耐熱のお皿に散らす
3 しょうがを上に散らし、紹興酒、植物油をかける
4 充分に沸騰した蒸篭に入れ、皿ごと15-20分強火で蒸し、蒸しあがりに万能ねぎを散らして、出来あがり!
とーっても簡単ですが、これをおかずに白いご飯が進みます!もう1品何か・・・という時やお酒の肴にとっても便利な1品です。

他には野菜たっぷりの鍋に加えたり、戻してからさっと湯がいて酢の物に加えたり、普段作っている野菜炒めに“蝦干”(はーごん)を加えるだけで、海鮮の旨みたっぷりの美味しさがUpしますので、是非お試しください!アイディア次第でいつもの料理を美味しくしてくれます。蝦干は香港の海産乾物の専門店で購入出来ます。香港旅行の際に是非、お試しください!
香港ロハス食材シリーズ、これからもお楽しみに!
関連タグ:レシピ

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-04-22

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