香港国際結婚のホンネ 第1回「生活習慣の違い」

え?生まれて一度も背中を洗ったことがない?!香港人男性と結婚した日本人女性が集まり、彼らのオドロキの日常を語ってもらいました!

こんにちは!香港ナビです。国際化が進む現代の世の中では、パートナーが外国人という日本人も年々増えています。香港在住の日本人の中にも配偶者が香港人という人も多いのですが、今日は、「香港人男性と結婚した日本人女性」が集まり、香港と日本の日常生活の細かな違いを肴に、飲み会、いえ、座談会をしました。『国際結婚』といっても、一昔前とはちがい、今では珍しいものではなくなり、香港と日本では、同じアジアの国、同じお箸の国、ということで、それほどのギャップもないのではと思われますが、いざ生活してみると、あるわあるわ・・・ギャップ!今回のメンバーは、それぞれ在香港10年、8年、7年、3年、1年の日本人女性5名です。まずは、「香港人男性と一緒に暮らして衝撃だったこと」をメインに話をしました。それではさっそく、“衝撃”の数々をご披露いたしましょう。

衝撃その1 玄関がない



香港人の家に初めて行ったとき、まず最初の衝撃は、「玄関がない」、これでしょう。マンションの一階には、管理人さんがきちんと待機していて、エレベーターで上にあがると、各家庭のドアは、鉄門と内門と2重になっているのが普通。香港ってセキュリティがしっかりしているのね、と思いながら、ドアを開けると、そこはリビング!え?え?靴はどこで脱ぐの??
基本的に香港人は、西洋人のように靴のままでは生活しません。たいていは、靴を脱いで、スリッパに履き替えて、部屋の中ではくつろぎます。ただ、「靴を脱ぐ場所」というのが、はっきりと区切られておらず、とりあえず、門を開けて中に入り、下駄箱付近で脱ぐ、という感じです。そのため、門の内側には外靴とスリッパが散乱しています。外で履いていた靴と部屋の中で履くスリッパが、いっしょくたになっているというのは、日本人的感覚からすると、ちょっとイヤではあります。香港人男性と結婚した日本人女性の場合、「靴を脱ぐ場所」を区切って、「ここのエリア内で脱ぎなさい」とダンナ様に教育しているようです。

衝撃その2 トイレットペーパーをティッシュ代わりに使う



これは、旅行者の皆様も、もしかすると目にしたことがあるかもしれませんね。茶餐廳や麺屋などの安い食堂に行くと、テーブルの上に、紙ナプキンではなく、トイレットペーパーが置かれてあることがあります。ご丁寧にも、トイレットペーパー用のケースに入って、しゅるしゅると引っ張り出せるようになっています。
便利といえば便利ですが、日本人的感覚からすると、「トイレ」で使用するものを、食卓の上に置くというのは、どうも多少ひっかかります。これが、香港人一般家庭では、家の中にも普通に置かれています。もちろん、スーパーに行けば、ボックスティッシュも売られていますが、トイレットペーパーのほうが安いため、このようなことになっているようです。使用量に合わせて、短くちぎったり、長く切ったりして使えるので、合理的といえば合理的かな・・・と思わなくもないですが。さらには、ポケットティッシュの代わりに、このトイレットペーパーをちぎって、折りたたんでポケットに入れているという香港人もいらっしゃいます。

衝撃その3 ドアも窓もカーテンもオープン

特に政府の公営住宅ではその傾向が強い。プライベートとパブリックの区別が非常にアバウト。 特に政府の公営住宅ではその傾向が強い。プライベートとパブリックの区別が非常にアバウト。

特に政府の公営住宅ではその傾向が強い。プライベートとパブリックの区別が非常にアバウト。

玄関のところでご紹介した二重ドアですが、夏になると、内側のドアは開け放ち、外側の鉄柵だけにしているご家庭もよくあります。鉄柵、つまり、動物園のオリのようなものですから、中は丸見えです。さらには、玄関だけではなく、窓を開け放すのも大好きです。香港のマンションの構造は、日本とは異なり、隣の家が異様に接近しています。窓を開けると、隣の家のテレビの音も会話も夫婦喧嘩もすべて聞こえます。プライバシーも何もありません。風通しがよいのは快適ですが、オープンすぎやしないでしょうか。見られてるほうは、まったく何も気にしていません。見ているこちらのほうが、何か後ろめたく感じてしまいます。

衝撃その4 食事には新聞紙

香港では、食事のときに、食卓の上に新聞紙を敷きます。「食事の用意ができたわよー」とお声がかかると、食卓の上をささっと片付け、新聞紙が一面に広げられます。多少の醤油や、汁ものをこぼしても、新聞の上だから大丈夫ということです。食べかすや、鶏の骨や魚の皮は、ぺぺっと、新聞の上に出します。そして、食事が終わると、皿を片付けたあとは、新聞を、ざざざっと丸めて終わりってわけです。テイクアウトをしてきて、うちで食べるときも、まずは、新聞!です。オフィスでお弁当や出前を食べる香港人も、必ず、まずは、新聞を敷きますね。
ちなみに、新聞紙ではなく、白い半透明のビニールを敷くこともあります。これは、お客さんや、親戚一同が集合したときに登場する「よそゆき」パターンとなります。

衝撃その5 食後はトイレへ・・・・





食事が終わり、食卓の上の新聞紙を片付ける人がいる一方で、なにやら、鍋を抱えて、トイレへ行く人がいます。何をしているのかと思ったら・・・。


「残ったスープや、汁ものは、トイレへ流す」香港人家庭のトイレが、なんだか油っぽいのは、このせいです。これは、日本人にとっては衝撃度かなり高いのではないでしょうか。香港人の理論では、スープには細かい具が残っているので、それを、キッチンに流すと、排水溝が詰まるけれども、トイレの排水溝は太いので詰まらない、ということらしいです。オフィスでも、昼に食べたカップラーメンの残りを、トイレに流す香港人、いますね。昼食後のトイレに行くと、ラーメンが浮いてますよ。

衝撃その6 香港人男性は背中を洗わない




え?そうなの?不潔!と思ったあなた。実は、ちがうのです。生まれてから、一度も背中を洗ったことのない、香港人男性の背中というのは、赤ちゃんの肌のように、きめ細かくて、ツルツルぴちぴち、なのですよ!
日本人である私たちは、たいていが、いわゆる「健康タオル」という、体を洗う用のタオルで、ごしごし洗いますよね。香港人は、手に石けんをつけて洗うだけなので、もちろん、首や肩は洗いますが、背中には手が届かないので、洗えないのです。タオルに石けんをつけて、タオルで洗う、ということもしません。最初は、不潔だなぁと思いましたが、あのきれいな背中を見たら、ちょっとうらやましいですね。。。

衝撃その7 この灰色のタオルは一体何なんだ?!



香港人家庭の洗面所の扉の内側には、必ずといっていいほど、家族の人数分のフックが並んでおり、そこにタオルがにひっかけてあります。ぱっと見、雑巾といってもいいでしょう。よく見ると、かろうじてタオルです。そのタオルは、例外なくどれも灰色なのです。一体これは何のタオル・・・?
これは香港人の洗顔用のタオルです。香港人は、タオルを水に濡らして、それで顔をごしごしとこする、という洗顔方法です。洗顔フォームを泡立てて使う、という若い女性も、増えてきましたが、年配の香港人は、まちがいなくこの方法です。香港人と旅行に行くと、かばんの中から、ビニール袋が出てきて、その中から、この灰色のタオルが出てきます。どこへ行くにも持参。おそるべし、マイタオル。このタオル、ごしごしと顔を洗ったあと、手で洗い、しぼったあと、濡れたまま、洗面所に吊るされます。洗濯機に入れて洗われることは一生ありません。一年中、生乾きのまま、洗面所に吊るされています。なので、あまり接近して、においたくないですね。

ちなみに、このマイタオル。香港人独特の衛生観念の表れでもあります。日本人からすると、触れたくない灰色タオルですが、香港人からすると、家族が共同でタオルを使うことのほうが、許せないらしいです。日本人家庭の場合、脱衣所には、きれいに洗ったタオルが、たたんで重ねてありますよね。それをみんなで使いますよね。しかし、香港人は、誰が使ったかわからないタオルだから、不潔だと思うらしいです。

衝撃その8 手洗いはするが、うがいはしない

衛生署のテレビCMでも「手洗い」「消毒」「マスク」などは紹介されますが、「うがい」はありません。 衛生署のテレビCMでも「手洗い」「消毒」「マスク」などは紹介されますが、「うがい」はありません。 衛生署のテレビCMでも「手洗い」「消毒」「マスク」などは紹介されますが、「うがい」はありません。

衛生署のテレビCMでも「手洗い」「消毒」「マスク」などは紹介されますが、「うがい」はありません。

SARSの流行の頃から、手洗いを勧める衛生署からのCMが、頻繁に流れるようになり、香港人の間にも、手洗いをしっかりする習慣は身についたようですが、うがいの習慣がありません。人ごみから帰宅したあと、手洗いも大事ですが、うがいも効果が大きいというのは、日本人の中では常識ですが、そもそも、「うがい」の習慣がないため、香港人のダンナ様に教えるのに、みなさん苦労しているようです。

衝撃その9 クーラー地獄

これは、香港人男性と結婚した日本人女性に限らず、香港に住むことになった日本人が、まず最初に苦しむことの一つ。香港では、どこでも冷房がガンガンにかかっています。まるで冷蔵庫です。ただでさえ、慣れない土地の生活で、体をこわしやすいのに、さらにこのクーラー地獄が、さらに拍車をかけます。
皆様、もうご存知だと思いますが、香港人はクーラーを、「空気清浄機」と勘違いしてますので、「クーラーを切ると、空気が汚くなる」と信じています。さらには、クーラーを切ると、「空気がなくなる」とまで思ってます。
そんな香港人と結婚した日本人女性、寝るときはどうしているのでしょう?クーラーを、切ったりつけたりして、攻防を繰り返している方、冬の布団を頭からかぶって耐えている方、耐え切れず別室で就寝する方・・・と様々。郷に入りては郷に従え、とはいうものの、こればっかりは、体を壊すことにもなりかねませんので、香港人ダンナ様にもなんとか譲歩してほしいものです。

ちなみに、香港人男性(子供も)は、「抱きマクラ」が大好きです。なぜなのかは、知りませんが、何かを抱いて寝るのが好きなようです。街中でも、いろんな大きさの、いろんな形の「抱きマクラ」が売られています。電化製品を買ったときの景品などに、「抱きマクラ」がついてることも多いです。

衝撃その10 オトコのくせに長電話

女性に長電話が多いのは日本も同じですが、香港の場合、男性、女性の区別なく、みんな電話が大好きです。香港人男性の場合、長電話も多いですが、一日に何度も電話をかける、というのも特徴です。付き合ってるときに、ラブラブで一日に何度も声が聞きたいというのなら、まだわからなくもないですが、結婚後も、仕事中に電話をかけてきます。特に用事があるというわけではなく、「今、どう?何してる?ふーん、そう」で終わりなのですが、平均して1日に2-3回、電話がかかってきます。1日に5-6回という方もいらっしゃるようです。べつに、ラブラブだからというわけでもなく、逆に妻を監視してるというわけでもなく、よくわかりませんが、電話してきます。

最後に

香港人男性と一緒に生活して衝撃を受けた話ばかりを書いてきましたが、最後によい話も書いておきましょう。これもまた、よく言われることですが、香港人男性は、概して家事に対して協力的です。「本当によく手伝ってくれる」といっても過言ではないでしょう。頼んだことは、もちろんやってくれますし、頼まなくても基本的に、家事は二人で分担してやる、ということを当たり前だと考えているので、この点ではとても助かっています。

習慣・文化の違いというのは、必ずあります。同じ日本人同士でも、各家庭によって、やり方が違うことが、たくさんあるのですから、違う国の相手であれば、なおさらです。今回の座談会の5人が、そんな違いを乗り越えて、うまくやっていけている秘訣は、やはりダンナ様のおかげだとみんな口を揃えていました。「スープをトイレに流すな!」とか、「ちゃんとうがいしろ!」とか、「夜寝るときぐらいクーラー切れ!」とか、不満は多々ありますが、でも、はるばる異国からやってきて、香港で暮らしている妻の苦労を結構理解してくれているのを感じます。いろんなところで、気遣いを感じます。あるいは、世界で一番気が強いのでは?と思われる香港人女性と付き合ってきた彼らにとっては、日本人女性の扱いなど、お手の物なのかもしれませんが・・・。以上、香港ナビがお伝えいたしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-05-18

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