昔ながらの香港が残る街、北角。そしてその中にとけ込むトラムの姿。下町情緒溢れる北角の街を歩いてみよう!
こんにちは、香港ナビです。香港島のビクトリアハーバー側に沿って東西に走る香港市民の足、路面電車トラム。今回はトラムの終点のひとつである「北角(North Point)」を歩いてみましょう。
ショッピングの中心地でもある銅鑼湾(Causeway Bay)から少し東へ進んだだけで、香港市民のディープな暮らしが感じられる北角(North Point)はナビが大好きな街のひとつです。
「北角(North Point)」行きのトラムに乗ろう!
トラムの前後にある行き先表示を確認しよう!
中心地「上環〜銅鑼湾」の間でしか利用をしないと気がつかないのですが、実はトラムには幾つかの違う行き先があります。今回の目的地は北角(North Point)の終点駅ですので、「北角(North Point)行き」のトラムに乗らなくてはいけません。ナビは銅鑼湾からトラムに乗車しましたが、北角より西側(上環側)であれば、どこから乗っても大丈夫です。
行き先を確認して、さぁ乗車!
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トラムの2階席に乗り込みました
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線路の上をデリバリーの自転車が通るのも香港風物詩
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1950年代に建てられた皇都戲院の横を過ぎます
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直進する線路は筲箕湾行き。北角行きはここで90度左折!
北角(North Point)行きのトラムに乗ると、MTRの炮台山(Fortress Hill)駅を過ぎて間もなく、のんびり進むトラム速度がさらにゆっくりになったなと感じると同時に、ギュと90度左へ曲がります。
線路は次の交差点でさらに90度右折!
そして、目の前の交差点で、もう一度ギュッと90度右に曲がる!?
というところで停車。そして、「えっ?ここが駅?」というくらい中途半端な曲がり角で止まります。ここが人々が行き交い、賑わう春秧街(Chun Yeung Street)の露天市場の入口です。トラムの前方には両脇に活気ある生鮮食料品などのお店が並んでいます。
ここで降りて、マーケットを歩いて、人混みの中をゆっくり走るトラムの後ろ姿を楽しむもよし。今回ナビはもうひとつ先の終点まで乗車します。
春秧街(Chun Yeung Street)駅は道の角です
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左右に並ぶ露天市場
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春秧街(Chun Yeung Street)が終わるところ、トラムも右折して停車場へ
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出発まで、休憩中のトラムたち
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北角総站
春秧街が突き当たる糖水道に北角のトラム終始点、北角總站があります。西行站(Westbound Stop)とあるように、ここからは西側(上環/堅尼地城)へ向かうトラムしか発車しません。
次の出発を待つトラムたちがお行儀よく並んでいる姿がみられます。高架下にはトラム運転手さんたちの休憩所に。そして壁にはレトロな「去(GO)」のランプを発見!ちゃんと今でも現役で、発車時間には点灯していました!
休憩所の上にあるレトロなサイン
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出発の合図でちゃんとつきました!
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ここから出発です!
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トラムの路線図
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香港の日常にとけ込むトラムの姿
すれすれに通ってもお構いなし
北角行きトラムは、露店市場を突き抜ける姿が有名で、香港らしさを写し出す撮影スポットにもよく使われています。トラムスレスレまで人が行き交い、市場用の台車やトラックが堂々とトラムの線路上を通行するため、後ろから追いつきそうなトラムから「チンチン!」なんて警鐘がよく聞こえます。この春秧街(Chun Yeung Street)を通るときのトラムは、いつにも増して速度を落とし、じわじわ〜と進んでいきます。トラムがそこにあるのが当たり前の姿。トラムとそこにいる人がごく普通に融合している姿が見られるのは、香港でここだけです!
上を見上げると、ごく普通の居住区なのです
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この光景を撮ろうと、カメラマンの姿もちらほら
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新鮮な食品が並ぶだけじゃない!スーパーでは売っていない品揃え
お肉屋さん
トラムの終点で下車し、来た道の春秧街(Chun Yeung Street)をもどってみます。野菜、果物、肉、魚をメインに何軒ものお店が並んで賑わっています。生活に必要な全てのものが並ぶ市場は、その商品を眺めたり買い物をする人と市場の人たちのやりとりを見たりするだけでも楽しいですね。この地で生活している人たちはどんな素材でどんな料理を作るのか、そんなことを想像しながら庶民感覚満点の道をのんびりと歩いてみると、ちょっとだけ香港に住んでいる気分が味わえるような気がします。
日本にお肉やお魚を持って帰るのは不可能だけど、乾物や乾麺、調味料、雑貨や衣類だったら大丈夫!市場には、スーパーには売っていないような調味料も買えたりします。お土産用にもちょっと覗いてみましょう!
蒸し饅頭店には人だかりが。実は香港では少ない蒸饅頭店
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ねりもの系もスーパーで売っているものより断然美味しそう!
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魚蛋(魚のすり身団子)のお店
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インドネシアメイドさんが多いだけに、インドネシアの食材店も
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こんなマーケットの真ん中にホテルが!
Newton Innの入口はまさに市場の真ん中!
おろどくことに春秧街(Chun Yeung Street)露天街市のど真ん中に、ビジネスでもよく利用されるホテル・Newton Inn(ニュートン・イン)があります。香港ローカル生活を疑似体験するにはベストなホテルかもしれませんね。
番外編:ここで休憩 ランチとデザート
北角は香港B級グルメが揃っている街でもあります。賑わっている、人気がありそうなお店に行き当たりばったりで挑戦してみるのも旅の楽しみのひとつですね。今回は春秧街(Chun Yeung Street)の入口に位置する「香港仔一品魚蛋王」に入ってみました。
香港仔一品魚蛋王住所:北角炮台山木星街1號地下A舖
電話:2608 5188
営業時間:9:00 - 深夜0:00
デザートは香港定番スイーツが楽しめる「翠苑」へ。マンゴーの甘さとシトラスの酸っぱさがたまらないマッチングの楊枝金露をいただきました。
翠苑住所:北角北角道13號地下
電話:3104 1528
営業時間:10:00 - 深夜0:00
糖水道の高架を超えて馬寳道へ
糖水道の高架下には公共トイレもあります
高架を超えた先にも露天市場は続きますが、雰囲気はガラッと変わって、衣料や雑貨がメインになってきます。
昔から安い衣料(古着を含む)などが手に入ることで知られている馬寳道でしたが、祝日だったせいもありインドネシア人メイドさんが多くて驚きました!セントラルはフィリピン人メイドさんが多いですが、北角(ノース・ポイント)はインドネシア人メイドさんがほとんど!インドネシア人のメイドさんがかなり増えているとは聞いていましたが、ここまでとは!驚きでした。
馬寳道から書局街へ
書局街を右折し英皇道へ出ると、角には華やかな看板で彩られた広東オペラ(粤劇)劇場の新光戯院が現れます。独特の節回しで上演される粤劇は、何を言っているのか難解ではありますが、華やかさを極めた衣装と役者たちの立ち振る舞いを見ているだけでもその世界に入り込めます!
この新光戯院は、1972年に開幕、エントランスに少し足を踏み入れるだけでもタイムスリップした気分になれます。1993年にカンヌ映画祭の最高賞であるパルム・ドールを受賞した陳凱歌 (チェン・カイコー)監督、張國榮(レスリー・チャン)主演の映画『さらば、わが愛/覇王別姫』の冒頭シーンが撮影された劇場としても知られています。
渣華道街市
反対にビクトリアハーバー側、渣華道に出ると有名食堂の「東寳小館」が入る「渣華道街市」があります。ここはもうひとつの香港街市のスタイルである、ビル(室内)の街市です。北角に来れば露天市場(マーケット)と、室内スタイルの街市の両方とも体験できちゃいますね。
開発が進む渣華道側の風景
北角バスターミナルの現在(2017年4月)
以前、渣華道街市の横には北角フェリーターミナルとその前に大きな北角バスターミナルがありましたが、現在はマンション建築工事中。バス停もマンションの下に移動していました。
北角フェリー乗場は少し寂しい感じでした
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観塘〜北角路線のみの運行(2017年4月)
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帰りは簡単!
書局街にあるMTR入口
交通の便が良い北角です。またトラムに乗って、ゆっくり帰るのもよし、MTRでサクッと帰るのもよし、2階建てバスで景色を見ながら帰るもよし。
いかがでしたか?
繁華街の銅鑼湾(Causeway Bay)からMTRで東へ3駅行くだけで、庶民感覚満点の街「北角」が現れます。街の風景の移りかわりを楽しみたいなら、断然トラムでの移動がオススメです!
ごちゃごちゃでザワザワした街に、香港の新しい魅力を発見できると思いますよ! 以上、香港ナビがお伝えしました。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2017-04-12