香港でびっくりした!こんなコトあんなコト、後編!

理科の解剖実験さながらの街市、暑いとすぐに脱いじゃう香港人の粋なオジサンたち、空から降ってくる謎の物体。香港の不思議。香港人の謎。

こんにちは、皆さんいかがお過ごしですか。暑い中、飄々と過ごしております、もきです。さて、前回に引き続き今回も、「香港でびっくりした」ことをいくつか書き綴ってみました。日本では経験したことがない、未知の世界へご案内。

真冬の温度設定の室内

観光で香港に来られる方も、香港に住んでいる方も、香港の夏の蒸し蒸しする気候に、参ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。この気候に参っているのは、外国人だけではありません。香港人もイヤなのです。暑いの、キライ。だからでしょうか。室内は、まるで冷蔵庫のように、キンキンに冷やしまくっています。オフィスも、ショッピングモールも、どこでも冷房の嵐!室内では、カーディガンが必需品。逆に、冷房があまり効いていないと、サービスが悪いと文句を言う人もいます。生まれたときからずっと香港に住み続けてきたはずなのに、未だにこの暑さに適応せず、暑さノイローゼ。自分達の満足のためなら、地球環境もお構いなしです。「冷房の温度設定を、1度上げましょう」と呼びかける、日本のいじましい努力も水の泡。我が家で、夏に、家の修理に来た修理工のおじさん。人ん家のエアコンを勝手にフル回転させ、寒いくらいの部屋の中で仕事をして帰っていきました。後で、設定温度を見てみたら、15度にしてありました・・・。
バスの車内、外の気温との差が激しくて、窓ガラスが曇っています。逆結露!
外は暑さと湿気の嵐、中は冷房の嵐。どっちにいても地獄。

香港の夏との闘い

とにかく、湿気と紫外線がはんぱじゃない香港。湿気がどのくらいはんぱでないかと言いますと、夏、1日エアコンをつけていなかった部屋の、本の紙がふにゃふにゃになるほどです。ちょっと雨が降れば、部屋がカビる。高層ビルのてっぺんが、雲で隠れる。10メートル先が、霧で全く見えない。空気が重たく感じて、呼吸がいちいち疲れる。そんな世界です。毎日の湿度予想も、軒並み90%台。1日に何度も雨が降ったり晴れたりする香港では、天気の予測は難しいです。日光の照りつけもはんぱありません。ちょっとでも日の当たるところにいると、じりじりと肌が熱さを感知します。なので、紫外線対策は欠かせません。
湿気を含む、厚い雨雲が、高層ビルをすっぽりと覆っています。晴天時と比べれば一目瞭然。
日傘では物足りないのか、雨傘を差す人が殆ど。雨傘なのにUV付きのものが売られています。また、何故かこちらでは、日除けのための帽子をかぶる人はほとんどいません。手袋などもってのほか。かなり浮いた人になってしまうのでご注意。

へんてこな食べ物たち

ところ変われば食べ物も変わる。日本では見たことのない食べ物を発見するごとに、香港の奥深さに圧倒されます。例えばこちら。
夕方、街中を歩いていたら、特に若い人たちでにぎわっている、食べ物やさんらしき店を発見。近づいて見てみると、ガラスのショーケースには、色々な具材が、少量パックで、ビニール袋に入って並べられています。お客さんは、この中から、麺+好きなトッピング をオーダー。すると、店員さんが、それらを一つのビニール袋にまとめ、箸で、シャカシャカと勢いよく混ぜて、出来上がり。このパフォーマンスと、若い子が美味しそうに食べている様子に釣られ、私も一つ買ってみました。
イカ、タコ、エビ、たけのこ、カニ肉、豆腐・・・トッピングも色々。
麺も数種類あり、好きなものを好きなようにオーダー。

イカ、タコ、エビ、たけのこ、カニ肉、豆腐・・・トッピングも色々。 麺も数種類あり、好きなものを好きなようにオーダー。

つ、冷たい・・・。ジャージャー麺のような、キムチ麺のような。キムチ麺って何。ビニール袋、というのが何とも・・・。箸代わりの竹串が、食べにくさ倍増。「もういいよ。」投げ出したくなる気持ちを抑えて食べるのが、粋な食べ方。

つ、冷たい・・・。ジャージャー麺のような、キムチ麺のような。キムチ麺って何。ビニール袋、というのが何とも・・・。箸代わりの竹串が、食べにくさ倍増。「もういいよ。」投げ出したくなる気持ちを抑えて食べるのが、粋な食べ方。

今度は、「臭豆腐」に挑戦。街角で、このように、色んな串モノが売られていますが、強烈な異臭では、この臭豆腐にかなうものはありません。まだ店に近づいてもいないうちから、臭い。匂いをたどっていくだけで、店に到着できます。臭ければ臭いほど、美味しいと言いますが、普通の厚揚げだって充分美味しいのですから、そんなに匂いを発しなくても。
醤油と納豆と豆腐を、炎天下、長時間煮しめておいて、うっかりそのまま放置、腐らせてしまった、というような匂いです。赤味噌のようなたれと、ピリ辛のたれを付けて、食べます。
豆腐の味は、意外と普通に美味しいです。濃厚な木綿豆腐の厚揚げ、といった感じ。たれともよく合います。ただ、食べ終わると、あの匂いが、今度はあなたのお口の中に充満。取れません。口直しが必要なので、結果、高くつきます。

半袖の男達

どんな薄着を着ても、暑い香港。ほんの数十メートル歩くだけで、汗が噴き出し、顔が紅潮してくるのが分かります。ましてや、この暑さの中、肉体労働に精を出して働いている人たちは、耐えられないほどの暑さを感じていることでしょう。なので、上半身裸で働いている男性もよく見かけます。脱ぐ、脱ぐ、脱ぐ。そこに言葉など要りません。暑いから脱ぐ、それだけです。見慣れないうちは、あちこちで目にする半裸姿に、戸惑いましたが、「ああ、またおじさん達が脱ぐ季節になったか」と、夏の風物詩として思えるようになったら香港通ですね。
汗にまみれてお仕事、ご苦労様です。半裸姿が増えるのも、時間の問題。服を着ていては、汗でベタベタするし、仕事に集中できないのでしょうね。ならばすぱっと脱ぐ、その男の潔さ。すがすがしいですね。
歩行者のおじさんも、シャツの前を開けています。本人はそれで涼しいかもしれませんが、この暑い中、見たくもないおじさんのゆるんだボディーを見てしまうと、それだけで夏バテが早まる気がしてなりません。

強烈インパクトの街市にノックダウン

香港庶民の台所として親しまれている街市(市場)。街のあちこちにあり、野菜から肉から魚から、日本では珍しいようなものも、たっくさーん、売っています。いつも、店員さんと、買い物客が、エネルギッシュに売買をやり取り。呼び込みの大きな声が響き渡り、色んなものの匂いが入り混じり、気分が高揚してき5ます。香港人の日常生活を垣間見たい方にはオススメのスポット。でも、行く前に、いささか心の準備をしておいた方がよさそう。
街市の中に入ると、そこはもう、ギョッと驚く食材が次々に眼に飛び込んできます。まずやってきたのは、魚売り場。色んな魚が並べられていますね。中には、「それは観賞用の熱帯魚なのでは」と思うような魚も。まだピチピチと泳ぎ回る魚もいます。勢い余って通路に飛び出す魚。活きがいいですね。
魚をぶつ切りにして並べているのですが、魚が血まみれ。内臓丸出し。ぶつ切り、というより、魚の死体のようで・・・これで香港人は、食欲が湧くのでしょうか。ただ、これには理由があって、魚がいかに新鮮であるかをアピールするため、敢えて血を洗わず、浮き袋も取らないのだそう。それにしても。一気に食欲が萎える自分。
魚売り場の横に、売られていたものは・・・。「!!」カエルとカメ。何十匹というカエルが、元気よく飛び出さんとばかりにぴょこぴょこ。買い物客が、「3匹」と注文すると、店員が、素早く3匹を確保。・・・って、生きたままなんですけど・・・。この後、あの買い物客が、台所で行うであろう様子をうっかり想像してしまい、カエルに対して祈りを捧げることしか出来ませんでした。
失神寸前の自分を励ましながら、次の、肉売り場に向かいます。
大きな肉の塊が、フックにかけられて、吊るされて売られています。香港では、「肉」と言えば豚肉。街市でも、豚肉が最も多く売られています。内蔵から、足から、色んな部位が陳列。しかも、すぐ隣には、トイレ用洗剤が売られている、このアナーキー。
さすがに、どの肉もきれいに洗われていますが、何といっても気になるのは、この暑さの中、冷房もかけずにこの状態で売られていること。店の奥で、次々に肉が切り分けられているのを見ると、それだけ新鮮なのは分かるのですが、やはり、抵抗感は否めません。
こちらは、鶏肉。鶏の形そのままに、焼かれて、売られています。もう、何の鳥なんだか、知りたいとも思いません。

こちらは、鶏肉。鶏の形そのままに、焼かれて、売られています。もう、何の鳥なんだか、知りたいとも思いません。

青果売り場です。今までの売り場に比べたら、なんてすがすがしい売り場なのでしょうか。
新鮮な野菜が山積み。ワイルドな街市の中で唯一、ほっとする空間。

青果売り場です。今までの売り場に比べたら、なんてすがすがしい売り場なのでしょうか。 新鮮な野菜が山積み。ワイルドな街市の中で唯一、ほっとする空間。

竹のみで組み立てられた足場

至る所で、常にどこかを修理したりリフォームしたり、が大好きな香港人。街を歩けば、緑や青の薄手のシートを張られた修繕現場が必ず目につくはずです。よく見ると、足場は全て竹で組み立てられています。しかも、つなぎは黒色の細いひもで結ぶのみ。どんな高層ビルだろうが何だろうが、これだけで、修理のおじさん達は、ひょいひょいと上り、渡り歩き、仕事をしていくのです。見ているこちらが怖くなってしまうほど。
竹の柱を、器用に、キレイに組み立てていますね。普段がさつなおじさん達が組み立てたとは思えません。
修理が終わると、竹組みは解体されますが、そのとき、はずされた黒色の紐が、空からぽろぽろと降ってきます。「下に人が歩いてるだろう!気をつけろ!」と怒っても無駄。香港人は気に留めていません。私は、歩道を歩いていたら、上から長いひもを引っ張っていたおじさんが、うっかり私の頭にひもを直撃させましたが、「ごめんね!」と満面のスマイルで爽やかに言われました。そんなもんだよ。

ギネス認定の100万ドルの夜景ライトアップショー

毎晩、8時になると、ビクトリア湾を挟む、九龍サイド、香港サイドの海沿いの高層の建物が、いっせいに、色とりどりの美しい光のショーを始めます。毎日欠かさず行われるこのショーは、世界で最も大規模で長期間ライトアップショーを行っているという、ギネス認定のもの。建物一つ一つが、それぞれ違ったライトアップをほどこし、個性あふれる光たちがひとつになって、見事なハーモニーを奏でる13分間。その建物をよく見ると、商業ビルがほとんどですが、中には、山の中腹の、一般の高級マンションまでライトアップショーに参加していたりして、参加の基準が分かりません。13分間、という、中途半端な時間の基準も分かりませんが・・・。やってしまえばこっちのもの、のようです。ともあれ、香港といえば夜景。この夜景を見に、世界中から観光客が集まるので、いくら電気代がかさもうが、もう、ここまで来たら、とことんいつまでも続けてもらいたいものではあります。
8時のライトアップショーだけではやり足りないのでしょうか。時々、夜中の12時や1時に、何故か気ままにピカピカと、一人ライトアップショーを始める建物もあります。こんな時間に、誰に見せようとしているのでしょうか。宇宙と交信をしているとしか思えません。

(オマケ)店員が多い

香港で、お店に入ってまず目につくのは、商品より店員の多さです。ただでさえ、物が山積みの狭い通路を、幅を利かせて立っている複数の店員さん。立っている場所のすぐ前に陳列してある商品を、手に取りたいことを、さりげなく手の動きと目線でアピールするも、世間話に没頭している店員さんには気づいてもらえません。また、商品を手に取って見ていると、すぐ近くに来てこちらを凝視。また商品を元の位置に戻すと、すかさず、その商品の再チェックが入ります。また、店内を歩いていると、すぐ前を横切っていく店員さん。その度に、こちらの足が止まることは、誰も配慮してくれません。日本では、お客さんの買い物の妨げにならないように、店員の方が道をあけたり、よけたりしてくれたものですが、文化が違うとはこういうことなのでしょうか。そんな、自由気ままな店員さんが、お店にたくさん立っています。客の数より多いときもあります。聞けば、色々と教えてくれるので、助かることも多いのですが、お店から出ると、どっと疲れるのは、私だけでしょうか。

いかがでしたでしょうか。街を歩けば、色んな「びっくり」なことが、次から次に目の前に現れ、気が遠くなるような、眩暈に似た感覚を味わいつつも、その感覚を「楽しい」と感じている自分もいます。どれも、日本では経験したことのない、新鮮な驚き。やはり、日本とは、生活習慣に大きな差がありますが、その差を楽しむくらいの、余裕を持って過ごせば、香港は私達にとって、もっともっと身近な存在になることでしょう。さらなるびっくりネタを求めての旅の途中の、もきがお届けしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2007-07-09

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