横浜中華街で感じる香港 その12 料理器具専門店『照宝』

まるで上海街をぎゅぎゅっと圧縮したかのよう! 香港の街で見かけた調理道具が日本語解説付きで手に入ります!

こんにちは!香港ナビ勝手に横浜支局です。今日ご紹介する中華料理器具『照宝』は、横浜中華街大通りに面した老舗中の老舗。中華街で腕を振るう料理人はもちろん、地方の職人さんもわざわざ器具を求めて訪れる人という、プロの信頼の熱い専門店です。「プロ御用達の専門店」という看板を掲げつつも、家庭用の品を求める一般の方々にも、「こうやって使うと長持ちしますよ」という肉声でのアドバイスを添えて販売してくれるのが、この地で綿々と歴史を気付いてきた人気の理由。餃子ヘラから特大のセイロまで、大小様々な器具が揃う照宝は「お!これは香港で食べたあの料理に使う…」なんて懐かしく香港の食を思い出すこともできちゃう魅力満載空間です。

「セイロは使い捨てではありません!」

堂々と『照宝』と焼き印の押されたセイロは、常時店内に1万点以上の品を揃えている照宝の中でも主力商品。點心用の小さなセイロから、一体何を蒸すのか想像もできないような特大サイズのセイロまで、各種サイズのものを取りそろえています。しかも、同サイズであっても、深さや上蓋の合わせ方、素材などに微妙な違いのあるものを5~6種揃えるという念の入れよう。ここにくれば、「これこれ!」という要求ど真ん中な品に出会えるというのもうなずけます。



そして、なによりもうれしいのが、照宝のセイロは100%メンテナンス保証付きなんです! そもそもの素材がすべて自然のものですから、使い込んでいくうちにゆるみや歪みが出るのは仕方のないこと。それを放置してしまうと完全崩壊してゴミ箱行き…となってしまうわけですが、照宝の焼き印は「そんなことはさせません!」という証なのです。「何年前に購入したものでも、修理の依頼があればきちんと手を入れ、できる限り元の姿に戻してお客様に返却する」と、良い道具は長く使って欲しいという愛情のこもった対応をしてくれるのです。同じ意味で、包丁の研ぎなおしも無料で行っているんですよ。

料理の道に道具から入るのは良いことです!

横浜中華街で感じる香港 その12 料理器具専門店『照宝』 横浜中華街で感じる香港 その12 料理器具専門店『照宝』
「格好から入ったって技術が追いつかないと宝の持ち腐れだよ~」なんて良く言いますが、スタッフの影山さんは「道具から入るのは良いことなんです!」とおっしゃいます。というのも、きちんとした料理器具というのは料理を作るにふさわしい形、熱の伝え方をするようにできているので、よほどのことをしない限り調理に失敗することはないそう。「このセイロなら中に小皿を敷いて切り身の魚で蒸し魚が…」なんていう調理法のアドバイスも添えつつ、また必ず器具の正しい使い方、きちんとしたお手入れ方法を伝えるようにしているそうです。せっかく良い中華鍋を買ったのにサビが…なんてことはお湯とささらで手入れをしていればありえないこと。そういう「はじめの一歩」から、しっかりと対応してもらえるのは対面販売だからこその利点ですね。「きちんとした道具はきちんと使ってもらいたい」という心意気に料理器具販売のプロのプライドを見た気がします。
「香港の料理店でよく使われている両手中華鍋は、一般の人には扱いにくいと思われがちだけれど、こうすれば簡単に持ち上げられるんだよ」と、お玉の先を片方の持ち手に引っかけて簡単に移動させて見せてくれました。なぜそれぞれの器具が「そういう形」となったのか、すべてが理にかなっているということを教えてくださいました。ちなみにちゃんとした鍋の扱い方をすれば、家庭のガスコンロでもおいしい中華の炒め物はできるそうです!

香港で食べたあれやこれやに使われた器具は…

Q1.香港のマンゴープリン型のスタンダードがハート形なのはどうしてでしょう? 

甜品専門店で供されるものはオリジナルスタイルも少なくないですが、それでも大型チェーン店での飲茶のシメに食べるマンゴープリンはまだまだハート型が多いですよね。これは、マンゴープリンというものが香港で作られ始めたときに伝わったレシピが、この型を規準に計量されたものだったからなのだそうです。必要に応じてそのレシピを数倍してマンゴープリンを作る、計算がややこしくなるのはイヤだから型は同じハート型で揃えよう、といった感じで広まっていき定着したということです。なぜそもそもの計量に使われたのが丸型や星型でなくハート型だったのか…さすがの影山さんもそこまではご存じではありませんでした~。
でも、このハート型のマンゴープリンを見ると、どこか懐かしくホッとするような気分になりますよね。ご自宅でハート型マンゴープリンをお試しになってはいかがでしょう?
西米露に添えられるフルーツが丸くくりぬかれている率が高いのは…計量うんぬんは関係なく、単純にきれいに見せるためだと思われますが、そんなくりぬき器も3ミリ単位のサイズ違いで取りそろえています。味に大きな変化はなくとも、ちょっとした手間というの楽しいものですよね。

アルミ製ハート流し型 1029円(税込み)
くりぬき器 998円(税込み)
Q2.これは包丁の形をしていますが、ものは切れません。刃がついていないのです。さて、何をするものでしょう?

香港で飲茶をするとなったら誰もが注文する蝦餃(えび餃子)。その蝦餃の皮をのすために使われる器具です。その名もずばりの蝦餃包丁(はーがうほうちょう)です。包丁と同じように握り、ステンレス面を皮の生地に当て、左手を軽く上面に添えつつのし板に生地をすりつけるように伸ばして皮を成形するのだとか。中身のエビの淡い赤さが美しく透けるように皮を薄く仕上げることが點心師の腕の見せどころ。本当のプロはこういう道具を使ってあの繊細な皮を作り上げていたのですね。食べるのは大好きでも、このような専用の道具があるなんて知りませんでした!

蝦餃包丁 10,395円(税込み)から
Q3.砂鍋の外側には針金が巻いてあるものがありますが、それはなんのためでしょう?

砂鍋に使われる土の粒子は粗いのだそうです。これは空気を含んだ熱で食材をふっくらと炊きあげるためにそうなっているのですが、そのために使い込むうちにヒビがはいりやすくなってしまう欠点もあります。でも、そんな時にちゃんとフォローしてくれるのがこの針金。ヒビが入っても針金でぎゅっと押さつけながら使い続けると、食材から流れ出るデンプン質でヒビが自然と埋まってくるのだそうです! 自然治癒とでもいいましょうか、使うことで直るなんてびっくりですね。

砂鍋 1,995円(税込み)から
火鍋用のインヨン鍋はIH対応のものも用意し、また、小柄な女性でも使いやすくと軽量化された中華お玉や握りやすいサイズのささらも販売されています。香港や中国のものを単純に日本に持ち込むことはせず、日本の生活スタイルに合わせたものを提供していくというところにも「宝の持ち腐れにはさせません」という照宝のポリシーが現れているようです。「食べること」の魅力の影に隠れてしまってなかなか見えない料理器具の世界ですが、香港の美食の裏には当然こうした専門器具ありなんですよね。香港での食事の際には、どんな器具をどんな風に使って料理を作ったのか、そんな想像をする楽しみができました。以上、大型セイロとスープ用の砂鍋が欲しい、香港ナビ勝手に横浜支局がお伝えしました!

料理器具 照宝

住所:横浜市中区山下町150番(中華街大通り中央)
TEL:045-681-0234
FAX:045-651-3738
営業時間:11:00-21:00
定休日:なし

表示の商品価格は輸入時のレートにより変動する場合があります。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-03-16

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