香港カップはラモンティが制覇。日本馬、活躍できず。先日行われた香港インターナショナルレースのレポートです。
こんにちは、香港ナビです。国際G1レースが1日に4つも開催されるという、ちょっと贅沢な競馬、香港国際賽事/Hong Kong International Races(HKIR)が12月9日に沙田(サーティン)競馬場で開かれました。世界的にも有名なこのレースのリポートを今年もいたします。
このレースは世界的にも有名な競馬の祭典で、メディアも世界各国から集まっています。観衆の数は昨年とほぼ同じ約5万6000人が集まりました。
オークションが土曜日に
開かれました
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落札した関係者がその場で
サインします
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アヴェニュー・オブ・レーシングスターズは競馬に貢献した人の手形があります。
最多勝記録が生まれる
ホワイト騎手は、昨シーズン まで7シーズン連続リーディ ングジョッキーの実績を持ちます
第3レースで、1つの記録が生まれました。それは、ハイポイントに乗った香港ナンバーワン・ジョッキー、ダグラス・ホワイトがこれまでの最多勝記録946勝(トニー・クルスが保持)を抜き947勝目を達成しました。 ホワイトは「11年前、香港に来たときはただの若い騎手で、記録達成することなんて考えもしなかった。でもオーナーなど皆さんのおかげでこんな記録を作ることが出来た。1000勝を次の目標にしてがんばりたい」と喜びを隠せませんでした。
香港スプリント(1200メートル)
スタート前のノエル・キャロウ騎手の表情
陸上競技で言えば100メートル走と言えばいいでしょうか? 最速の馬を決める香港スプリントは、最後の400メートルでグループの中団にいたセイクリッドキングダムが残り200メートルになって一気に抜け出し、最後は6馬身をつけて勝つという強さを見せてくれました。
本命の1番人気のプレッシャーに負けず、見事優勝したジェラルド・モッセ騎手は「とてもとても良い馬。私が騎乗してきた中でもベストの1つです」とコメント。
昨年の優勝馬だったアブソリュートチャンピオンは2位に入った。ブレット・プレブル騎手は「誰もこの馬が優勝するとは思っていなかったと私は想像するけど、彼は手術した後もすばらしいことをやってくれたと思う」と馬をたたえていた。
香港ヴァーズ(2400メートル)
数々のG1レースで勝利してきたペリエは、\n手の上げ方も手馴れたもの \n
スピードもスタミナも求められる2400メートルのレースの香港ヴァーズ。単勝の倍率が10倍をきった馬が4頭もあり、混戦が予想されていました。スタート直後は10番のビバマカオが先頭に立ちます。残り200メートルで先頭にまだ2馬身ほど遅れていたドクターディーノ(オリビエ・ペリエ)が一気に伸びて1着となりました。ドクターディーノにとって12ハロン(=2400メートル)のレースは初めてだったのですが、「レース前のスタミナ面の心配はなんだったのか?」というほど余裕の勝利でした。
日本でもおなじみのペリエは「コーナリング中やコーナーを抜けてからも素晴らしい足を見せてくれていたから、勝つと思っていた」と道中で勝利を確信していたことを話してくれました。
この日は曇り空だったのですが、表彰セレモニーのころにペリエ騎手を祝福するかのように光が差し込んでいました。
1コーナーまでの先頭争い
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ゴール板前を駆け抜けるドクターディーノ
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香港マイル(1600メートル)
1マイルの距離で速さを決めるというのは、近代競馬の発祥がイギリスであることをあらわしているエピソードですが、このレースでの“マイラー”ナンバーワンは、オリビエ・ドゥルーズが捌いた香港馬グッドババが、フランキー・デットーリが乗るクレカドールを振り切って優勝しました。このレースに参戦していた4番人気の日本のコンゴウリキシオー(藤田伸二)は、レース中先頭に立つ積極的なレースをしましたが、失速して残念ながら9着に終わりました。
興奮冷めやらぬドゥルーズは「加速していくスピードはものすごかった。たぶん、私が騎乗したマイラーの中でたぶん最高の馬」と喜びを語った。これで彼は昨年に続き香港マイル2連覇です。藤田騎手は「残り400メートルまではいい感じだったですが、右前足が落鉄したようで、ストレートで伸びなかったですね」と敗因を分析してくれました。
コースに向かう藤田とコンゴウリキシオー
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観客の声援に応えるドゥルーズ
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香港カップ(2000メートル)
パドックではジョッキー\nの紹介がされました
賞金総額2000万ドルで、メインレースである「香港カップ」。今年は出頭が7頭と数は多くはないですが少数精鋭の厳しい戦いが予想されました。
1番人気は、カジノ王、何鴻橤(スタンレー・ホー)がオーナーのビバパタカ。カジノを連想させるほどあまりにも単刀直入すぎる名前ですが、昨年のこのレースの4着で、香港のG1を4つ制していることもあり1.3倍に押されました。
2番人気は、世界最高の騎手の1人、デットーリが乗るラモンティ。本来はマイラーで、今年マイルG1だけでも3つ勝ってきましたが、400メートル長いこのレースに出場するためにトレーニングを積んできました。05年はこの香港カップ優勝、06年は3着になっている香港馬のヴェンジェンスオブレイン(アンソニー・デルピチ)は、3番人気。2年ぶりの優勝なるでしょうか?
日本からは田中勝春が乗るシャドウゲイトが乗り込んできました。この5月にシンガポールで行われた国際G1を制しているだけに期待が高まっていました。
シャドウイトが好スタート切った香港カップ。そのまま逃げを打つかと思いましたが、ロイヤルプリンスがシャドウを抜きレースをひっぱります。シャドウゲイトは2番手。その後ろにラモンティがつき、1頭おいてビバパタカがつけます。ラモンティが好位から出足よく抜け出して、後から追ってきたビバパタカを退けて香港カップの王者となったのです。ですが、ここで審議に入りました。実は4コーナーから最後のストレートで、ラモンティの動きが、ビバパタカの進路をふさぎ、きれいに走ることが出来なかったとして、審判団が審議の対象とし、またビバパタカ側も抗議したのです。
12分間という長い審議の後、「特に大きな問題はない。2頭の間には十分なマージンがあったので結果を変えるほどの動きというには難しい」(スチュワードのコメント)として、ラモンティの優勝が確定しました。
デットーリは「スローペースでちょっとかかり気味だったけど、うまく折り合いをつけることができた。今シーズン4つ目のG1制覇はファンタスティックな出来事。勇気のある馬だと思う」と馬の強さに感心していました。
一方、ビバパタカに乗るマイケル・キネーンは「スローペースになりすぎて、何の助けにもならなかった。最後の直線ではちょっとしたトラブルもあったけど、あのペースは彼の走りに影響を与えてしまった」と、こちらは折り合いをつけなかったことを吐露した。
5着に終わったシャドウゲイトの田中騎手は「逃げなかったことについては悪くなかったと思う。馬の調子は悪くなかったが…」と自分に言い聞かせているようにコメントしていました。
デットーリの代名詞、“フライングディスマウント”
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曽蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官(右)とデットーリ
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最後は花火でイベントを締めました
今年は夏に日本で発生した馬インフルエンザの影響で、日本馬は2頭しか参加しませんでした。来年は大丈夫だと思いますので、来年の今頃、日本馬が勝つことを期待しましょう。以上、香港ナビがお伝えしました。
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記事登録日:2007-12-18