香港セブンズ2022 大会レポート

新型コロナウイルスの影響で2019年以来3年ぶりの開催となった2022年の香港セブンズ。カップ戦を制したのはオーストラリアで、フィジーの6連覇達成を止めました。日本代表は14位でした。

みなさんこんにちは。香港ナビです。香港最大のスポーツイベント、香港セブンズが11月4日から6日まで香港スタジアムで開催されました。メインの「カップ」はオーストラリアが優勝し、フィジーの6連覇にストップをかけました。日本代表は13位決定戦にウルグアイに33-10で敗れました。

3年ぶりのセブンズ。1シーズンで2回行われることに

香港は新型コロナウイルスについて厳しい防疫対策を実施しており、香港セブンズは2020年の大会からは開催されていませんでした。オミクロン株が主流になり、香港もゼロコロナにシフト。9月26日からは政府が指定したホテルでの強制隔離が廃止されました。その結果、香港セブンズはゼロコロナ政策に変えてから開催される初の大きなスポーツの国際大会です。この成功はほかの国際イベントを開けるのかの試金石にもなっている重要な大会となりました。

 7人制ラグビーはコアチームと呼ばれる15カ国プラス、招待チーム(基本的には開催国・地域の代表)の16カ国・地域の代表のワールドシリーズ、来シーズンのコアチーム昇格を決める予選大会が、男女それぞれ12カ国・地域で開かれてきましたが、今大会はコアチームプラス招待チームの16カ国・地域の戦いのみで行われました。

今年のワールドシリーズは香港が開幕戦で、世界各地で試合を行った後、最終第11戦いは2023年5月20日からロンドンで開催されます。香港セブンズは2023年3月31日から4月2日まで第8戦として再び行われます。そう1シーズンに2回行われることが確定しました。その時はコアチーム昇格大会も開催される予定ですので、来年の大会はフルスペックの規模で行われます。つまり、ラグビーの統括団体「ワールドラグビー」が香港セブンズをいかに重要視しているのかがわかります。

カップ戦はオーストラリアが逆転トライでフィジーを撃破

カップの決勝に上がってきたのは、香港セブンズにおいて5連覇を達成してきた常勝軍団のフィジーとラグビー大国の1つオーストラリアです。オーストラリアは香港セブンズで6回優勝していますが、最後の優勝は1988年と34年前です。ただ、オーストラリアは2021-22シーズ-ンチャンピオンでもあり、コロナ禍でも順調に戦力の上積みを図ってきたことが伺えます。
試合は、開始1分にフィジーが早々にトライを決めます。また、前半4分にもトライとその後のゴールも決めて12対0とフィジーがリードして前半を終えます。オーストラリアが逆転するには後半の7分間で3トライを決めなければならないのでフィジーがかなり優勢と思わせました。
後半開始直後の1分、オーストラリアが反撃のトライを決めます。また、さらに後半2分にも連続トライをきめて一気に12対10とオーストラリアが2点差に詰め寄ります。その1分後、フィジーが再びトライを決めて17対10とリードします。しかし、オーストラリアはあきらめません。残り2分でヘンリー・ハチソンがトライを決めて17対15と再び2点差に。スタジアムのボルテージは最高潮になります。
残り30秒、フィジーのボールをジャッカルしたオーストラリアが一気に攻めネイザン・ローソンが左隅にトライを決めます。TMO(ビデオ判定)の結果に持ち込まれましたが、トライと判定。22対17で劇的な逆転勝利を決めました。フィジーは6連覇とはならず、オーストラリアは1988年以来の優勝を決めた瞬間でした。オーストラリア代表のジョン・マネンティ・ヘッドコーチは「サモア、フランス、フィジーという強豪国と戦わなければならなかった。これは本当に特別なことで、私たちは歴史を作った」と喜びを爆発させました。
なお準優勝はフィジー、3位は2019年の準優勝者でオーストラリアに変わって優勝してもおかしくないほど出来の良かったフランスでした。
トライを決めるオーストラリア

トライを決めるオーストラリア

決勝での両チームの入場

決勝での両チームの入場

オーストラリアのサポーター

オーストラリアのサポーター

日本代表は14位

日本代表は予選リーグはプールBで、フィジー、アメリカ、スペインとの対戦となりました。初戦の南ア戦は開始1分に日本が先制トライをあげますが、実力に勝るフィジーがその後圧倒して12-59で敗れました。第2戦の相手はアメリカで、こちらはトライ合戦の様相を呈したのですが、22対35で敗れました。ディフェンスがもう少し良ければ勝てた可能性があった試合でもありました。予選最後のスペイン戦は最初に2トライを献上したことが響き19対33で敗北。予選全敗となり、9位決定戦に回りました。
その相手は、イギリスです。こちらは最初から一方的な試合になり0対29の完封負け。13位決定戦トーナメントに行くことになりました。その相手は地元香港です。地元の大声援という完全アウェーの中、前半5分までに3トライを決め17対0とリード。最後は追い上げを受けましたが24対17で今回の香港セブンズで初勝利を上げました。13位決定戦の最後の相手はウルグアイです。こちらは香港戦とは逆に4トライを先に決められ試合の行方がきまってしまいました。最終的には10対33で敗北し、最終結果は14位となりました。
副島亀里ララボウラティアナラ選手は「出来たばかりのチームということもあるので、細かな点でまだ方向性が決まっていないところもありました。来年のもう1回行われるセブンズでは今より強くなっているので期待してください」と語ってくれました。
盛り上がった日本対香港

盛り上がった日本対香港

タックルを振り切ろうとします

タックルを振り切ろうとします

最後の試合の後、ファンサービスをする日本代表の各選手

最後の試合の後、ファンサービスをする日本代表の各選手

写真で見るセブンズの様子

香港セブンズは7人制ラグビーの祭典ですが、久々の大会ということで、どうなることか心配されましたが、無事、終了しました。それではこれまでの記事同様に写真でその雰囲気を感じてください。
大きな着ぐるみを着た観客

大きな着ぐるみを着た観客

音楽に合わせて踊るファン

音楽に合わせて踊るファン

南スタンドは恒例のコスプレ大会でした

南スタンドは恒例のコスプレ大会でした

ライブバンドによる演奏も

ライブバンドによる演奏も

もちろん日本人サポーターもいました

もちろん日本人サポーターもいました

スタジアム内のようす

スタジアム内のようす

会場裏側にストックされた大量のビール

会場裏側にストックされた大量のビール

これぞラグビーですね

これぞラグビーですね

エルビス・プレスリーの衣装で「流し」をするメルヴィス・ウォンさん。追悼映像が流されました

エルビス・プレスリーの衣装で「流し」をするメルヴィス・ウォンさん。追悼映像が流されました


いかがでしたか?  ゼロコロナになって初の大きなスポーツ大会の国際イベントでしたが、観客の皆さんはこれまで通り楽しんでいたようでした。2023年3月31日から4月2日まで再び行われる香港セブンズはフルスペックでの大会になりますから、本当に楽しみです。以上、香港ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2022-11-16

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