2015年の香港セブンズ。日本代表は世界の厚い壁に跳ね返されました。カップ戦は7人制ラグビー大国フィジーが2年ぶりに優勝しました。
みなさんこんにちは。香港ナビです。香港最大のスポーツイベント、香港セブンスが3月27日から29日まで香港スタジアムで開催されました。カップはフィジーが2年ぶりに優勝を果たしました。日本代表はシールドという下位のトーナメントにまわり、その決勝戦でケニアに敗退しました。
フィジーがニュージーランドを返り討ちにして優勝
今、7人制ラグビーはコアチームと呼ばれる15カ国プラス招待チームの16カ国・地域の代表が世界9カ国・地域で開催される各大会(オーストラリア、日本、アメリカなど)で戦いを繰り広げ、成績に応じて配分されるポイントの合計を競っています。年間ポイントが最下位のチームは自動的にコアチームから脱落します。また、今年は上位4チームが自動的に2016年のリオ五輪の出場資格を得ることにもなっています。香港セブンズはセブンズシリーズの第6戦目にあたり、ここでは通常の試合のほか、来年のコアチーム参加者を決める大会も行われ、勝者が晴れて来年のコアチーム入りを果たします。トップ15の代表はセブンズシリーズの全戦の出場義務が課されているのでよい経験を積むことができます。
厳しい戦いを勝ち抜いて決勝にあがってきたのが昨年の覇者、ニュージーランド。相手はこれまた7人制ラグビーが非常に強いフィジー。香港大会の前のアメリカ大会でも同じカードでそのときはフィジーが勝っています。フィジーが先行した試合は前半8分31秒に決まったトライが試合の流れを決めました。ニュージーランドのパスをフィジーがインターセプト。そのままトライに持ち込んで19対0となったからです。ニュージーランドは気持ちを切らさず前半の最後と後半すぐにトライを決めましたがときすでに遅しでした。最後は33対19でフィジーが勝ちました。
その他の戦いですが、3位は南アフリカ、「プレート」はオーストラリア、「ボウル」はスコットランド、「シールド」はケニアが、コアチームに昇格したチームはロシアでした。
ニュージーランド(黒)とフィジーの厳しい攻防
|
|
ファンに挨拶するフィジーの選手
|
日本代表、世界の壁に跳ね返される
昨年、香港セブンズでコアチーム入りを果たすことに成功した日本代表。日本を除く14チームはすべて日本より格上といってよく、2016年のリオ五輪に向けていい経験を積む機会です。ですが、コアチームが戦うワールドシリーズは全9戦でポイントを争っており、年間ポイントで最下位になるとコアチームの戦いに翌シーズンから参戦できなくなります。ですので、すべての大会でも良い結果を残して是が非でも残留したいところです。
香港セブンズの予選では南アフリカ、フランス、アルゼンチンと同じプールCに入りました。初戦のフランスは24対7、続く南アフリカでは27対0と敗戦。悪く言えば完敗ですし、よく言えば強豪国相手でも以前とは違い点差が何十点も開かなくなりました。予選最後のアルゼンチン戦でも19対14と競り負けて予選全敗となりました。日曜日の初戦はスコットランド。勝てば9~12位決定戦のボウル、負ければ13~16位決定戦もシールドに回ります。そのスコッランドには28対7で負けて、シールドに参戦することになりました。次のベルギーは42対7で圧勝しますが、シールドの決勝で当たったケニアに26対7で敗北し14位で香港セブンズを終えました。これで勝ち点2を得て合計ポイントを7としましたが依然として最下位の15位。14位のポルトガルとは15ポイントもの差あり、残り3戦での逆転は大変厳しいものとなりました。
瀬川智弘ヘッドコーチは「私たちは100点以上だして初めて世界と戦えるレベルにあると思う。フランスでは70点くらいだった。そういう意味でも持てる力を出さないと勝てないということです」とコメントしました。ラグビーを含めあらゆるプロスポーツでは相手に力を発揮させないための対策をしっかりとやってきますので、格上相手への戦いがどれだけ大変かということを改めて感じさせてくれました。
YMCAで盛り上がったヴィレッジ・ピープルのコンサート
2013年から始まった土曜日のエンターテインメントイベントは大好評で、2013年はザ・ビーチ・ボーイズ、2014年はクイーンをテーマにしたがコンサートが行われました。そして今年はあのヴィレッジ・ピープル。日本でも40代以上の人なら『In the Navy』や『Go West』を聞いた人が多いはずです。そして、彼らの最大のヒット曲とも言えるのが『Y.M.C.A.』。日本では西城秀樹が『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』で1979年に大ヒットを飛ばしましたが、彼らがオリジナル。会場ではこの曲が流れるとYMCAの振り付けつきで会場全体がいったいとなり大変盛り上がりました。これは1978年の曲ですが、YouTubeで5400万回再生されているだけあって当時を知らない今の10代から30代の人たちも一緒に歌ったときは彼らの偉大さを感じずにはいられませんでした。
さすがオーラがあります
|
|
会場全体でYMCAの振り付けをしました
|
日本人審判に話を聞きました
今回のセブンズでは大槻卓さんという方が審判団の1人として笛を吹いていました。日本ではトップリーグの笛も吹くという大槻さんに話を聞いてみました。「高校の教員として赴任したとき、ラグビーを指導したいと思っていたのですが、その高校にラグビー部がなかったんです。ではどうラグビーと関わるかなと考えたときに審判をやってみようと思いました」。7人制と15人制では同じラグビーとはいえ別の競技に近いものがありますがその辺を聞いてみました。「7人制は試合時間が短いですが、スプリントする回数が多いので肉体的には非常にきついです。1試合終わったあと、また数時間後に次の試合を吹かなければならないので、オンとオフの切り替えをしっかりしないと精神的にも厳しくなります」と語ります。オリンピックについて聞いてみました。「ほとんどの審判はイングランドやフランス、オーストラリア、ニュージーランドの競合国ばかりの人たちでそれ以外は私くらいなのです。どの審判もオリンピックに出たいと思いますから、責任もって試合を裁いて選ばれるようにがんばっていきたいです」と意気込みを語ってくれました。
試合をコントロールするためにさじ加減が大事だそうです
|
|
一定の距離をとってしっかりと様子を見ます
|
写真で見るセブンズの様子
日本代表のサポーター
セブンズは単なる7人制ラグビーの大会はほかの7人制ラグビーとは違う雰囲気を持っていると選手も大槻審判も話しています。それはファンが楽しもうとしているからでしょう。写真でその雰囲気を感じてください。
いかがでしたか? 日本は残念な結果に終わってしまいましたが、その一方で日本人審判がセブンズで主審を務めるなどがんばっています。日本で15人制のラグビーも開かれますし、また日本人の活躍を期待したいところです。以上、香港ナビがお伝えしました。
関連タグ:
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2015-04-02