港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge)をつかって香港からマカオに渡ってみよう!!

2018年10月23日に開通した香港とマカオ、珠海を結ぶ港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge)。橋を利用した香港からマカオへの行き方を紹介します!

みなさんこんにちは、香港ナビです。2018年10月23日に香港とマカオ、珠海を結ぶ港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge)が完成しました。これまでマカオと珠海への行き方は基本的に約1時間かけてフェリーを利用してきましたが、陸路という新しい行き方が増えます。今回、この大橋を利用して香港からマカオへの行き方を紹介したいと思います。

港珠澳大橋の概要

港珠澳大橋香港口岸旅検大楼の外観

港珠澳大橋香港口岸旅検大楼の外観

この橋は、2009年12月15日に珠海側から着工しました。全長約55キロとサンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジの15倍もの長さがあります。香港側=香港接線(Hong Kong Link Road)が約12キロ、海底トンネルが約7キロ、メインともいえるマカオ側(海底トンネルの西側)の海上橋が約23キロなどとなっています。途中に海底トンネルがあり、その入口に大きな建物があるので東京湾アクアラインのように感じるかも知れません。片側3車線で、中国にあわせて右側通行になっていますが、鉄道用の線路は併設されていません。想定速度は100キロ、錆を防ぐために特殊舗装を施し、120年の耐用年数があります。海底トンネルを作ったのは大型客船と海洋生物のための環境を考慮したjからです。また、橋も30万トン大型船と15万トンのコンテナ船が通れるような橋脚の間隔と高さに設計されています。豆知識としては建設のために使ったスチールは42万トンでエッフェル塔60個分、道路表面の面積は70万平方メートルでサッカーフィールド98個分というまさに巨大建築物です。橋自体の走行時間は30~40分を想定しています。

香港からマカオに向かう場合ですが、東涌(Tung Chung)や香港国際空港の東側に作られた人工島に向かいます。人工島には「港珠澳大橋香港口岸旅検大楼(HZMB Hong Kong Port Passenger Clearance Building)」という出入境管理所があり、まずパスポートのチェックを受けます。税関を抜けるとシャトルバス乗り場があり、それに乗って香港接線を走り、海底トンネルにはいります。トンネルを抜けると海上橋となり、マカオの東側に作られた人工島にある税関でパスポートチェックとなります。税関を抜けるとまた、民間企業による普通のバスターミナルがあり、バスに乗ってそしてマカオ市街に出るというのが基本です。

1、香港市街からの税関まで

ここからは具体的に説明したいと思います。香港側への人口島がある税関への行き方ですが、空港行きのA11などの「A」または深夜便の「NA」が香港国際空港の第1、第2ターミナルのあとに「港珠澳大橋旅検大楼(HZNB Passenger Clearance)」というバス停が追加されたので、そこで下車します。専用シャトルバスも3路線開設されます。「B4」は港珠澳大橋旅検大楼と香港国際空港、「B5」が同大楼とMTR欣澳站(Sunny Bay)駅、「B6」は同大楼と東涌(Tung Chung)の滿東邨(Mun Tung Estate)です。専用のミニバスも作られ、「901」は同大楼と東涌北(Tung Chung North)を結びます。

今回ナビは、MTR東涌線(Tung Chung Line)に乗り、欣澳站で下車しました。この駅は香港ディズニーランド行きの乗り換え駅としても有名です。駅のA出口に行くと目の前にB5のバスのサインがありますので、それに沿って歩きます。すると右奥にバス停が現れますで、バスが来たらそれに乗ります。道中は香港国際空港に向かう「お馴染み」の道路をバスは走り、途中で税関に向かう道路に入ります。すると、これまでとは違う光景で“開発の歴史の香港”という印象を受けます。
欣澳站のA出口

欣澳站のA出口

出口正面にB5という路線のバスの看板がみえます

出口正面にB5という路線のバスの看板がみえます

標識に沿って進みます

標識に沿って進みます

B5のバスに乗ります

B5のバスに乗ります

バスからの眺め

バスからの眺め

税関に到着です

税関に到着です

2、港珠澳大橋旅検大楼からバス乗車まで

税関の入口

税関の入口

所要時間約20分で港珠澳大橋旅検大楼に到着します。大楼内は巨大な建物で、観光客の人は「訪客(Visitors)」の列に並んでください。状況によってパスポートチェックをする人を増やしているので、大勢の観光客がいてもそれほど長時間並ぶことはないと思います。パスポートチェックを抜けてしばらく歩くと、左手にマカオ行きのシャトルバスの自動販売機があります。支払方法は現金ではなく、電子マネーの八達通(Octopus)、アリババが提供する「支付宝(Alipay)」と中国の巨大IT起業テンセントによる「微信支付(WeChatPay)」とのサービスを利用できます。電子マネーによる支払が無理な方は右側にカウンターによるチケット販売所があるのでそちらに向かって下さい。料金は片道65ドルです。チケットを買って大楼を抜けると左手に向かってください。こちらがマカオ行きのシャトルバス乗り場です。バスはラッシュアワー時で最長でも5分間隔、それ以外は10~15分間隔、夜間0時~6時は15~30分間隔なのでそれほど多く待つ必要はありません。
税関内部のようす

税関内部のようす

パスポートチェックを受けた後に現れるシャトルバスのチケット販売機

パスポートチェックを受けた後に現れるシャトルバスのチケット販売機

右手にはカウンターでシャトルバスのチケットが買えます

右手にはカウンターでシャトルバスのチケットが買えます

バスのチケットはこんな感じです

バスのチケットはこんな感じです

澳門とはマカオの事です

澳門とはマカオの事です

税関を出て左に向かいます

税関を出て左に向かいます

大体、人が歩いているので一緒に歩いていきましょう

大体、人が歩いているので一緒に歩いていきましょう

持ち込み可能ら旅行鞄のサイズ

持ち込み可能ら旅行鞄のサイズ

シャトルバスはこんな感じです

シャトルバスはこんな感じです

3、シャトルバス乗車からマカオの港珠澳大橋澳門邊検大楼まで

小さな島々

小さな島々

シャトルバス自体は観光バスのような感じで、これといって特徴はありません。動きだしたら香港国際空港を右手にマカオに向かっていきます。途中で右側に橋が大きく曲がるのですが、その奥には東京湾アクアラインでいう「海ほたる」のような建物が見えます。建物はどんどん近付いてきますが、建物には寄らず、そこから地下トンネルが始まります。トンネルは7キロほどですからあっという間。5分位です。トンネルを抜けると海上橋が再び始まります。窓の両サイドとも海が広がっています。時折、船を航行しているのが見えます。後半なると小島群が現れ、その奥には珠海の街が見えて来ます。街並みがどんどん大きくなってきたころに珠海の税関が右手に現れ、珠海行きのバスはそちらの方に曲がっていきます。マカオは左側の道で、珠海の税関が見えて数分でマカオ側の税関である「珠澳大橋澳門邊検大楼(Posto Fronteirico Da Ponte Hong Kong-Zhuhai-Macau)」に到着します(マカオと珠海の税関は人工島を共有しているのでほぼ隣同士)。
シャトルバス内のようす

シャトルバス内のようす

橋の奥に地下トンネルの入口でもある建物が見えます

橋の奥に地下トンネルの入口でもある建物が見えます

バスからの眺め

バスからの眺め

マカオの税関前

マカオの税関前

税関西側のシャトルバス用ターミナルの配置

税関西側のシャトルバス用ターミナルの配置

港珠澳大橋澳門邊検大楼

港珠澳大橋澳門邊検大楼

4、港珠澳大橋澳門邊検大楼からマカオ市街行きのバスに乗るまで(公共バス編)

シャトルバスがマカオ側に到着して、下車したら港珠澳大橋澳門邊検大楼に向かい「入境(Arrivals)」と書いてある標識に向かって進みます。ここの税関も非常大きくエスカレーターに乗るのですが、やけに長いです。香港と同じように「訪客(Visitors)」と書いてあるところでパスポートチェックを受けて下さい。それを抜けるとロビーに到着です。ロビーを出ると向かって左手にマカオ行きのバスのターミナルが現れます。路線は2つ。「101X」はリスボアホテルや、ポンテ16、セナド広場に向かう路線です。もう1つは「102X」で、リスボア、サンズ・マカオ、ウィン・マカオ、タイパのビレッジ方面に向かうバスです。ヴェネチアンなどのコタイ・ストリップ沿いにあるホテルには向かわないので、気をつけてください。料金は両方とも6パタカです。

そこでナビが感じたのは、マカオ市街を走るこの2路線はマカオの交通渋滞の影響で結構所要時間がかかることです。このことを頭の片隅に入れておくと良いでしょう。
長いエスカレーター

長いエスカレーター

税関を抜けた後のロビー

税関を抜けた後のロビー

各公共機関の配置を示す標識

各公共機関の配置を示す標識

公共バス乗り場への案内標識

公共バス乗り場への案内標識

この2つの路線が走っています

この2つの路線が走っています

102Xのバス

102Xのバス

5、港珠澳大橋澳門邊検大楼からIRリゾート行きのバスに乗るまで(マカオ・フェリーターミナル行き)

「H3」の娯楽場巴士上客区に向かいます

「H3」の娯楽場巴士上客区に向かいます

今度はIRリゾートが運営し、無料で利用できるシャトルバスの利用方法です。マカオ側にあるカジノ行きとタイパ側にあるカジノの行きの2つがあります。まずは、マカオ半島にあるカジノ行きバスの利用方法です。

ロビーを出ると標識に「H3」=娯楽場巴士上客区というのが見えますのでそちらに向かいます。その奥に、「外港客運碼頭(Macau Ferry Terminal)」という看板がみえてくるので、そちらに向かいます。看板のには対応するカジノリゾートのリストがあります。道なりに進んで行きます。バス停の前で待っていると白いバスがやって来るのでそれに乗り込みます。バスには「港珠大橋綜合度假村接駁線(Hong Kong Zuhai Macau Bridge Integrated Resort Connection)」という看板が掲げられています。運転開始後はどこのバス停にもとまらず、マカオのフェリーターミナル前にあるカジノリゾート用シャトルバスが集まっているターミナルに到着します。ここから目的のカジノのシャトルバスに乗り換えて下さい。
この標識に沿って進みます

この標識に沿って進みます

シャトルバスがやってきました

シャトルバスがやってきました

港珠大橋綜合度假村接駁線(Hong Kong Zuhai Macau Bridge Integrated Resort Connection)と掲げられています

港珠大橋綜合度假村接駁線(Hong Kong Zuhai Macau Bridge Integrated Resort Connection)と掲げられています

シャトルバス内部のようす

シャトルバス内部のようす

マカオ・フェリーターミナル前にあるカジノリゾートのバスが集まっているターミナルに到着します

マカオ・フェリーターミナル前にあるカジノリゾートのバスが集まっているターミナルに到着します

ここから希望のカジノリゾートのバスに乗り込んでください

ここから希望のカジノリゾートのバスに乗り込んでください

6、港珠澳大橋澳門邊検大楼からIRリゾート行きのバスに乗るまで(タイパ・フェリーターミナル行き)

「H3」の娯楽場巴士上客区に向かいます

「H3」の娯楽場巴士上客区に向かいます

タイパにあるカジノ行きバスに乗る場合ですが、タイパにあるカジノ行きバスに乗る場合ですが、ロビーを出て標識にある「H3」=娯楽場巴士上客区に向かいます。奥に「氹仔客運碼頭(Taipa Ferry Terminal)」という標識が掲げられているので、それに沿って進みます。こちらにも該当するIRリゾートの名前が漢字だけではありますが書かれています。標識に沿って進みます。バス停の前で待っていると白いシャトルバスが現れます。こちらのバスにも「港珠大橋綜合度假村接駁線(Hong Kong Zuhai Macau Bridge Integrated Resort Connection)」の文字が書かれています。バスに乗り込みます。マカオ・フェリーターミナル行きと同じくどこのバス停にも寄らずタイパのフェリーターミナル前にあるIRリゾート行きのバスターミナルに到着します。ここから各IRリゾートに向かうシャトルバスに乗り換えてください。
氹仔客運碼頭(Taipa Ferry Terminal)という標識が現れます

氹仔客運碼頭(Taipa Ferry Terminal)という標識が現れます

標識に沿って歩きます

標識に沿って歩きます

該当するIRリゾートの名前が漢字で書かれています

該当するIRリゾートの名前が漢字で書かれています

さらに道に沿って進みます

さらに道に沿って進みます

こちらのバスがシャトルバスです

こちらのバスがシャトルバスです

タイパ側のターミナル。ここから目的のIRリゾートのシャトルバスに乗り換えてください

タイパ側のターミナル。ここから目的のIRリゾートのシャトルバスに乗り換えてください


いかがでしたか? トータルの料金は橋を渡るシャトルバスの65ドルプラス、香港の人口島に向かうための交通機関とマカオ市街に向かうバスの乗車料ですから、計100ドルもかからないのでマカオ行きのフェリーより安いです。ざっくりですが、欣澳站からマカオの税関を抜けるまでの所要時間は約90分でした。バスや税関の運営自体は特に混乱もなく非常にスムーズです。マカオの北部にバスが到着するので、市街地を通り抜けて目的地までそこそこ時間がかかるので、実はフェリーの方が所要時間が短いかもしれません。時間重視か、予算重視か…人ぞれぞれだと思いますが、利用してみる価値はあると思います。以上、香港ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2019-01-29

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