香港芸術節レポート2006に行ってきました!

香港は今まさにアートな季節! というわけで、私が実際に見てきました!

こんにちは。香港ナビのパフォーミングアーツ担当!?yucatです。香港で毎年2月の初めから1ヶ月ほどに亘って行なわれる"香港芸術節"は世界中からアーティストが来港し、公演のみならず、ワークショップや講演を行なうなど、観客が直接アーティストと触れ合う機会が盛り込まれ、活気のあるアートフェスティバルとして、定着しています。今回は2つの公演を鑑賞して参りましたので、早速ご紹介したいと思います!

2. まずは、2月12日に行なわれたイギリスの"バーミンガムロイヤルバレエ"の公演、"美女と野獣"のリポートから。

九龍の先端、尖沙咀にある香港で最も大きな劇場"香港文化中心大劇院"で行なわれました。
ロビーもチケット売り場も芸術節一色になっていて、ポスターや垂れ幕などの飾り付けも華やかなムードです。4階まで吹き抜けになっているロビーは広々としており、同じ建物の中には、コンサートや演奏会専用の"音樂廳"やキャパシティが400人程度のシアターもあります。
香港では、大体の公演は、夜8時から始まるのがほとんどで、公演時間によっては7時半からの場合もあります。日本と比べると、開演時間が遅いですね。それに、日本と違って開場時間というのも正確に決められていないので、開演の10分くらい前に観客も集まり始める感じです。
だから、開演時間も多少遅れたり、遅刻者も多い!(でも、時間にルーズなのは、香港の習慣でしょうか….)今日の公演は、間に25分間の休憩を含んで2時間の予定で、7時半からの開演です。
また、仮設のバーもあって、休憩時間などに飲み物や軽食を楽しむのも特徴です。これはイギリス文化の影響でしょうか、それともスポンサーの社交の場になっている部分もありますね。
この日も会場で、テレビのニュースでおなじみの政府の高官や、議員などが握手しながら席に着く光景を目にしました。また今年限りで退任する香港バレエ団の芸術監督スティーブンジェフリーズとダンサーたちも見かけました。肝心の内容はといいますと……

誰もが知っている内容だけに、いかに明確にバレエとしてストーリーを展開させていくかがキーになっていると思うのですが、前半は、現芸術監督であるデビット・ビントレイの振付や、今回初めてバレエの作曲を手がけたグレン・ブーハーの音楽にも盛り上がりが欠け、全体に平坦すぎて観客も正直だれてしまった感じ。舞台セットだけが重厚で救われたものの………..休憩を挟んで、後半はユーモア溢れるシーンで多少の盛り上がりを見せたものの、芸術節唯一のバレエ公演にしては、期待はずれモードは否めませんでした。

この日主役を務めた二人、ロバート・パーカーは、身体が小さくて野獣としては野性味にかけ迫力がなく、エリシャ・ウィルスは、美女ベルとしてはお子様っぽすぎて、凛とした気丈なイメージから程遠く、プリンシパルとしてのレベルもイマイチ…..(日本人プリンシパル、佐久間奈緒さんの踊りが観たかったです、残念)と、辛口批評になってしまいましたが、いろいろ観ないとわかりませんもんね、一流かそうでないかは。だから、高い月謝を払うんですけれど。

3. 続いては、2月15日に行われた、これまたイギリスの劇団"ナショナルシアターオブブリテン"のお芝居、"ザ・ヒストリーボーイズ

今回の会場は、香港島の灣仔にある"香港演藝學院歌劇院"(香港唯一の公立芸術学校の中の劇場)。学校の施設の中にあるので、学生が出入りしていたりと、開放的な雰囲気です。お隣に小規模の劇場があり、入り口が同じなので間違えやすいので注意です!

またロビーにはコスチュームが展示してあったり、学生が利用する図書館があったりします。 本日は、20分の休憩を含んで2時間45分の公演ということもあって、やはり開演は7時半。さすがに今日はどこを向いても、英語が母国語の観客でいっぱい。学生生活をつづった内容ということもあって、若い年代のグループも多く見られました。
かく言う私はといえば、英語は全部聞き取れるほど得意ではございませんし(おまけに生粋のブリティッシュイングリッシュだー!)、かといって字幕の中文も完璧ではないという二重苦を背負いながらもやってきたのは、ストーリーが8人の男子学生の学生生活だったから!?はたまた、学生役の男優の写真が魅力的だったから!?…….どちらも正解!

舞台転換にビデオ映像を使った映画感覚の新鮮さや、簡単な舞台背景をうまく使った場面構成は、効果的で単調になりがちなストリートプレイに花を添えた感じ。加えて芸達者で、それでいて演じすぎたわざとらしさや嫌味のない学生ぶりを好演した8人と、重厚で対照的なおとなのずるさ加減を演じてみせた4人の俳優陣や、しっかりと書かれた脚本は観客に"ブラボー"を叫ばせる値打ちあり。私も、もっとイギリス文化&英語が理解できれば…….しかし、そうでない私も居眠りせずに、没頭させた舞台は本物です。

まだまだ、これはほんの始まり。大好きなジャスの公演や楽しみにしているベルギーのコンテンポラリーダンスカンパニー"ローザス"(あいにく、芸術監督のアンヌ・ケース・マイケルが体調不良のため、来港できなくなり、ソロ公演をキャンセルするという通知をうけたところ!!ショックです…….)は、ワークショップにも参加します。というわけで、まだまだアートな日々が続くyucatがレポート致しました。
ちなみに、劇場はほとんどが写真撮影が禁止されているので、なかなかきれいなショットが撮れないのが残念ですが、これからも、ホットな香港のパフォーミングアーツ事情をお伝えしていきたいと思っています!!

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-02-27

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