横浜中華街で感じる香港、その1-手作り中華菓子の店 『紅棉』

忘れられない香港の味を日本でも。人も味もやさしくあたたかい紅棉(こうめん)の名物エッグタルト

こんにちは!香港ナビ勝手に横浜支局です。香港の食、香港の風景、「忘れられない香港」って誰にも必ずありますよね。香港は大好きだけれど、「行きたいときにはすぐに行く」ってことが可能な方は少ないはず。「香港へ行きたいなぁ」ってため息混じりの声がでちゃう、そんなほんのり香港が恋しくなったときに、身近で「香港」に再会できたらうれしいですよね。今回からはじまりました、この『横浜中華街で感じる香港』は、その名のとおり、横浜中華街で食べられる、見られる香港を紹介していく新シリーズです。
第1回目は、横浜中華街に店舗を構えて50年の紅棉(こうめん)から、サクッとプルっとの見た目からして癒し系の香港スイーツ、エッグタルトをご紹介します!食べ比べランキングから香港で何件も食べ歩いた方も多いはず。そんな記憶をたどりながら、紅棉のエッグタルトをいただいてみましょう!

新鮮で安全。伝統技法を守り抜いています。

紅棉が関帝廟通りのこの地に創業したのは1952年。根を下ろしたときから50年以上、中華菓子、点心一筋で営業してきました。わずか8人のスタッフで毎日10~15種類を作り上げるという少数精鋭主義で、創業当初からの「新鮮な食材を使う」「保存料などの添加物などは一切使わない」「伝統的技法ですべて手作りする」という教えを守り続けています。

香港の職人から学んだエッグタルト

創業と同時に作り始めたエッグタルトは、当初香港から呼び寄せた職人と共に作っていました。香港とは湿度が大きく異なる日本の気候にあった作り方を試行錯誤し、現在のレシピへとたどり着くまでにはかなりの苦労があったそうです。現在は香港人スタッフはいないそうですが、本場の味を元に、日本の風土にあった味となったエッグタルトは1日に200~250個ほど焼き上げられる人気商品となっています。
味と共に気を使うのが形。型からはずすタイミングにとても神経をつかうそうです。パイ生地の中でふっくらふくれたプリン部分が、冷めていくことで少し沈んだような形になっていくのですが、急激な冷気にふれると沈みすぎてひび割れてしまうこともあり、特に冬場はその日の天気だけでなく微妙な気温の変化なども考慮しての作業になるのだとか。“感覚”を大切にしたこの微妙な作業は、手作りだからできる心配りですよね。
また、こちらのエッグタルトには「プリンパイ」という通称がついています。気取りのない庶民的な響きが耳に気持ちいいですね。商品プレートには「蛋達(タンター)」と書かれているものの、年輩の常連さんなどは「プリンパイちょうだい!」と声をかけてくるそうです。値段は1個150円。

焼きたてを食べたかったら・・

店頭に並んだエッグタルトは次々と売れていきますが、慌てなくても大丈夫。お店の奥が厨房になっているため、売れ行きを見ながら焼き上げてくれます。もし焼きたてアツアツを食べたいと思ったら、焼き上がり時間を聞いてみましょう。待つ間は、椰子達(ココナッツタルト)や馬拉榚(中華蒸しパン)などを食べながら、近くの関帝廟をお参りしたり、街をくるりと巡ってみてはいかが? まとめ買いをしたい方は電話予約が確実ですよ!

全て手書きのお品書きにこだわりを感じます

商品にはひとつひとつ手書きのプレートがついています。お店の奥に目をやると、そこにもまた手書きのお品書きが。お菓子のみならず、お店そのものも手作りのあたたかみが満ちあふれています。
他店では店先を飾る動物や花を象った細工菓子が目を引く中、「うちのお菓子は丸い形ばかりで~」と申し訳ないといった風にいいますが、何にも代え難い「安心」「安全」を守り続けるほうが、どれだけ手間がかかるか、どれだけ大切なことか!「食の安全性」が強く問われている今だからこそ、それこそがありがたいこととして実感できるのではないでしょうか。

そんな頑固とも言える仕事にこだわる紅棉の代表であり全てのお菓子点心を手がける職人でもある譚泰雄さんは、厨房を離れるととってもやわらかな笑顔。店頭で接客している奥さまの齢子さんは「エッグタルトが毎日食べられると思ってお嫁にきたのよ」とかわいらしいエピソードを披露してくださいました。
ひとつひとつ手作りして店頭に並べ、接客販売もして、品切れになればまた手作りして…とかなりの重労働のはずなのに、紅棉のスタッフのみなさんは、みなさんとってもにこやか。柔らかな笑顔と会話でお菓子とお客様に接しています。「あたたかい」という言葉が、ぴったりの紅棉で、50年伝わってきたエッグタルトを頬ばりながら香港に思いを馳せてみてはいかがですか? そして紅棉のエッグタルトを満喫したら、またぜひ香港にも遊びに来てね! 以上、香港ナビ勝手に横浜支局がお伝えしました!

その他情報

■紅棉
神奈川県横浜市中区山下町190(関帝廟通り、山下町公園斜め前)
TEL:045-651-2210
FAX:045-662-0078
営業時間:10:00〜20:00
休業日はお問い合わせください。
ホームページ:http://www.koumen.co.jp

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-02-21

ページTOPへ▲

その他の記事を見る