香港セブンズ2013 大会レポート

香港のスポーツの最大イベントといえば7人制ラグビーの香港セブンス。フィジーがウェールズを下し大会2連覇を果たしました!

みなさんこんにちは。香港ナビです。大寒波に見舞われた日本とは違い今年の香港は暖かい冬でした。そんな冬から春に変わる季節に香港最大のスポーツイベンの香港セブンスが香港スタジアムで毎年開催されています。今年は3月22日から24日まで行われました。

フォーマット変更で参加チームと試合数が増加

セブンスラグビーは10月のオーストラリアを皮切りに5月のイングランド大会まで世界各地を転戦しながら戦っている7人制ラグビーのシリーズです。優勝、準優勝など各順位ごとにポイントが振り分けられ総合優勝を狙います。2012-13シーズンは9カ国と地域で行われ、香港は第6戦にあたります。翌週には東京でセブンスが開かれるのでちょっとしたアジアシリーズの様相を呈しています。
昨年から新しいフォーマットで運営されているのですが、その2年目という本格導入のシーズンです。これまで24カ国で香港セブンスは行われていました。新フォーマットではコアチームと呼ばれる16チーム(うち15チームは固定で、残り1チームは地元枠やアジアンセブンスシリーズの勝者などが参加)で行われる「シリーズ」とコアチーム昇格を狙う「プレ予選(12チーム)」に分かれます。つまり計28チームとなるのでこれまでより4チーム増え、試合数も増加することになります。特に最終日の日曜日は第1試合からプレ予選、ボウル、カップなど各カテゴリーの準々決勝がはじまります。予選リーグとは違いトーナメント方式になりますので気の抜けない戦いが一日中行われることになりました。
迫力のトライ

迫力のトライ

ウォームアップも真剣

ウォームアップも真剣

ザ・ビーチ・ボーイズがライブコンサートを

今も昔も変わりません

今も昔も変わりません

フォーマット変更は土曜日のスケジュールにも影響を与えました。これまでの土曜日とと比べて少し時間的余裕ができたのです。主催者はここで嗜好を凝らし、アメリカの伝説的ロックバンドであるザ・ビーチ・ボーイズのコンサートを開催させました。1960年代初頭に結成され、イギリスのビートルズ、アメリカのザ・ビーチ・ボーイズなどとも言われたことでも知られています。その間にメンバーが入れ替わったり、解散の危機があったとはいえ、結成から半世紀をすぎても未だに活動を続けているのは驚異的ですね。代表曲の『サーフィンUSA』のほか『I Get Around』などのヒット曲を演奏。当時を知らなくても懐メロやCMなどどこかで聴いた曲ばかりで、老若男女の観衆は約30分のライブパフォーマンスを楽しんでいました。ステージはフィールドではなく北スタンド側に設けられたため、多くの観客にとって彼らの姿はあまりにも遠く、音楽しか聞こえなかったという声もちらほらあがりましたので、主催者は来年、どうにか対応してくるでしょう。
もちろん、反対側の南スタンドは例年通りコスプレ大会状態で、現場に行くとビールのにおいがプンプンしていましたし、スポンサー企業はペインティングや写真撮影などのイベントも開催しており、これまで以上に見どころたくさんのイベントになったと言えるでしょう。
カップルで気合が入ってます

カップルで気合が入ってます

気前よく撮影に応じてくれました

気前よく撮影に応じてくれました

他にコスプレーヤーからも一緒に撮影をせがまれていました

他にコスプレーヤーからも一緒に撮影をせがまれていました

ビール売り場は大忙し

ビール売り場は大忙し

こちらはスポンサーエリア

こちらはスポンサーエリア

ウェーブも起こりました

ウェーブも起こりました

試合を決めたトライ

試合を決めたトライ

話を試合に戻しましょう。16チームのシリーズはまず4チーム、4グループに分けて予選を行います。ほとんどが強豪国といっていいので、予選から厳しい戦いが始まります。例えばプールAには南アフリカ、ウェールズ、アルゼンチン、オーストラリアが入りましたが、これを見るだけで死のグループだと認識できます。
香港セブンスの優勝者を決める「カップ戦」。決勝トーナメントに進んだのはウェールズ、カナダ、ポルトガル、ケニア、フィジー、オーストラリア、ニュージーランド、サモアでした。昨年決勝トーナメントに進出したアルゼンチン、イングランド、南アフリカの3カ国はいずれも強豪国ですが、今回は下位決定戦に回ったことから、上記のように予選を勝ち抜くのは大変だということがわかると思います。
事実上決勝戦と思われたのが、準決勝のフィジー対ニュージーランドです。香港セブンスで優勝13回のフィジーと10回のニュージー。昨年は接戦でしたが、今年は33対14でフィジーが勝ちました。決勝はフィジーとウェールズです。ウェールズは「シックス・ネイションズ」を構成する伝統国です。しかし、彼らには失礼ですが組み合わせも手伝って決勝まで上がってきたと考えていた関係者は多かったようですので、フィジーが楽に優勝すると考えられていました。
ところが、先に点を取ったのはウェールズでした。開始1分10秒にいきなりトライを奪います。ウェールズはさらに攻め立て2分43秒、8分10秒と続けざまにトライを決め、前半終了時には19対0でフィジーをリードするという予想だにしない展開となりました。後半に入ると、落ち着きを取り戻したのかフィジーが反撃に出て、後半1分22秒からの約2分半で3トライを決め19対19と一気に追いつきます。フィジーの走力、攻撃力は止めようもないという感じでした。この勢いで逆転かと思われましたが、ウェールズが踏ん張り同点のまま。延長戦も視野に入った試合終了直前にフィジーがゴール中央にトライを決め大会2連覇を果たしました。
アリヴィレティ・デレ・ヘッドコーチは前半終了後に「“ゲームプランを思い出せ”といった。そうしてプレーしているうちに選手はリズムを掴んだ」と語りました。
他のカテゴリーの結果ですが「プレート」はサモア、「ボウル」はイングランド、「シールド」はフランスとなっています。
サインにも応じるフィジーの選手

サインにも応じるフィジーの選手

フィジーの応援団

フィジーの応援団

殿堂入りも果たしたフィジーの伝説的選手、ワイサレ・セレビ

殿堂入りも果たしたフィジーの伝説的選手、ワイサレ・セレビ

日本はコアチーム入りを逃す

日本代表の勇姿

日本代表の勇姿

プレ予選で戦うチームは当然、コアチーム入りを狙います。日本代表もこれを最大の目標としています。初戦はブラジルに逆転勝ち。2戦目のジャマイカは43対0と圧勝。3戦目のグルジアも26対7で勝ち、予選を3戦全勝で終えました。昨年まで率いていた村田亙ヘッドコーチの後を継いだ瀬川智広ヘッドコーチは選手の怪我などの誤算がありますが、手ごたえを感じているようでした。
決勝トーナメントの初戦は、前日戦ったグルジアです。グルジアは前日の敗北から日本を研究し、前日夜に雨が降ったことも計算して戦い方を変えてきました。その結果、信じられないことに日本は17対0の完封負けを喫してしまいます。瀬川ヘッドコーチは「自分たちのリズムでアタックできず、最後はボールを動かせませんでした」と話し、「3日間を通じて戦うという体力の問題が、チームとしても、個々にしても大きかったです」とも語りました。翌週末に開催される東京セブンズでの雪辱に期待しましょう。
選手は大きいだけでなく速さも備えています

選手は大きいだけでなく速さも備えています

上から見ると戦術も見えてきます

上から見ると戦術も見えてきます

毎年恒例、写真で振り返るセブンス

いかがでしたか? 雨が降ったこともあり例年より盛り上がりに欠ける大会となってしまいましたが、ゲームそのものは非常に盛り上がり、熱い戦いが行われていました。最後は昨年同様、写真を載せますので、香港セブンスの雰囲気をつかんでください。以上、香港ナビがお伝えしました
入場行進

入場行進

このコスプレも目立っていました

このコスプレも目立っていました

北スタンドに新設されたスポンサー用の建物

北スタンドに新設されたスポンサー用の建物

南スタンドは満席

南スタンドは満席

彼女たちも南スタンドに行くために長く待っているのでしょう

彼女たちも南スタンドに行くために長く待っているのでしょう

線審を務めているのは香港人女性審判

線審を務めているのは香港人女性審判

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2013-03-28

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