【旧暦8月15日】中秋節

一年の中でも最も大きな行事のひとつ、中秋節を、香港人レポーター百瑯さんが紹介します!ロマンチックな中秋節をぜひお楽しみください。

こんにちは!香港ナビです。毎年、旧暦8月15日(2006年は西暦の10月6日)は、東南アジアで旧正月(春節)の次に重視されている伝統行事“中秋節”です。

中国の暦法では、旧暦8月は秋に入っての2ヶ月目の月で、昔から「仲秋」とよばれています。一般的には「中秋」または「秋夕」、「8月節」、「8月半」、「月夕」、「月節」ともよばれます。中秋の夜の満月は特に丸いとされ、昔の人々は満月を団らんのシンボルにして“団欒(らん)節”ともよんでいました。故往今来、ロマンチックな詩人たちは“満月”、“弦月”を人生の喜び、悲しみ、出会いと別れに例えるのが好きだったようです。また外国に移住した人たちや旅人も、この時期になると、月に託した思念や気持ちを故郷の家族へ伝えます。今でも、家族の団欒や、恋人達のデートのような大事なイベントは庶民の生活の中に定着しています。

中秋節は壮大な時代劇とロマンチックなラブストーリーから生まれた美しいイベント。

中秋節の由来はいくつかの説がありますが、民俗的神話や食べ物の月餅にも関わっています。

● 中秋の夜の月餅
1271年から1368年まで中国を支配したモンゴル帝国元朝(げんちょう)に対抗した漢民族は、ついに中秋8月15日の夜にクーデターを起すことを決意。厳密監視の下で計画が敵にばれないよう、ある兵士がいいアイデアを思いつきました。月餅の中に“八月十五、家家斉動手”(8月15日に皆一緒に反抗しよう)と書いたメモを入れ、各地に配ったのです。そして中秋の夜にそれらの月餅を食べた人々は、包丁などの刃物を取ってクーデターを起こしました。それ以来、その日を記念する為、月餅を食べる習慣が生まれたのです。
写真提供:森山正明さん

写真提供:森山正明さん

● 月に昇った嫦娥 
もうひとつよく知られているのは“嫦娥奔月”の伝説です。話は太古の時代に遡ります。その時代、空には太陽が10個もあり、猛烈な陽射しのせいで田は焼きつき植物は枯れ、人々は大変苦しんでいました。そこで、人々を救う為に后羿という勇猛な射手が太陽に向かって矢を放ち、9個の太陽を打ち落としたのです。すると気温は下がり、皆は助かりました。

その後、后羿は嫦娥という女性を嫁にして幸せな生活を送っていました。ある日、后羿はふとしたことから長寿の薬“仙丹”を手に入れました。それを飲めば、天界に上がって仙人になるのです。后羿は大事な薬なのでそれを嫦娥に預けました。すると、それを知った后羿の弟子である蓬蒙は仙丹を手に入れるため、后羿が留守の間に嫦娥の部屋に入って仙丹を奪おうとしました。嫦娥は必死に抵抗しましたが、ついに一人で仙丹を全部飲み込んでしまったのです。暫くして仙丹は効果を現し、嫦娥は月に昇って月のウサギと共に寂しい日々を過ごしたとのことです。毎年8月15日の満月は、嫦娥が月を美しく光らせ人々の心にこの太古の伝説をよみがえらせるのです。

二つの名物

中秋節では、先ほどご紹介した物語と関わった二つの名物があります。まずは反元朝の戦役で大役を務めた「月餅」です。伝統のものは裏ごしした蓮の実に卵の黄身を他の材料と混ぜて作りますが、最近、食感を良くする為、衣を工夫して冷凍の材料を使ったり、フルーツ、緑茶、チョコレート、果ては高級食材であるフカヒレ入りの物など、新製品が続々登場しています!
もうひとつ欠かせないのは嫦娥と一緒に月で暮らすウサギの形をした燈籠(ちょうちん)です。もちろん元祖のウサギだけではなく、他の動物の形をしたもの、飛行機、宇宙船、アニメキャラのドラえもんなどを装ったものもあります。現在では安全の為、伝統的な蝋燭を使わずに電球を使っているものがほとんどです。

香港の人々の中秋節の過ごし方

写真提供:森山正明さん

写真提供:森山正明さん

毎年中秋節のこの日は半日、または通常より2,3時間早く仕事を切り上げる会社が多いです。人々は早く帰宅し、一家揃って食事をして中秋節をお祝いするのです。この食事を“団圓飯”と言います。満月のように、家族も円満であることを意味します。食後、家族の行事としては、ピーク(山頂)などの高いところに行って燈籠を手にして、丸くて明るい月を眺めます。また銅鑼湾(Causeway Bay)にあるビクトリア公園では色々な形の燈籠を手にした家族、若いグループを見かけます。もちろん、ツーショットのカップルはこの夜はラブラブです。提燈の明かりが灯る満月のロマンチックな雰囲気の夜、今後の人生を一緒に歩んでいこうと決心を固めるカップルも多いのでは??
写真提供:森山正明さん

写真提供:森山正明さん

写真提供:森山正明さん

写真提供:森山正明さん

写真提供:森山正明さん

写真提供:森山正明さん

大坑火龍舞

また、中秋節と同じ時期、旧暦8月14−16日の3日間、銅鑼湾運動場の後ろにある小さな通り(大坑)では夜、火がついたお香を刺した巨大なファイヤー・ドラゴン(火龍舞)を舞い踊るイベントが行われます。なんと全長60メートル以上、100人以上も動員されます。 百年前、大坑村の住民たちはよく疫病に襲われ、いろいろな災難に遭った時期がありました。それを食い止めるのに中秋節に、縁起の良い龍に線香をともし、ファイヤー・ドラゴンを舞い踊ることにしたのです。3日間連続踊り続けた結果、疫病は消え、大坑村に平和は戻ったのです。それ以来、このファイヤー・ドラゴンは恒例の行事となり、香港のひとつの独特な風習になりました。今ではあまりにも有名なため、海外でも報道されるほどです。
その火龍舞は、中で踊る人たちはもちろん、見ている人も息を呑むくらい、大迫力で、ドキドキ、本当にスリル満点です!!

香港のお中元

日本では、親戚、恩師、会社の上司、取引先、さらに自分や家族が日頃お世話になっていてお礼をしたい人にお中元の品を贈りますね。実は香港の中秋節も取引先に果物や月餅やキャンデーや高級な食品をセットで贈る習慣が最近流行っています。この時期、果物屋さんは凄く忙しくなり、一日何セットもの贈答品を準備します。まさに商売繁盛!

各地の中秋節

「ススキを飾って、お団子を作って、お酒を準備して、楽しいお月見。月は満ちたり欠けたり、いろいろな姿を私たちに見せてくれます。
夜空を埋め尽くす大きなまんまる。どこか寂しげな、すねたような三日月。
まだあかるさの残る青空にしろく浮かんだ姿。でも、お月見といえば、中秋の名月。」

明月や故郷遠き影法師   夏目漱石

この詩には中秋の風景がよく描かれています。日本の中秋節は昔、別名「芋明月」とも呼ばれていました。丁度この時期に旬を迎える里芋などの芋をお供えした事に縁を発した名称です。
台湾は1990年から、中秋節で焼肉を食べる習慣が流行り始めました。何故かはよくわかりませんが、一つの説は郊外で月見をする時にお腹が空くので、焼肉を食べることになったらしいというのですが、本当はどうかしら?

韓国のカレンダーには「秋夕」のことをThanksgiving Dayと訳して書いてあります。とても重要な祝日なので会社や学校などが3連休になります。しかも、その1ヵ月前から各大手デパートなどがバーゲンを始め、贈り物をしなきゃ、という雰囲気をさらに盛り上げます。
それでは、ぜひ香港独特の中秋節を満喫してくださいね。ただ、月餅を食べ過ぎないように注意しましょう!以上、香港ナビがお届けしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-09-28

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