2006年ラグビー・ワールドカップ予選

日本が2007年フランス大会出場への切符を獲得!

みなさんこんにちは、香港ナビです。香港は7人制ラグビーが行われるところで有名ですが、11月18、21日、25日に香港フットボールクラブで来年開催される15人制ラグビー・ワールドカップフランス大会の予選が開かれました。本来はスリランカで開かれる予定立ったのですが、当地の政情不安により、セブンスラグビーなどビッグマッチをオーガナイズするノウハウを持つ香港が代替地として急遽えらばれました。
香港フットボールスタジアムのグランド。ゴールの後ろ側にはマンション群が

香港フットボールスタジアムのグランド。ゴールの後ろ側にはマンション群が

このスタジアムは人口芝です

このスタジアムは人口芝です

試合前の練習

試合前の練習

★日本が余裕の勝利も細かなミスが気になる
日本が対戦するのは地元香港と韓国。1位で通過したチームがW杯本選に進むことが出来ます。初戦の18日は香港との戦いです。観戦チケットは無料ということもありスタンドは両サポーターで満員となりました。

香港との試合はレベル差があるので、日本が勝つことが予想されていました。ただ、その中でもどれだけ正確なプレーが出来るかが課題となりました。
キックオフ直後の前半2分、ラインアウトからのボールをモールにしてそのまま相手ゴールに押しこみフィリップ・オライリーがトライ。5−0とリードします。そして前半7分、13分に連続トライを決めて15−0と一気に試合を決めにかかります。
その後、香港代表がペナルティーゴールを決めて15−3としますが、27分に大野均、32分にはオライリーが今日3つ目のトライをゴール右角に決め25−3と圧倒します。前半の最後はキャプテンの大畑大介が相手ディフェンスをかわして独走のトライ。ゴール後のコンバージョンも決まって33−3で前半を終了。この時点で実質的に試合を決めました。

後半は、香港ディフェンス陣が粘り強く戦ったこともあり、後半19分まで小野澤宏時がトライをするまでなかなか奪えませんでした。ただ残り15分ころから香港ディフェンスに疲れが見え、その間をついて、31分に赤塚隆、39分に有賀剛がトライを決め、52−3と完勝し、W杯出場に王手をかけました。ただ、大きなダメージにはなりませんでしたが、小さなミスも少なくない試合でした。
 
 
積極的に攻める日本
 
 
 
 
積極的に攻める日本

積極的に攻める日本

試合中の控え組みはウォームアップを欠かしません

試合中の控え組みはウォームアップを欠かしません

試合後もストレッチをして筋肉のクールダウンをはかります

試合後もストレッチをして筋肉のクールダウンをはかります

試合後の会見。
左からカーワン・アドバイザー、太田治GM兼ヘッドコーチ、大畑キャプテン

試合後の会見。 左からカーワン・アドバイザー、太田治GM兼ヘッドコーチ、大畑キャプテン

試合後、次期ヘッドコーチ就任が予定されているジョン・カーワン・アドバイザーは「相手をノートライに抑えたことがうれしい。初戦を勝つことが出来たので選手は自信がつくだろう。アンフォースドエラーが多かったのは香港ディフェンスのラッシュがすごかったからだが、このようなミスを犯せば韓国戦では“罰”を受けることになるので、修正していきたい」と気を引き締めなおしていました。
一方、キャプテンの大畑は「勝ったことを素直に喜びたい」と、まずは結果を残したことに満足しているようでした。

★韓国が香港を下す
21日に行われた韓国対香港の試合は韓国が23対5で香港に勝ちました。これで日本は、得失点差から韓国に引き分け以上で本大会に進めるという状況となりました。
国歌斉唱時の日本チーム

国歌斉唱時の日本チーム

★運命の韓国戦。選手は緊張ぎみ
その韓国戦は25日に行われました。日本が優勢と考えられていましたが、相手はサッカーであれ、野球であれどんなスポーツでも宿敵の相手とも言える韓国。油断はできません。負けたら引退することも考えていたという大畑キャプテンは国歌斉唱のときから目を閉じて集中力を高めています。
キックオフのあと、するどい出足で相手からボールを奪う日本が押し気味に試合を進めています。そして前半11分、相手ゴール前でモールを作った日本はそのまま力で押し込み最後は山本貢がトライを決め、先制点を挙げます。コンバージョンも決まって7−0。
「序盤、チームのみんなは固くなっていたが、トライを1本とれた後はプレーが良くなった」と大畑がいったとおり、4分後に有賀がトライを決めて14−0とします。この時間帯の日本は、キックを多めに使って韓国ディフェンスに揺さぶりをかけていました。そして、29分、前半終了の39分には再びモールなどを使った攻撃をして、前半は28−0と予想だにしない一方的な展開で終了します。
特に有賀は自らトライをするほか、トライ後に与えられるコンバージョンを全て決めています。香港戦では逆にほとんど決められず、練習後でも一人で黙々と練習をしてきた成果がこの試合で出ています。
日本の攻めに後手を踏む韓国 
 
  
日本の攻めに後手を踏む韓国

日本の攻めに後手を踏む韓国

前半31分時の電光掲示板

★後半は大畑のトライショー
後半に入っても日本は攻撃の手を緩めません。テストマッチでトライの数が世界一の大畑が後半10分、17分、30分に3連続トライをあげます。この時点で47−0になり、韓国は戦意喪失状態に。日本はバックスにパスを回したり、相手のパスをインターセプトしてのトライなどさまざまな形で得点をくわえていきました。
相手をかわすオライリー
(写真提供=Octagon)

相手をかわすオライリー (写真提供=Octagon)

トライをした大畑

トライをした大畑

この試合ではほとんどのコンバージョンを決めた有賀

この試合ではほとんどのコンバージョンを決めた有賀

ゴールに向かってくるラグビーボール

ゴールに向かってくるラグビーボール

試合終了直前にも日本はトライを決めて54−0でノーサイドの笛がなりました。このアジア予選を圧勝で勝ち、来年のW杯に駒を進めることにありました。
最終スコアはこうなりました

最終スコアはこうなりました

勝利を喜ぶ日本選手

勝利を喜ぶ日本選手

スタンドでは、日本チームや各選手への激励の声が会場内に響き渡りました。
勝利を喜ぶ日本人サポーター 勝利を喜ぶ日本人サポーター 勝利を喜ぶ日本人サポーター

勝利を喜ぶ日本人サポーター

まずは勝利を喜ぶ記念撮影

まずは勝利を喜ぶ記念撮影

「感謝」と書かれた特製のTシャツを着てもう一度撮影

「感謝」と書かれた特製のTシャツを着てもう一度撮影

ルアタンギ・侍マツベイ、大畑、有賀、箕内拓郎 
 
  
ルアタンギ・侍マツベイ、大畑、有賀、箕内拓郎
ルアタンギ・侍マツベイ、大畑、有賀、箕内拓郎 
 
  
ルアタンギ・侍マツベイ、大畑、有賀、箕内拓郎

ルアタンギ・侍マツベイ、大畑、有賀、箕内拓郎

試合後はあちらこちらで選手がサインをしていました

★W杯初戦は9月8日のオーストラリア戦
「今までにこの1カ月、こういうプレーをすればゲームができるというのがはっきりとわかった。世界を相手にした試合を考えると、この試合で出来たレベルを最低ラインに出来るようにしていきたい」と、大畑は試合直後、今後の抱負をこう語ってくれました。

カーワン・アドバイザーは「まずはワールドカップに行くことができてうれしい。チームのみんなにおめでとうを言いたい。チームはいったん解散し、来年4月に再び結成されるが、そのときは大きなチャレンジが待っている。来年に向けては、やることがたくさんあるが、日本のスタイルを創っていきたい」と話しました。

来年のワールドカップ、日本は予選でプールBに入ります。9月8日にオーストラリア、12日にフィジー、20日ウェールズ、25日にカナダと対戦します。日本が活躍することを祈りましょう。以上、香港ナビがお伝えしました。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-11-27

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