香港のハンバーガー事情

世界中の料理が食べられる香港ですが、実はハンバーガーのようなファストフードも充実しています!

多種多様なハンバーガーがあります

みなさんこんにちは、香港ナビです。ファストフードの代表ともいえるハンバーガー。ジャンクフードと陰口を言われても「ハンバーガーを嫌い」という人はほとんどいないくらいの状況ですので、ある意味国民食的な色合いがあります。香港はここ数年ハンバーガーショップが一気に増え、“ハンバーガー戦争”のような感じになってきています。地元資本から海外資本まで様々な企業が嗜好を凝らした形態で香港に進出! ちょっと紹介していきましょう。

日本のハンバーガーショップ店

数年前まで香港でハンバーガーを食べるといえば、マクドナルドと言われるくらいほぼ同義語でした。イギリス統治下でもあったので、パブにいけば豪華なハンバーガーが食べられましたが、それですととてもファストフードではなくちゃんとした料理に近いものがありますし、価格も100ドル以上とそれなりの値段がしました。

ところが、数年前にモスバーガー、フレッシュネスバーガーといった日本の有名ハンバーガショップ、アメリカのバーガーキングが香港に上陸します(バーガーキングは再進出)。今まで実質マクドナルドしかかなった香港人にとって選択肢が加速度的に増えていきました。また、ファストフードのビジネスモデルおよび香港マーケットの特徴から、進出したあとは数年間で一気に店舗数を増やさないと収益が厳しくなるため、ハンバーガー店が増殖していきました。まさにハンバーガーブームともいえる状況が始まりました。

2006年に登場したモスバーガー(中国語では摩斯漢堡と表記)ですが、注文受け付け後にハンバーガーを作るというコンセプト、“日本”というブランドを生かして地位を固めています。また、最初に進出したのが若者が多く集まる旺角地区だったのも戦略もあたりました。辛いのが苦手な香港人に合わせてスパイシー系がないなど商品は日本より絞っています。一方で、モスバーガーは日本では320円ですが、香港では21ドル(=約210円)ですので価格は抑えられています。
2007年に香港に進出してきたのがフレッシュネスバーガーです。モスバーガー同様、メニューは日本よりありませんが、マッシュルームバーガー、ダブルハワイアンバーガーなどオリジナルメニューにも力を入れています。

※2015年6月現在、フレッシュネスバーガーは全店舗閉店しています。
すっかり香港人にも定着しています

すっかり香港人にも定着しています

日本の店ですから味など何かと安心です

日本の店ですから味など何かと安心です

北米のバーガーチェーン

ピクルスが堂々と乗っています

ピクルスが堂々と乗っています

ハンバーガー店最大手のマクドナルドは、この狭い香港になんと224店舗も構えています。日本との違いは、客層としてお年寄りの割合も高く、かつ彼らの憩いの場となっている店がいたるところにあることです。世界の物価指数の指標の1つにもなっているビッグマック指数(説明すると長くなりますのでこの記事では省略させていただきます)ですが、2011年は日本は78.43米ドル、香港は7.78米ドルです。金額でいえば、日本は290~320円、香港は16.5ドルで日本よりも安くなっています。
マクドナルドのライバルであるバーガーキングは、過去に日本市場を撤退したことがあるように、香港マーケットでも撤退した経験があります。それだけに失敗は許されませんが、現在は15店舗を構えており順調に拡大しているようです。スタンダードのワッパーは日本で420円ですが香港では29.5ドルとこちらも日本より安い価格設定になっています。日本は12種類のバーガーがありますが香港は17種類あります。
タイトルにアメリカではなく北米と書いたのには理由があります。カナダのハンバーガーチェーンもあるからです。Triple O’sというハンバーガー店がそれ。上記2つのハンバーガー店よりも少し高級路線で売っています。香港にはカナダパスポートを所有者が多いこと勘案しての進出だと思われます。パンの上にピクルスが載っているのが目を引きます。ポテトは量が多い上にグレイビーソースなので、くどさも加味されて女性なら確実におなか一杯になることでしょう。
マクドナルドには若者だけではなくお年よりも気軽に足を運ぶ姿が

マクドナルドには若者だけではなくお年よりも気軽に足を運ぶ姿が

バーガーキングはライバルのマクドナルドより値段を高めにした高級路線

バーガーキングはライバルのマクドナルドより値段を高めにした高級路線

韓国とフィリピン

アメリカ、日本のハンバーガー店だけではありません。香港には韓国とフィリピンのハンバーガーショップが参入しています。韓国はKraze Burger(クラジェバーガー)という店です。1998年に創立した手作りプレミアムを唄ったハンバーガー店で、香港、マカオ、オーストラリア、台湾、アメリカ、シンガポールに進出しています。香港は尖沙咀(チムサーチョイ)にあるi Squareというショッピングモール内に入っています。ビーフは100%アメリカ産で、普通にオーダーしてもビックマックのサイズがあるのではないかというほどの大きさ。メニューによってはナイフとフォークが一緒に運ばれてくるくらいですからその大きさがわかります。値段も50ドル以上するのがほとんどなのでちょっと高めですが、それに納得できるバリューがあります。
フィリピンのはJollibee(ジョリビー)というハンバーガー店です。香港にはフィリピンからの家政婦が多いことをから進出しています。彼女たちをターゲットにしているせいか、店舗を拡大しようとする感じはありません。また、店内に入ればそこは完全にフィリピンワールド。日本人どころか香港人が入るだけでも浮いた存在になってしまうほどです。マクドナルドはほぼどの国でもハンバーガー業界のシェア1位ですが、ジョリビーだけは唯一トップに立てないというほどの強さを誇っています。値段もセットメニューで20ドル代と手ごろで、パイナップルが入っているものがあるなど味は南国のテイストですが全体的にあっさりした味なので日本人に合うと思います。ハンバーガーファンならぜひとも抑えておきたいお店です。

※2015年6月現在、クラジェバーガーは閉店しています。
Mega Bite(98ドル)というハンバーガー。小瓶と比較するとその厚さがわかります

Mega Bite(98ドル)というハンバーガー。小瓶と比較するとその厚さがわかります

週末は混雑するJollibeeです。ここだけは香港ではなくフィリピンという感じです

週末は混雑するJollibeeです。ここだけは香港ではなくフィリピンという感じです

地元香港を忘れてはいけません

野菜とチーズがたくさんあっておいしそうなGourmet Burger Unionのハンバーガー

野菜とチーズがたくさんあっておいしそうなGourmet Burger Unionのハンバーガー

さて、真打ともいえる地元香港を紹介しましょう。ハンバーガーブームは外国資本の進出というのがありましたが、それだけではなく、地元の店が繁栄したことが大きな要素となっています。また、マクドナルドを含めどこのお店も巨大バーガーを目玉商品の1つとしていますが、Shake Em Bunsは高さがゆうに10センチを越える「Gang Bang」(98ドル)という大きなハンバーガーで有名になったお店です。約200グラムのハンバーガー、トマト、レタス、卵などをふんだんに使っています。特性ソースにマヨネーズと卵の黄味のとろみが合わさってマイルドな味わいに。ピークの時間帯が過ぎると店員がひき肉をこねて新しいハンバーガーを作っている姿を見ることもできます。
Gourmet Burger Unionは香港でレストラン、バーを展開しているGenesis Groupが作ったハンバーガー店です。中環(セントラル)地区のみに4店を集中させて経営しています。つまり、香港在住の西洋人を基本的なターゲットとしています。特徴はトッピングで好みのハンバーガーを作るというものです。ハンバーガー版サブウェイといったところでしょうか。ハンバーガーの大きさ、チーズの種類、4つのトッピング(さらなるトッピングは1つあたり5ドル追加)、ソース、パンの種類を選ぶというものです。店内はいたってシンプルで余計な飾り付けがほとんどありません。
ひき肉をこねてハンバーガーを作っている店員さん

ひき肉をこねてハンバーガーを作っている店員さん

Gourmet Burger Unionの入口

Gourmet Burger Unionの入口

その他のハンバーガー店

香港を代表する茶餐庁の蘭芳園。香港はアフタヌーンティーの文化があり、それが各レストランに派生してアフタヌーンティーの時間帯用のメニューが作られています。ここで売られているのアフタヌーンティーセットは、このレストランの代表メニューであるミルクティーに金牌猪扒包がついて26ドルです(金牌猪扒包の単品は17ドル)。これは、いわゆるカツバーガーで小腹が空いたときにぴったりの料理です。同店の金牌猪扒包も香港人の誰もが知っているもので、夕方の時間帯に行くと多くの人がこの”ポークチョップバーガー”を注文しています。
今回紹介したほかにもハンバーガー店があるのですが、これだけあると厳しい競争にさらされます。Monster Burgerというお店は名前がつくとおり、サイズの大きなハンバーガーをウリにしていましたが、このほど閉鎖に追い込まれました。逆を言えば、また新しいハンバーガーショップが生まれる可能性もあるといえると思いますので、今後の展開が楽しみです。
蘭芳園はミルクティーだけではなく、金牌猪扒包も有名です。

蘭芳園はミルクティーだけではなく、金牌猪扒包も有名です。

巨大バーガーの草分け的存在だったMonster Burgerは閉店してしまいました

巨大バーガーの草分け的存在だったMonster Burgerは閉店してしまいました


 いかがでしたか? コスモポリタンの香港らしくさまざまなハンバーガーが食べられる街です。中華料理もいいですが、たまに嗜好を変えたいちょっとアクセントが欲しいなと思う方などはトライする価値があると思います。次回に行こうと思ったら閉店していたということもあるので、思い立ったら吉です。ぜひ試してみてください。以上、香港ナビがお伝えしました。

その他情報

■2015年6月5日 基本情報更新

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-04-05

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